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異世界最強の転移者と15人の美少女剣姫  作者: 西村将太郎
第3章 天都の悪
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3-17 ライヤ対クーヤ

ご愛読、ありがとうございます。

ドワーフ族の族長の娘ライヤが帝城に潜入します。

 クーヤ達の宿泊所にドワーフ族の娘ライヤが潜入して来た。


 〇帝城宿泊所 第三者視点 転移109日目

 クーヤ達は夕食が終わった風呂の順番を待ちながら、今日の近衛への訓練について語り合ってた。

 一番に風呂に入ったクーヤが出てくると転移三人組が風呂へ行った。


「みんな基礎はできて来たねえ」

「それはもともと素質のある人が集まってるからだ」

「今なら普通の兵隊5人ぐらいと戦えるんじゃないか?」


「そういや、旦那がカクタスさんに教えてた技はなんだ?」

「ああ、あれは抜刀術って言うんだ」

 クーヤはドーテにカクタスに頼まれて教えていた技の名を教えた。


「刀を鞘に納めたまま相手と向き合うんだな。それってどういう効果があるんだ?」

 ジュレイも話に参加して来た。

 ジュレイもドーテも日本人しかインストールできないから刀を武器にした。


「ああ、それは刀身を隠すことで、間合いを判らなくするのと、鞘走りって言って鞘に刀身を押し当てながら刀を抜くと反動で刀の速度が倍加するんだ」

 クーヤが抜刀術の説明をしていると、突然ヒイとミヤが通路の方に振り向く。


 ******


 その少し前、クーヤの向かいの部屋でライヤは明かりも点けられず、女官服からいつもの動きやすい服に着替えていた。

「あ、」

 服が食卓の椅子に引っ掛かり、倒れそうになった。


 ゴン!


 椅子が机に当たってちょっと音が出た。

 これぐらいの音ならクーヤ達には届かないだろう。

 ライヤはハンマーの柄を握り直した。


 ライヤのハンマーは60cmほどの木の柄の先端に直方体の鉄の塊を付けたものだ。

 振って当たればプレートアーマーでも貫通する威力があった。


 *


 クーヤ達の部屋。

「向かいの部屋に誰かいる!」

 ヒイとミヤが出口のドアに走る。

 彼女達の耳は帝国随一と言って良い。間違いはないのだ。

 この時間は詰め所のお姉さん達も帰っていないはず、ならば・・・。


 学校の建設用地で襲撃もされているので、クーヤ達は油断していない。

「まて、慌てるな。まだ敵と決まった訳じゃない」

 クーヤは収納庫から武器を取り出すヒイとミヤに言った。


 *


 ライヤはクーヤ達の部屋の扉が開いて、騒がしくなってることに気付いた。

 やばい・・・見つかった?

 この暗闇の中で隠れるところは探せない。通路側の壁に身を寄せるのだった。


 ライヤは練習で人と戦ったことはあるが、実際の戦闘はしたことがない。

 戦闘があるかもしれない。自分が相手を傷つけられるのかも分からない。

 ライヤの心臓は早鐘のように鳴るのだった。


 *


「飛び道具を持ってるかもしれない。両側に広がれ」

 クーヤは押さえた声で4人に指示をする。

 ヒイとミヤは扉の開く方。ジュレイとドーテは蝶番の方に陣取った。

 全員に木刀を持たせてある。部屋を血で汚さない配慮だ。


「誰かいるのか!・・・」

「開けるぞ!」

 クーヤは敵に声を掛ける形で、自分の正面を結界で覆いながらドアノブに手を掛けた。


 ガチャっ!


 部屋へ押し込むようにドアを開ける。

 通路の常夜灯の薄明かりが部屋へ差し込むが誰もいない。

 クーヤが部屋に足を入れる前にミヤとヒイが駆け込む。


「こら!」

 クーヤが怒るがもう遅い。

 もう二人の姿は見えなくなっていた。


 ライヤはドアが開いた瞬間、光る四つの眼が自分を捕らえたことを知った。

 ハンマーを光る眼をめがけて振った。

 何かにかすったようだ。


 そこでジュレイがライトの魔道具に魔力を送る。

 へやがパアッと明るくなった。

「へ、子供!?」

 思わずクーヤが声に出した。


 そこにいたのは背丈がヒイと変わらない、ハンマーを握った女の子だ。

「待て!!ヒイ、ミヤ下がれ!」

 直感で危険を感じたクーヤは二人を下がらせる。


 ふと見るとミヤの頬から血が流れていた。

 今まで敵の攻撃が当たったことがないミヤに攻撃が当たった?!

 すぐさまクーヤは再生でミヤを治療する。


「君は俺達を殺しに来たのか?」

 ライヤの姿がそれが目的とは思えなかった。

 彼女の顔に驚きが張り付いた。


「ち、違う・・・、飛行機械を」

 ライヤはハンマーを正面に両手で持って構えた。

「飛行機をどうしたいんだ」


「壊さないとみんなが・・・」

 クーヤは彼女に深い事情があると見て交渉を考えた。


「クーヤ殿、彼女はドワーフ族だ。小さくても成人していると思う」

 後ろから見ていたジュレイがライヤの正体を暴く。

「そういや、西域でナオジとかいうドワーフに会ったな。もしかして君知ってる?」


 話し合うきっかけが欲しくて、クーヤは嘉峪関で知り合ったドワーフの名前を出してみる。

 ライヤの顔に驚愕の表情が張り付く。


 クーヤはナオジは彼女の近しい縁者だろうと推測する。

 だがライヤは認めない。

「知らん!」

 ハンマーを強く握り直す。


「センセー、僕がやろうか?」

「ご主人様、私がやります」

 ヒイとミヤがしゃしゃり出てくる。


 クーヤはミヤの頬を切った攻撃が、何なのか分からなかったから、二人を押さえた。

「俺の後ろに居て」

 ジュレイもドーテもなぜライヤを拘束しないのか不思議がった。


 ミヤへの攻撃それが判らないと仲間が大けがをするかも知れん。

 クーヤが手をこまねいている理由だ。


「飛行機はここにはない。だからおまえの目的は果たせない」

 クーヤは思った。縁者がだめなら目的を潰そう。


「な、なんだと」

 ライヤの動揺が激しくなった。

「嘘だ。お前は嘘を言っている」


「嘘じゃない。お前は飛行機の大きさを聞いているか?」

「縦横10mくらいだと・・・」


 ライヤは気付いたようだ。ここへの通路は2×2mくらいだ。

「そうだ。そんなものをここへ運び込むことは不可能だ」


「じゃあ、どこにあるんだ。壊さないとみんなが・・・」

「話すと思うか?」


「チクショウ!!」

 ライヤはハンマーを振り回した。

 その攻撃はクーヤの前に張った結界に弾かれるはずだった。


 結界が真っ二つに切り裂かれていく。ライヤのハンマーの先端に刃があるがごとく斬れていく。

「馬鹿な・・・」

 慌ててクーヤは結界を捨て、木刀を構える。

 果たしてこの木刀にこの刃を止められるのか。


『魔力を斬れるのは魔力です』

 クーヤにナビさんが教えてくれる。と言うことはこの少女が魔力で結界を斬ったと言うことになる。

 異能か!この少女の異能なのかとクーヤは警戒する。


 結界のおかげでクーヤまでは届かなかったが、ミヤの頬を斬ったのは彼女の魔力に違いないだろう。

 クーヤが彼女を見ると俯いてゆらゆらと揺れている。

 まだ何かあるのか?!


 彼女はいきなり崩れて倒れた。

「どうしたんだ!?」


『魔力切れですね』

 ナビさん曰く魔力を使い果たして、魔力欠乏で意識を失ったらしい。


 呆気ない幕切れだが、あの魔力の斬撃が仲間に向けられなくてよかったと、クーヤは胸をなでおろした。

 興奮した彼女は魔力を制限なく発揮し、それゆえ自身の魔力を瞬時で消費してしまったんだろう。


「ご主人様、この子どうするの」

 ヒイがつんつんと突いてるのを見て、ミヤが聞いてくる。

 クーヤは収納からロープを出すと少女を縛り上げる。

「部屋に連れてって話を聞くよ」


「はーい」

「わかりましたあ」


 ヒイが少女の股をばっと開いて間に入って膝のあたりを持つ。

 ミニのスカートが捲れ上がり、白いトランクスのパンツが顔を出す。

 ミヤが腋に手を入れてを持つ。

「せーの」


「おい、ちょっと」

 クーヤの制止なんか聞いていない。


「エッホ、エッホ」

 ゴン、ドン、ドサ!

 あちこちぶつけながら自分たちの部屋に運ぶ。


『明日までは起きないでしょう』

 ナビさんに言われたので女子の寝室に置いておくことにしたが・・・。


「大丈夫かなあ。この子縛ったままだよ」

「でも解いて寝ているところで起きられても」


「なんか臭くない?」

 庶民は週に一回お風呂に入れるかどうか、普段は体を拭く程度だ。

 体臭が匂うのも仕方がない。


「お風呂に入れようか?」

「それだ、マシロさん達もう出るだろ」

「よし連れて行こう」


「僕達も一緒に入ろうか?」

「そうだね。それが手っ取り早いよ」

 次の順番のヒイとミヤがライヤと一緒に入ることに。


「俺も手伝うぞ」

「仕方ないな。私も行くよ」

 ドーテとジュレイも手伝うことに。


 更衣室に入るとヒイとミヤはスッポンポンになって浴室に入り、バスタブの用意をする。

 更衣室に居た転移組三人は驚くが、そんなのを気にする二人ではない。


「なんなの?どうしたの?」

 更衣室に運び込まれたドワーフの少女に疑問符を頭に浮かべている。

 ドーテとジュレイにいきさつを聞いて納得する三人だった。


「じゃあ、着替えとタオルを用意するから、後は頼むね」

「おお、任せとけって」

 怪訝な顔をするマシロにドーテは胸を叩く。

 転移組は邪魔をしないように出て行く。


 ドーテとジュレイは更衣室にライヤを寝かせ、服を剥いでいく。

 素っ裸にされたライヤを浴室に運んでいくドーテとジュレイ。


 バスタブには湯が張られ用意されている。

 そこへライヤを放り込む。


 ミヤとヒイが石鹸を付けて体中を洗う。

 これだけされてもライヤに反応はない。


 魔力が空になると周囲の魔素を取り込んで、魔力に変換し、ある程度それが溜まるまで魔力回路がこれ以上魔力を使われないように意識を奪う、魔力回路が壊れないようにする保護活動だ。


「この子、背の丈はヒイぐらいだけど、がっちりして重いよね」

「ドワーフってみんなそうなのかな?」


「ご主人様、この子どうするつもりなんだろうね?」

「せんせー、事情がありそうって思ってるみたい」


「黒幕の事知ってるとか?」

「さあね、分かんない」


 などと話してるうちに洗い終わり、体をひっくり返して背面を洗い始める。

 体をすすいでバスタブから出す。


「上がったよう!」

 4人がかりでバスタオル1枚とタオル3枚で拭き上げられる。


 パンツとネグリジェを着せてベッド縛り付けた。

 夜中に騒ぎだすと大変だから。


 ******


 〇天都某所 第三者視点

 天都の黒幕の屋敷。

 相変わらず黒幕の男は秘書の男と二人でいる。

「飛行機械のイベントが三日後に決まったぞ」

「さようですか。こちらもサル座から、帝城にドワーフ族の娘を送り込んだと報告がありました」


「ドワーフだと、なぜサル座が潜入しないのだ」

「干支座がこれ以上の弱体化を恐れたようです」


 黒幕は机をドンと叩いた。

「産業が成れば自分たちが滅びるとなぜわからんのだ」

 前は自分が干支座を見捨てるつもりだったくせに秘書はそう思ったが、おくびにもださなかった。


「よし、当日には軍を動かすぞ。十日以内にクーデターの準備をしろ!」

 あーあ、短絡的にクーデターなんかやって成功するわけないだろう。

 そろそろ潮時だな。


 秘書は逃げることを考え始めた。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回はハヤブサ号の展示飛行の日、クーデターが起きます。

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