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「落ち着いた?」
「はい・・・、ありがとうございました」
アイの目は赤くはれていたが笑顔だった。不覚にもドキッとした。
「えへへ・・・、お姉さんができたみたいです」
ウサミミをぴょこぴょこと動かしアイは嬉しそうに言う。
確かに女顔だがお姉さんって・・・
「やめてくれよ。ほら顔洗ってきなさい。可愛い顔が台無しだぞ。」
「そういうところがお姉さんみたいです」
そういって、アイは洗面所へ入って行った。
そ、そうだったのか・・・!
「まあ、いいや。そういえば、アイはなんで俺に魔法とか剣とか教えてくれの?俺が怖いとか思わなかったの?」
アイが顔を洗いながら答える。
「うーん・・・、このまま誰とも関わらないのもまずいと思ったのもあるんですけど・・・、一番の理由はリルちゃんに似ていたからですね」
「リルちゃん?誰だ?」
「リルちゃんは、小さいころ両親が買ってくれたお人形さんです。小さいころはリルちゃんにお話の練習をしていたんですよ。」
子どものアイが人形に向かって自己紹介や話の練習をしていることを想像して少し和んだ。
「ははっ、俺は、人形と似ていたのか」
「フフフ、とってもかわいいんですよ」
トントン
俺たちが話をしていると誰かからノックされた。
「はいはーい、入ってもいいですよー」
ガチャリ
入ってきたのはメリーだった。
「やっほー!女の子連れ込んじゃだめでしょー」
「いや、誤解だよ。なぁ、アイ、って居ない?」
さっきまで洗面所にいたのに・・・、どこにもいない。
いや、いた。ベットの後ろに隠れているがウサミミだけでている。
「えーと、アイ?」
ぴょこん
ウサミミは動いてもアイは出てこない。
あ、ばれていないと思ってるのですか。そうですか。残念ながらバレバレだが。
「なんか、悪いな。人見知りなんだよ。それで、何の用?」
「う、うん。王様が正平さんの様子見て来いって。落ち込んでるって聞いたよ?」
あのクソ王自分で来いよ!
まあ、一応俺のこと気にしてたんだな。謝るなら許すことも考えてやらないことも・・・
「落ち込んでたら笑ってやれとも言われたよ」
「謝るきないのかよ!」
殺す!あのクソ王いつか殴り飛ばす!
「王様に様子報告しなきゃいけないから、そろそろ行くね」
「ああ、じゃあな」
そういって、メリーは部屋から出て行った。
「アイ、もう行ったぞ」
俺が呼びかけるとベットの後ろからゆらりと出てくるアイ。
ほっぺたを膨らませてすこしすねた感じの顔をしている。
「お、おいアイ?」
「・・・・・・」
返答はなく無言だ。
「あいりす、さん?どうしたので、ございましょうか・・・?」
「いえ、べつに・・・。なんでもありませんが」
すねてる!俺がメリーと話したからか?
「アイ!俺はメリーとかと話すときでもアイを仲間はずれにしようとは思わないぞ。」
ゆっくりと顔をあげ俺の方を見てくる。
「そんなこと、分かってます・・・。ただ、初めてできた友達で、すごくうれしくて、だから、自分の知らない人と仲良くしているのをみると、ちょっと嫉妬してしまうというか・・・。
理不尽なわがままだとわかってるんですけど・・・。」
自分が悪いとでも言うようにウサミミはへにゃりと曲がっている。
「そっか、確かにアイだけと仲良くするってのは無理だ。
だから、メリーとも頑張って友達になってみようぜ。」
「メリーさんとですか?でも・・・」
「だから、ちょっとずつ慣れていこう」
少しうつむいて考えるアイ。
そして、顔を上げてこたえた。
「・・・、頑張ってみます!」
「よし、その意気だ!」




