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 「遅いぞ、ジャック。」

 声が聞こえる。子供、少年のような声だ。どこかで聞いた事があるような気がするけど思い出せない。誰だ?どこにいるんだ?ジャックって誰の事だ?

「●●●●●●●●●●●●●●●●」

 今度はハキハキした少女の声が聞こえる。これも聞いた事がある気がする。だが、何を言っているのかよく解らない。この子がジャック…?

「●●●●●●●●●●」

 ふいに背後から声がした。驚いて振り返ると、メガネをかけた小柄な少年が立っていた。華奢な体系、猫の顔がプリントされた緑色のTシャツ…。

「お前、デンタクか!?」

 俺は反射的に叫んでいた。懐かしい。小学生の頃はこいつとよく遊んだものだ。彼は目を丸くして首を傾げた。

「●●●●●●●●●●●●」

 彼は何か言葉を口にしたようだが、俺にはその意味が解らなかった。何故だ?こんなに近くで話しているのに、はっきりと聞こえているのに、外国語でも聞いているかのように意味が浮かんでこない。気がつくと、デンタクは不思議そうな顔でこちらを見つめている。俺は急に恥ずかしくなった。

「なあ、お前…いま何て言った?」

 恐る恐る尋ねると、彼はもっと不思議そうな顔をした。

「●●●●●●●●●●●●●●●●」

「だから、その言葉は解らないんだって!日本語で喋ってくれよ!」

 俺はデンタクにつかみかかった。彼は俺をからかっているのだろうか。しかし、彼は純粋に戸惑っている様だった。

「●●●●●●」

 上の方からさっきの少女の声がした。その方向を見上げて、俺は驚いた。あれはレナだ。昔、家の隣に住んでいた細身の女の子。短く揃えた黒髪を風に揺らし、丘のてっぺんに仁王立ちしている。しかし、やはり言葉が解らない。

「ジャック。早く登ってこいよ。」

 俺はドキリとした。見ると、丘の上にもう1人誰かが立っている。日焼けした肌、ボサボサの髪、しわくちゃの黒いTシャツに、頭には大きな麦わら帽子を被っている少年。

「カイ・・!」

 何でさっき気づかなかったんだろう。カイと会うのは小学校以来だ。何だ?何が起こっているんだ?どうしてみんな集まっているんだ?まるであの頃のように。そうだ、何でみんな小さいままなんだ?

 その時、俺は無意識に自分の手を見た。腕を見た。脚を見た。

「何で俺だけ・・成長してるんだ?」



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