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真 -進化-  作者: Amanoru
晩春
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1話 予感

△△△△△年○○月××××日-偽神の乱-

「わたしはあああ!! おnぇちゃんをぉ、救うnんだ!!!」◾︎◾︎時◎◎分、偽神の協力者:津藤高校2年、進藤佐一、神野六斗を拘束。2分後、偽神(仮称:佐藤真)が軍網の上に姿を現す。偽神の戦闘態勢を確認。号令に被せるように超長距離から多田が狙撃。頭部に命中。中長距離部隊一斉射撃。「あああああああああああぁぁぁ、、、、gぁああぁぁぁ..。 ィィいイたい..でも、、それでもぉおおおおお!!!!!」プツン。全弾命中。改良途中の神成の人の除脂肪組織を弾頭に含めた弾丸(対神骨不安定弾)が効果を発揮。身体の骨が粉砕。頭部が残る、この頭部にはいかなる攻撃も通用しない。これは神の力に守られているためだと考えられる。切島荘一郎氏の案より、この頭部をマイナス20度以下での凍結封印を実行。神成の人の涙、心拍数が上昇、血流の加速を確認、神の家:黒曜の破牢が予測される。乳母の慰めによって落ち着いたが、今後神成の人の動向に注意し、棺への移動を要検討。

「わたしは、いきている、、



-2年前-


「今日から高校生か、真、いってらっしゃい。楽しんでね」父は言う。そこで母がいつも通りにお節介をやく、「今日は寒くなるから上着を持っていきなさい」慌ただしく私を気にかける母と、優しい目で送り出してくれる父に私は言う、「いってきます」


今日から高校生、今1番の不安は友達ができるかどうか。わたしは一緒にいて心地の良い人間の希少性も価値も知っている。それゆえに、何も知らない人に明るく振る舞うことが苦手なわたしには自信がないのだ。

それにわたしは最近霊的な存在と出会ったかもしれない。まず、この世に幽霊なるものが存在するのかというお話だが、わたしは存在しない派なのだが、とりあえず実際に見てしまったかもしれないのだ。こんなことを考えている女は周りから見たら暗いオーラに包まれているのだろうか、と、それも不安になる。

とても不安なので、この初登校の時間でその現象に合った時のことを思い返してみる。怖い思いをしたが、不思議と魂に使命が刻まれる感覚がした気がする。


先週、友達と遊びに行った日の帰り21時頃、わたしは那古屋駅にいた。本線の祖笛行きに乗るために、少し長い駅の地下通路を通って改札に向かっているとまず、誰かの声が、女の子の声が、耳元で聞こえた気がした。何を言ったかは聞きとることができなかった。その時周りに人は多くいたのだが、わたしはイヤフォンを耳にジエンギーを聞いていた。そんなことそこまで気にすることでもないことだけれど、なにか雰囲気がおかしかった。かすかに人の息遣いが聞こえるのだ、左耳の、すぐ近くから、ずっと。その異様な距離感はわたしの恐怖心にとりついて、掻き立てた。地下通路には充分な明かりが灯っていて周りには人がいるのに、安心などできなかった。わたしは少し早足でホームへ降り、電車を待った。待っている2、3分の間ずっと気配は消えなかった。わたしの脳は嫌がらせのようにわたしにとって最悪の結末を映像や画像を駆使してぐるぐると思考させた。耳元にかかる恐怖心が高まって高まり続けて幻影を産む。電車に乗り込んで長椅子の真ん中に座る。人は疎ら、誰もいないはずの左隣に圧迫感、そして正面を見る。暗がりで鏡のように車内を映す大きな窓にはわたしの横顔をじっと見つめる目が、わたしの左隣にいた。

これは幻、幻、幻!そう繰り返しながら俯くことしかできなかった。祖笛駅が近い、立ち上がった時の勢いとともに力を振り絞って目線を上げた。

そこには、わたしの左には少女がいた。わたしと同い年くらいの。わたしは何も考えられなかった。恐怖は消えていた。その少女の目は優しかったのだ。わたしは絶句した。感動した。心が激しく揺さぶられた。なんだか、自分が幸せではいけないような気にさせる、擦り切れた少女。わたしは不安定な心の動きをしたまま電車を下りた。少女がまだいるのか、もういないのかわからなかったが、いてもよかった。そこからの帰り道は平穏だった。家の門をくぐり玄関で靴を脱ぎ、お風呂に入って少しベッドで小説を読み散らしてからわたしは眠った。夢の中では誰かがわたしを呼んだ。「まことちゃん」

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