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異世界最強の転移者と15人の美少女剣姫  作者: 西村将太郎
第2章 3人の女子高生
35/45

2-12 VS巨大虎

ご愛読、ありがとうございます。

虎が出てきます。

 マシロ達の話を聞いてクーヤの従者になることを決意したアオイであったが、クーヤにあっさり断られてしまう。


 〇ヒイの家 女性寝室 転移83日目 アオイ

「従者になってあげるって言ったのに、断るってどういうこと?」

 私はマシロとアカネに吠えた。

「こら!静かにしろ!ヒイちゃん達が起きちゃうだろ」

 低いくぐもった声でアカネが怒る。


「まあ、お互いの信頼関係が深まらないと無理じゃないかなあ」

 マシロがクーヤ君と同じことを言う。

「でも、王女様の問題解決に動いてくれんだから、お前のことを見放してるわけじゃないよ」

 アカネが慰めてくれるが、それでもまだ腹の虫は収まらない。


「あのねえ、聞く限り命がけの仕事よ。それをあんたがやらせるってことを忘れないで。クーヤさんに何かあったら私達は生きていけないんだよ」

「そ、そんなに危ない仕事なの?私は何も知らなくて」


 そう簡単な仕事じゃないとは思ってたけど、死ぬ危険があるような仕事だなんて。

「明日、クーヤ君に謝るよ。私なにも解ってなかった」

「まあ、いいんじゃねえか。クーヤも解って引き受けたんだ。もしかしたら様子を見るだけかもしんねえだろ」


 その日はなかなか寝付けなかった。

 クーヤ君の話す言葉は優しかったし、願いも聞き入れてくれた。

 私は嫌われてないはずだ。


 元の世界に戻れない以上、私を支えてくれる人は彼しかいないのだろう。

 それに魔法、私はどんな魔法が使えるのだろう。

 やっぱり敵を焼き尽くす炎系かしら、音と光の雷系も捨てがたいわ。


 もしかして世界最強とか言われて、王子様にプロポーズとかされたらどうしよう。

 その場合、セクシースノーの北川君似だといいな。

 私の妄想は止まらなくなっていくのだった。


 〇翌日 転移84日目

 朝から俺はバイクでコウシュウホテルに行き、墓所の場所を聞いて現地に行くことにした。

 もちろんそれをハクキさんやトウガイに伝えるように伝言した。

 墓所は王都から西に馬車で半日ぐらいの距離だと言う。


 ヒイの家に戻ると全員が車に乗り込んで、付いてくる準備をしていた。

「なに、やってんの。様子見に行くだけって言ったよね」

 俺はもしかのために車を出しといて、場所を教えに戻って来ただけなのに。


「私の眼はご主人様の数倍です。様子見と言うなら私も一緒に」


「僕の鼻と耳はセンセーより良いんだから、置いてっちゃダメでしょ」


「ウォン」


「王都との連絡が必要となったら私達がいないと不便でしょ」


「そ、そうだぞ」


「みんなが何言ってるのか解んないけど、みんなが行くなら家も持ってかなきゃだし、私もついて行かざるを得ないよね」


「はい」

 みんなが従者であるはずなのに大人数に押し負けてしまう。

 ブラック企業の社畜根性が出てしまった。こっちに来てから、卑屈にならないように頑張ってたんだけどな。


 だけどおかしいな。精神的耐性はナビさんが補強してくれるはずなのに。

『ご主人様の精神的耐性はご主人様自体が鍛える必要があります。従って危険のない時には補強をやめるようにいたします』

 ええ、そんなのひどいよ。


「センセー、どうしたの」

 ヒイは俺の表情の変化を見逃さなかった。ここは先生らしくやせ我慢だ。

「いや、どうもしないよ。さあ、いこうか」


「僕はセンセーのお嫁さんになるんだから、内緒はダメだよ」

「そうですよ。私達には言いたいこと言ってください」

 ミヤまでそんなことを言ってくる。


「今度の敵は今のところ勝ち目のない敵だ。危ないことはしないで欲しい」

「解ってるさ。だがな私達もクーヤのことを守りたいのだ」

 アカネが俺の心配に答えてくれる。


「お姉さん達もご主人様のお嫁さんになるのですか?」

 ミヤがとんでもないことを言う。

「お、おま、なんてことを!」

 アカネが真っ赤になって両手を胸の前で振る。


「ミヤちゃん、クーヤさんはヒイちゃんをお嫁にするのでしょう」

 マシロがミヤにとんでもないと首を横に振る。

「うん、でもミヤもお嫁さんになるし、お姉さんなら私はかまわないです」

 ミヤの言葉にマシロは真っ赤になって下を向く。


 変な空気の流れる中、ヒイとアオイはなぜこんな雰囲気になっているのか解ってないようだった

 この世界では重婚は罪ではない。むしろ貴族や大商人には多数の女性を配偶者とするのが奨励されていた。


 結局全員を乗せて出発。

 2時間で墓所がある山のふもとに到着、ここからは歩きで山を登る。

 墓所は3人ぐらいが並べる道を1時間ほど登ったところにあるそうだ。


 流石にアオイは危ないので車に残ってもらう。

 墓所がある山は平民が入れないので、木々が茂っていて日本の山みたいだ。

 しかし、周囲が見えないので、ヒイとミヤの感覚だよりだ。


 30分ほど歩いた頃、そろそろ墓所が近くなったみたいだ。

「獣の匂いが上の方から流れきてるよ」

 ヒイが虎の匂いを嗅ぎ取ったみたいだ。


「もう墓所なの。30分しか歩いてないよ」

 マシロはそう言うが、ここにいるのは身体強化した者ばかり、普通の人とは歩く速度が違う。

「周囲が木で見えないから油断するな。ここからは従者通信で話そう」

 俺は皆に注意を促す。


 道は直径10mほどの広場に出る。

 周りは木々で覆われ、一本の道が見える。

 俺達は広場に出て周囲を伺う。


「やあ、久しぶり」

 いきなり背後から声を掛けられた。

 ダークエルフの少年が立っていた。


「ああ、ナータだっけか」

 俺は最大まで高まった心拍数を落ち着け、身構えるミヤ達を押さえて返事をする。

 青龍国で会ったダークエルフの王子だ。


「君が居るかと思って、信帝国に来たのにこんな辺境にいるとはね」

「良く解ったな。しかし、近くに虎の魔獣が居る。静かにしてくれ」


「ああ、でも僕は信帝国中探したんだよ。もっと喜んでおくれよ」

 少し声を落として話すが、俺は魔獣に気付かれないかと焦るが、ナータは気にも留めない。

 俺は話を中断して道の先を確認する。


 50mほどの狭い真っ直ぐな道の向こうに、壮麗な白い大理石の建物がある。

 道の右側は切り立った崖になっている。落ちれば死ぬな。

「静かにしてくれ。あそこの墓所に虎が居るはずなんだ」

「ふーん、で、やっつけるの」

 気軽に言いやがる。


「何を暢気に、魔獣の虎だぞ。敵うわけないだろ」

 ナータはきょとんとした顔をした。

「それぐらい勝てないの?」


「お、お前は勝てるのかよ」

「僕は戦闘は苦手」

 何なんだよこいつ。


「センセー、この子誰?」

 不意にヒイが顔をのぞかせる。

「こいつはダークエルフの国の王子だそうだ」


「ちゃんと紹介してよ。僕はダークエルフのナータだ、よろしく」

 ニコニコしながら全員と握手をする。王子のくせになんて軽い奴だ。

「君が狼の魔獣だね。もうこんなに大きくなったんだ」

 ハイジを見つけて頭を撫でる。


「それで話を戻すけど、どうして虎に勝てないの」

「虎は大きいし、速度も速い。魔獣ならもっとだろ。こんな狭い道で正面向いて戦ってどうやって勝てって言うんだ。刀の間合いにはほぼ前足しか入ってこないぞ」


 虎が突進してくれば避けることもできずに、前足の餌食になってしまう。

 例え、前足を斬り飛ばしたとしても1tもの体が4、50km/hの速度で圧し潰される。

 つまり、虎が突進してくればよくて相打ちしかないのだ。

「ふむふむ、僕の見立てじゃあ君はもっと強いと思ったんだけどな」


「ご主人様、虎が現れました。身を隠してください」

 ミヤの言葉で全員が林の中に身を隠した。

 虎は頂上の方から墓所の方へ降りて来ていた。


「大きい」

 みんながそう呟いた。大きくなったハイジの倍以上の大きさだ。


「センセー、お父さんの弓を出して」

 ヒイが言ってるのはシュバルツが使ってためちゃくちゃ強い弓だ。

 ヒイはまだ途中までしか弓を引けなかったはず。

 なにせ、いつも使ってるコンパウンドボウの倍の強さだ。


「お前はまだ引けなかっただろ」

「お姉さん達が加わった今なら引ける」

 ヒイは従者が増えたことで強くなったと言いたいらしい。まあそう言うことはある。


 俺は朱雀国の兵の弓矢が虎に通じなかったことを聞いて俺は弓矢を諦めていた。

 ヒイは直感的にシュバルツの弓なら虎の魔獣に効果があると判断したようだ。


 しかし、致命傷を与えられるかと言えば疑問が残る。

「待て、ヒイ。良く放てても二射が限度。それであの虎の命に届くか?」

 はっきり言ってバトルライフルでも殺せそうにない。


「殺せなくても両目を潰す」

 ヒイは静かに闘志を燃やしている。さすが英雄シュバルツの子供だ。

 50mの距離ならヒイは外さないだろう。

 しかし、ネコ科の反応速度は速い。当たるのか?


 もし、失敗しても片目でも潰せれば戦えるか?

 俺はシュバルツの弓と矢を収納から出す。

 ヒイはえびらを背負うと弓を構える。


 ヒイの身長では右肩以上に引かないと弓の性能は引き出せない。

 前は胸ぐらいまでしか引けなかったが。

 ヒイはグイと引いて見せると弓が大きく撓った。


 俺の中にヒイの闘志を信用する心が生まれる。

 よし、やってみよう。


 俺はヒイとハイジ以外の従者に下山するように指示をした。

 俺はこれからのことを彼女に囁く。

 彼女は大きく頷く。


 ヒイは広場から真っ直ぐに虎を狙える位置に出る。

 虎からも見える位置と言うことだ。

 俺とハイジは彼女の後ろに立つ。


 ヒイは箙から矢を2本出すと1本を弓に番えた。

 彼女は弓を引き絞った。

 虎がこちらの気配を感じっとったのかこちらを向く。


 ヒイが弓を放つ。

 矢は1秒もかからずに虎の右目に突き立つ。

 ガアアアア!!。


 虎はその痛みに咆哮する。

 そしてヒイ目掛けて走り出す。

 彼女はすでに2本目を番えている。


 ヒイが弓を弾き絞る。

 この小さい体のどこにそんな力があるのか。

 弓が撓る。


 虎は道の半ばまで走って来ていた。

 矢が放たれる。


「ウォン」

 ヒイは矢の行方も見ずに弓と箙を捨て、ハイジに飛び乗る。

 ハイジは後も見ずに下山を始める。


 俺は結界を虎との間に張った。

 矢は虎の左目を射抜いていた。

 虎はそのまま結界に衝突する。


 グワアアアン!!


 大きな音とともに地面まで張っていた結界を弾き飛ばし、俺も吹っ飛ばされる。

 結界で衝撃のほとんどを吸収できたので、俺は擦り傷ぐらいだ。


 俺は王城の武器庫で見つけた穂先が2尺以上ある槍を収納庫から出して構えた。

 ヒイのおかげで虎は失明しているが、前足や尻尾を振り回して容易には近付けない。


 しかし、隙は大きくなっている。

 俺は虎の横に回って、心臓を狙う。

 ナビさんが心臓を指示してくれる。


 今だ!!!

 俺は槍を心臓めがけて槍を突き入れる。

 その瞬間、尻尾が俺を襲う。


 俺は空中高く跳ね上げられ、道の横に在る崖に落ちていく。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

クーヤはどうなるのか。

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