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異世界最強の転移者と15人の美少女剣姫  作者: 西村将太郎
第3章 天都の悪
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3-10 産業革命の光

ご愛読、ありがとうございます。

従者がまた増えそうです。

 勇者スズカを日本に帰したクーヤだったが残った転生組に大きな影響を残していった。


 〇帝城宿泊所 転移102日目

「センセー、朝だよ」

「ご主人様、朝です」

 自他ともに認める俺の世話係のこの義姉妹は朝早くから元気だ。


 朝食を摂るのに食卓に着くと今日は珍しく全員が顔を揃えていた。

「アオイが朝から射るのは珍しいな」

「うん、今日はね」

 ちょっと様子がおかしいと言うか転生組もドーテとジュレイも静かだ。


「なんでジュレイが居る?昨日帰らなかったのか?」

「朝一番に来たのだ。悪いか」

 ジュレイはむすっとした顔で俺を睨む。


 ジュレイが何をしに来てるのかが判らない。

 確か疑獄事件の黒幕に復讐を考えてるんだっけ。

 でも今は動きがないしなあ。


「今来られても何も進展はないぞ」

 それは分かってるよなあ。

「うっ、ち、違う。そいつを見張りに来たんだ」

 顎でドーテを指す。


 なんだあ、意味が分かんないぞう。

「そういやドーテ、大丈夫か?スズカはもう行ってしまったが」

「ああ、ベルのことはもう忘れる。それより大事なことがある」

 あっさりしたもんだ。まあ、今は無職だし、将来の事かな。


「何かやりたいことができたのかな?」

「よくぞ聞いてくれたぜ!俺を従者にしてくれえ!」

 ドーテはノリノリで両手を挙げる。


「ちょっと待ちなさい。私が従者になるのよ」

 え、ジュレイが従者?そんなの白虎王が許さんだろう。

「二人が従者になりたがるなんて、どういうことなんだ?」


「待ちなさい!」

「待たんかあ!」

「ちょっと待って!」

 転移三人組が唾を飛ばして話を止める。


「今度は君達か、一体なにがあると言うんだ」

 俺がそう言うとマシロが立ち上がった。

「彼女達より先に行っておきたいことがあります」


 あまりに真剣なので俺は圧力に屈した。

「はい、どうぞ」

 マシロは隣に座るアカネとアオイに頷き合った。


「私達は昨日話し合って、日本に帰ることを諦めました」

 へ、日本に帰りたかったんじゃないのか。


「私達に取って日本は故郷ですが、転移ポイントもまともに探せないほど、変わり果てた日本に帰りたいとは思えません。そして今の日本にはクーヤさんが居ません。私達はこの世界に来て一般人と異なる領域に達しました。いえ、その領域は今も広がっています。この感覚を知ってしまった私達はあなたから離れられません。私達はあなたと共に生きたいのです」


 え、え、えーっ。これってプロポーズ・・・。

 いやいやいや、そんなはずない。これはあれだ、このまま従者で居たいってことだよな。

 従者は一般人よりチートで居られるってことだ。

 お子様はとにかく、年頃の女性にモテるわけがないもんね。


「ありがとう。君達が俺の従者で居たいなら、他の人と結婚しても契約は残すようにしよう」

 あれ、なんだ、三人が納得できないみたいな顔で話し合ってる。

 俺は何か間違えたんだろうか。


「だから、こいつには、もっとはっきり言わないと通じないんだよ」

 アカネが二人に吠える。え、俺に通じてないのか。解らん。

「私がはっきりと言ってあげる」

 マシロが座り、アオイが立ち上がった。


「はっきり言う。私達三人を嫁に貰ってほしい。あんたの性格だ、これからも嫁は増えていくだろう。しかーし、私達は先に出会った。順序はこの二人より先でなければならない!」

 ビシッとジュレイとドーテを指差す。ゴック唾をのむ二人。


「さ、三人を嫁って重婚じゃないか!それにこれから嫁が増えていくってどういうことだよ!」

 俺が声を張り上げ、否定する。そんなの倫理的におかしい。


「フ、フ、フ、ヒイちゃんミヤちゃんと結婚の約束をした君の言葉とは思えんな」

「それは彼女達はまだ子供だ。これからいっぱい出会いもあるだろ。俺とこのままなんてありえない」

 俺は常識論を振りかざす。


「甘いな、明智君。男は男に育っていくが、女は生まれた時から女なんだよ。

 ヒイちゃんとミヤちゃんがあんたから離れることは無いんだ」

 ヒイとミヤがうんうんと大きく頷く。

 俺は浅野だ。小五郎じゃないぞ。


「君達は俺だけでいいのか?そんなの信じられない。3人の女性が一人の男に円満に求婚するなんて」

 俺は三人の考えが解らなかった。だいたいこの世界の出身なら、重婚してる人も多いらしいから気にしないかもだが、日本では浮気とか不倫とか大きな事件になることも多い。


「私達もそれについては何回も話し合ったよ。でもこの世界で頼れるのはあんただけだし、日本に帰っても安全に生活できる保障は全くないんだ。そうしたらあんたともっと絆を深めたいと思うのは自然じゃないのか」


 アオイの言ってることは筋は通っているが、正しいのか?


「クーヤ殿、この人達の言ってることは正しいと思う。私もそう思ったからな。

 あなたには金もある、地位もある、おまけに天帝様の仕事をこなして名声を手にしつつもある。

 しかもやさしいし、私達に劣等感も持たせない。何より誇れる仕事をくれる。

 志のある女なら惚れるのも無理はない」

 ジュレイがアオイたちの意見を念入りに肯定した。


「俺は難しいことは分からん。しかし、旦那とともに生きたいとは強く思ってるぞ。

 ジュレイの言う通り、旦那に惚れる女は俺達だけで済むわけがない。

 それにだ、ここにいるジュレイや他の従者に対して、まったくヤキモチを焼くことがない。

 これは旦那が俺達を従えられる家長だと言うことだろう」

 ドーテまで俺を持ち上げてくる。


『ご主人様、この際彼女達の要望をかなえるべきだと思います』

 ああ、今度はナビさんか。


『それはなぜだ』

『ご主人様の考えている産業革命が、広く庶民にも豊かな生活を与えようとするものならば、忠実な部下が大量に必要になってきます。その上部組織として従者を据えるのも一考かと』


 俺は産業革命を鉄鋼・繊維産業から始めて、いろいろな産業に広めていこうと思っている。

 しかしだ、俺は産業を牛耳ろうとはしていない。だから組織など考えてもいなかった。

 ナビさんの考えていることも解る。

 一部の資本家が、富を掻っ攫い、公害が蔓延するようでは困るのだ。


 俺の従者と言えばヒイとミヤとマシロとアカネとアオイ・・・身寄りのない奴ばっかりじゃねえか。

 ジュレイが白虎国の王女でドーテが台湾の山岳民族の族長の娘かあ。

 彼女らの縁者に使えそうなやつがいるなら。それを使って組織を作っていくことを考えないとな。


 その時、天帝様から午後一に執務室に来るように連絡があった。

 連絡のお姉さんが戻って行った。


「どうするのよ?」

 お姉さんが扉を閉めた瞬間、アオイが言った。

「そうだ、どうするんだ」

 ジュレイもそれに乗る。

 ドーテはにやにやしながらそれを眺める。


「回答には産業革命のやり方を考える必要がある。新しい拠点も必要だ。もう少し待ってくれ」

 このままではジュレイまで引き取れないし、組織を作るには大きな入れ物、つまり建物が居る。

 超後天帝様から呼び出しもあったし、お願いしてみよう。


「ジュレイとドーテに聞きたい、君達は産業革命のために人材を探してくれる気はあるかい」

「女か?」

 ジュレイは愛人候補だと思ってるのだろうか。

「性別年齢は問わない。技術は俺がインストールで教えるから、人柄がいい奴で上昇志向のあるやつだ」


「それって台湾に帰るってことでいいのか?じゃないと俺には無理だ」

「もちろんだ。現地までは俺が送ってやるから、ジュレイも心配すんな」

「俺んところは学がないから、あんまり期待されてもなあ」

 ドーテは故郷の人達に自信がないらしくうだうだと言い訳めいたことを言っていた。

 こうなったらあれの製作を早く進めないとな。


 ******


 〇天帝執務室

 執務室に行くといつものように天帝様とコウメイ様が仲良く座っている。

「おお、クーヤ、よく来た」

「お呼びにより、参上仕りました」


「宮廷言葉はよせ、いつものように話すのじゃ。今日は学校の建設予定地の工事が始まったので、その連絡じゃ」

「どこですか?」


「市街地から3kmほど南東に行った伊河のほとりじゃ。1km×1kmほどの土地じゃ。同時にお前達の屋敷と学生や従業員の入る寮を作り始める。学校はその後になるが良いか?」

「はい、でも私達の屋敷まで作って貰ってよろしいのでしょうか?」

 俺も従者を集めるなら帝城を出なきゃと考えていたのでちょうどいいんだけど。


「かまわぬ。お前には給金も領地もやっておらん。屋敷一つなら安いものよ。二月ぐらいで出来るだろうよ」

「ありがとうございます。それで産業革命を代表するものですが、空飛ぶ乗り物を作ろうと思います」


「なに、空飛ぶ乗り物じゃと!」

 おお、驚いてくれた。

「はい、大きなものは作れませんが、2人乗りを作ろうと思います。それで天都の上を飛べば市民の皆さんも産業革命に明るい希望を思ってくれるのではないかと考えます」


「それはどういう形のものなのだ?」

 俺は収納から日本で買ったゴム動力の模型飛行機を出す。

 ゴムを軽く巻いて飛ばすと部屋の端から端まで飛んで、壁に当たって落ちた。


「ゲツエイ、それを拾ってきてくれ」

 コウメイ様が天帝様にお願いする。天帝様の名前ゲツエイって言うんだあ。

 天帝様が立つ。俺はそれを制して取りに行く。

「天帝様、俺が取ってきます」


 模型飛行機を取って戻り、コウメイ様に渡す。

「さっき、明らかに浮いて飛んだ。どういう理屈だ。もしかして異能か?」

「いえいえ、まずこのプロペラを見てください。こちら側に回すとこの茶色い紐がねじれます」

 ゴムを巻いていく。


「プロペラを離して見てください」

 翼の下の胴体を持たせてプロペラを離すと、勢いよく回り始める。

「なんだ、引っ張られるぞ」


「団扇を仰ぐのを連続でやっているようなものです。これが前に進む動力になります」

「なるほど。しかし、さっきは自力で浮いていたように見えたぞ」

 流石男の子、こういうことには興味津々みたいだ。


「この大きな平たい部分が鳥の翼と同じ役割をします。

 胴体に対して翼の前が少し高くなっています。これが空気を押し下げることで浮く力を得ます。

 さらには翼の上を丸く反らせることで、上の空気は速く、下の空気は遅く流れます。

 これで翼の上下に圧力の差を生じ、上に引っ張る力が生じます」


「うーむ、あとの方の説明が良く解らん」

「それは差し上げますので、研究してみてください」

 彼の顔がパッと明るくなる。やっぱり男の子だねえ。


 これはジュレイはともかくドーテは従者にして、飛行機を作り始めないとな。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回は飛行機を作るクーヤ達に忍び寄る悪の手先が。

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