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40 -異形-

転職活動で完全に3日潰れて、書く暇がありませんでした。

遅くなりまして、大変申し訳ありません。

「この辺りはあの化け物の住処か?魔力を吸った物質が変質してるぞ」


「これは流石にルミさんにとっても毒に......なってなさそうっすね。流石っす」


 まるで私が、魔物か人外のように言っているが、魔法使いとして当然のことだ。

自分の体内を循環する魔力に不純物が混入すると、町の人々のような魔力酔いや、下手をすると魔力暴走を起こしかねない。

それを回避するための防護策がないという方がおかしいのだ。

ちなみに私は、簡易的な《絶一門》のような魔法で口元を覆い、吸い込む魔力をシャットアウトしている。


「あの町にも魔力の多い人間はいたっすけど、多かれ少なかれ体調悪そうにしてたっすけどね......」


「あるじ様は特別ですわ!流石ですわ~!」


 まあ簡易《絶一門》で一定以上の魔力を完全に止めているのだから、体調が悪くなるはずがない。

しかし、他の魔法使いに防ぐ術が全くないわけじゃないはずだ。


「あの町にいた冒険者のレベルが低いのはあるだろうな。ギルドも無いんじゃ当然だが」


「そういえば、何故ギルドがないんですの?この火山もあるわけですし仕事には困らなそうですのに」


彼女の問いは、冒険者組合の意義を考えれば至極当然の疑問だ。

しかし人間とは愚かなもので、金銭が絡むとそうもいかなくなってくる。


「恐らく逆だろう。この火山はあの化け物が居なくとも潤沢な魔力を内包している。つまり、魔力のある場所を好む魔物はここを出る必要がない。時たまはぐれる個体は出るだろうが、あの程度の低ランクの魔物なら他の町から来た冒険者がたまに討伐するだけでいいからな」


「でも煉鳥はどうするっすか?あのレベルの冒険者じゃ絶対勝てないっすよ」


「煉鳥はそもそも人里におりてくるような魔物じゃない。魔力を主食としているからな」


 故にこういった高ランクの魔物や災害に対応できない。

モズーなら『月華』あたりがすぐに対応するだろうし、辺境伯が部隊を編成してもおかしくはない。

それが、都市と小さな町との悲しい差だ。


「あいつの反応が止まった。休憩か巣で寝ているのかは知らないが奇襲のチャンスだ」


 魔力探知で、化け物の位置が変わらない事を感知してここが勝機だと悟る。

正直、あいつに追いつくには地上に降りたタイミングを狙うしかないからな。


「《骸砕(ムクロクダキ)》......前衛はお前らに任せるぞ」


「任せるっす!」


「前衛はアヤメ様で十分でしょうから、わたくしは遊撃に回りますわ!《贋者(マガイモノ)》」


 この状況で《贋者(マガイモノ)》?蜘蛛の形態になろうとでもいうのか?

確かに速度は上がるだろうが、飛ばれては元も子もないだろう......と思っていたのだが、彼女の魂は一部分を除いてそのままだった。

つまり、人型で何処かを変形させた状態。

彼女を包む光が消え、その姿があらわになる。


「......翼か。出来るなら早く言え」


 ノワールの背中には、1m半ほどの翼が一対生えていた。


「わたくしも出来るか分かっていなかったんですわ!ぶっつけ本番ですのよ!」


 《贋者(マガイモノ)》は、確かなりたいものに自分の魂を変化させる魔法。

ならば、彼女は鳥か天使になりたいのか?否だ。

これは恐らく、”人間”にちょっとしたオプションが付いた程度だと魂が判断している。

彼女にとっては、これもなりたかった人間と呼べるのだろう。


「ともかく、これなら逃がすことなくさっさと処理できるな」


 唯一の懸念点が解消されたのだ。

苦戦する要素などどこにもない。

私達はあの化け物の所へと向かった。


△▼△▼△▼△▼△


「冥土の土産は用意した

安らかに眠れ

夢魔法・理外の章《安寧(スリープ)》」


 アヤメが私への攻撃を全て防ぎ、空へ逃げようとすればノワールが叩き落とす。

そんな無防備な身体に私の《安寧(スリープ)》が入り、化け物改め煉鳥は眠りに落ちた。

こんな化け物の魂など持っていてもいいことがなさそうなので、少し中身を見て殺してしまうか。


「あるじ様、危ない!」


 ノワールが私を押し倒し、その直後に私の頭があったところを何かが通った。

攻撃?魂に集中していたから探知は2人に任せていたとはいえ、攻撃を喰らう直前まで魔力を感じなかった。

そんなことが出来るのは......私と同じ、魂に通ずる魔法(・・・・・・・)を使える者。


「余計な事をして......出来損ないのアラクネの分際で」


 そこにいたのは、黒いペストマスクのようなモノを被り、ローブで身を覆った存在。

声と口調でいえば女性のようだが、その体躯があまりにも女性には......というか、人間には見えない。


 そんな目に見える情報に驚いた後、違和感が私の頭をよぎった。


「......今、ノワールをアラクネと言ったか?」


 今の彼女は、人型に翼が生えた状態だ。

そんな彼女をアラクネと呼んだ......つまりノワールの身体をいじったやつと関係がある?


「アヤメ、ノワール。アレは危険だ。全力で排除、あるいは拘束だ」


「「はい(っす)!」」

週3(くらい)投稿継続中です。

読んでいただき、ありがとうございます。

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