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真 -進化-  作者: Amanoru
晩春
6/26

6話 打開

眠る前の暗闇、静謐。わたしはこの静かな闇の中にいると、記憶の中のあちこちにある悩みの種を拾って、それを議題に頭の中で議論する。今日の議題は、どれの部活動に勤しむかだ。

中学、わたしはバレー部だった。同学年だけで20人くらい部員がいて、練習もまあまあ厳しい顧問が指導していた。その中でレギュラーに入れていたのだから、高校でもバレー部、、.いや、違う部活にしよう、バレーの気分じゃあない。それに高校での部活がわたしの将来と、昵懇の間柄になるかもしれない、そうと考えると、文化部も視野に入れて考えなければならない。いやいやしかし、既に得意となっている競技をさらに伸ばすというのも一興だ。どうしよう。どのようにしすれよう。変な日本語がこんにちはした。いやこんばんはか。頭がうまくまわらない、眠い。兎に角明日、全ての部活動を確認していつからか始まる体験入部に備えよう。今日はそんなことを考えつつ議論を終えて眠りこけた。


ちょうど1週間が経った。今日の5限数学aは最悪だった。体育、昼飯、と来たらあとはもう寝るしかないだろう、それなのに、Jアラートで起こされた。この国は地震大国とはいうが日常茶飯事で地震が起こっている訳では無い、心臓に悪い。


ともあれ1週間。粗方の学徒が粗方の環境に馴染んだだろう。人は慣れることと群れることには本当に長けている。擬態することも同様。まあまあ、そんな説教ぢみたことはどうでもよくて、大問題の、1つ事あり。この1週間の間、あれだけ議論をかわした議題、部活動についてだ。わたしは未だ、どの部活動にも属していない。

メーデーメーデー。こちら佐藤真一兵卒。現在体験入部期間、我選択に迷いけり。2択にすら絞れない有り様、どうしすればよいか、応答されたし。

「こちら進藤佐一少尉、状況理解、即座に対象の排除を命じる、火器使用を許可する」

「ふんぬぁッっっ..!」わたしの防衛本能が進藤のキショい耳打ちによって発動された。

「進どぉぉ!、キモイんだよやめろ。それと勘がいいのもやめろ、キモい」

「真よ何を悩んでいるんだ?、俺は勘が、というか洞察力に長けているからなぁ、どうせ部活動のことだろう?」進藤は平常通り、罵られても殴られても一笑に付しながら、わたしの抱えている1つ事も的中させた。当て推量ではなさそうなところが気に食わない。

「ご名答。気に食わない。」

「無難にバレー部でいいじゃないか」

「わたしの中の可能性という神はバレーだけを見ていない」

「これだ!、と思うものはあったのか?」

「んぬぅーーーー、、、。 無いかった」

「んふ」進藤は不敵に笑った。こいつ、何を考えている?。なぜわたしはこいつの考えることが1ミリもわからないのだ!!

「なんだよ、何を言う気なんだよ。どうせ突拍子のないことだろ、言って聞かせてみ。はい3、2ぃ、1。」


「俺たちで部活を作るのだぁ!!!!!」



はは、まったくこの男は、、「元気なやつ」

正直、この提案、昂奮した。わたしは、まず1つため息をついて、それから、こんなおもしろそうな提案をしたくせに涼しい顔をして顎を突き出しながら見下ろしてくる進藤に、ひと言、、

「それだよ。進藤。That's the best.」

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