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異世界最強の転移者と15人の美少女剣姫  作者: 西村将太郎
第2章 3人の女子高生
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2-9 バンコ族の襲撃

ご愛読、ありがとうございます。

バンコ族と戦います。

 アオイの居る朱雀国に天帝様の使者として赴くクーヤ。朱雀国の手前で謎の集団に襲われるのだった。

 木製の武器を持ってクーヤ達は車を降りた。


 〇朱雀国王城まで数時間の道 転移83日目

 俺が謀反だと言ったことで敵の集団に混乱が広がっている。

 攻めるとしたら今だな。

 俺達の陣形を決める。


「君達は後ろで俺達が打ち漏らした奴らを頼む」

 武術をインストールして数日のマシロとアカネに命令する。

「やなこった」

「いやです」


「へ、ちょっと。どういうつもり?」

「長柄の武器を持つ私達が先行すべきです」

 マシロは木薙刀をビュッと振る。


 それはそうなんだけど、まだ君達の実力を見たことがないからね。心配してるんだ。

 まあ、俺がフォローすればいいか。

「ミヤ、ヒイ、ハイジ、後方にこいつらを扇動してる奴がいる。敵陣を突き抜けて捕まえろ」


「お任せを」

「わかった」

「ウォン」


「敵は殺すな。手足を折るぐらいはかまわん」

 皆を見ると闘志が滾っている。

「良し!行け!」


 5人と1匹が走る。

 数に任せて陣形を取ってなかった敵は、慌てて個々に迎撃の姿勢を取る。

 しかし、密集状態のままクーヤ達の攻撃を受けた敵に効果的な迎撃はできなかった。


 ミヤ、ヒイ、ハイジは楔のように敵陣のど真ん中を穿つ、ミヤが前面の敵を倒し、ヒイとハイジがその左右の敵を倒す。ミヤは一度突き抜けると、また敵の中に突っ込んで行く。

 俺とマシロ、アカネはミヤ達が通った隙間を広げていく。

 相手は戦闘を意図してない感じだ。おそらく脅せば逃げていくと思ったのだろう。


 マシロとミヤは自分の武器の間合いに入らせないように相手の手足を狙って打ち据えていく。

 相手を打ち据えることに躊躇がない。まあ、ナビさんがアシストしてるのだろう。

 日本で育った彼女らが暴力に慣れているとは思いたくない。


 戦闘不能になったバンコ族が次々と道路を埋めていく。

 戦える人数が半分ぐらいになった時、若い男が俺の前に現れた。

「待ってくれ!もう、降参だ。すまない!この通りだ!。おーい!、お前達!、降参だ!武器を置け」

 他の者にも降参を告げ、男は道の上に土下座した。


 こいつがリーダーなのか、残っていた男達も武器を捨て、若い男の後ろに回って平伏した。

 後ろにいた黒幕らしい男はハイジに押さえつけられていた。


 俺は若い男に聞いた。

「なぜ、俺達を襲った」

「頼まれたのだ、鳳凰人の男に。決してあなた達に危害を加えるつもりはなかったのだ」


 俺はため息を吐いた。

 このバンコ族とやらは何も知らずに使者を追い返していたようだ。

 俺には裁判権はないからこいつらに罰を与えることはできないし、今から向かう鳳凰国に連れて行ってもそもそもグルな訳だし、さてどうするか。


「センセー、こいつどうするの」

 ヒイが鳳凰人の男を連れて来た。正確にはハイジが襟首を咥えて引きずって来た。

「こっちから話を付けるから、押さえといてくれ」

 鳳凰人の男は恐怖で気を失っているようだし、バンコ族の方を先に片付けよう。


「俺はクーヤ、お前の名は?この落とし前はどうつける?」

 バンコ族の音かは顔を上げた。

「俺はバンコ族のガレル、この男に金で雇われた。今までの金を全部渡すから許してくれ」


「あ、兄上、その金がないと部族が!」

 真後ろの小柄なの女の子だったのか。

「だったらクーヤ殿にどう許しを請うのだ」


 何か俺の方が悪いみたいな感じになって来た。

「君達はお金がいるのか、じゃあお金はいいや」

 差し出した金が金貨10枚にも届かなかったからな。


「申し訳ありません。去年病害が出て、今年の収穫まで食料が持たないのです」

 妹が、現在のバンコ族の状況を述べる。

「では、私の妹、エイミを差し出しますのでどうかお許しください」

 思い切った表情でガレルがエイミの腕を引く。


 エイミは覚悟を決めた顔で俺を見る。

 やめてよ、そう言うの。ほら、うちの子達が引いちゃってるじゃん。

 うちの子4人に非難の眼で見られた俺は落としどころを考える。


「妹はいらない。お前達は俺が必要となった時、俺の前に馳せ参じろ。それでいいか?」

 まあ、そんなときは来そうもないが。

「はい、クーヤ様の要請があれば我一族は、御前に馳せ参じます」

 全員でグーをパーで包んだ形で両手を顔の前で組んで、お祈りするように誓われた。


「アカネ、ケガしたやつを治療してやってくれ」

 異能再生を持つアカネと俺はバンコ族のケガを治してやった。

 折れた手足が治っていく様子は、いかにもファンタジーって感じだな。


「クーヤ様、ありがとうございました。エイミ、お前はクーヤ様とともに在り、もしもの際は俺達を呼ぶがいい」

「はい、兄上。承りました」

 立ち上がったエイミは色白で彫りが深くぱっちり眼の美人、おそらくハイティーン。


 だが、俺は受け入れるわけにはいかない。そうそう彼らを呼ぶことは無いだろうし、俺を手助けしてもらえないなら仲間に加えるつもりはない。

「エイミさん、俺のゴーレム車はもういっぱいなんだ。故郷に戻って自由にしていてくれ」

 帰りにアオイを乗せれば6人と一匹で席が埋まるからね。嘘じゃないんだよ。


「それでは我部族との連絡が取れません」

「大丈夫だよ。その時はお願いするね」

「はい、必ず御前に!」


「ちょっと待ってください。なんで私を連れて行ってくれないんですか?」

 エイミが立ち上がって文句を言って来た。

「へ?、君は俺達に付いて来たいの?」


「当然です。クーヤ様達は天都に帰るんでしょう。私、こんな山の中で青春を過ごしたくない」

 鼻息荒くのたまうエイミだ。

「君は天都に付いて来て青春を謳歌したいと、そう言うことなんだね」


「ちょっと待て!俺が言ったのは我部族の連絡員として、クーヤ様に付き従えと言うことだぞ!」

 ガレルが立ち上がりエイミと向き合う。

「解ってるわよ。でも空いてる時間あの人達みたいに、おしゃれな格好とかしてもいいじゃない」


 マシロ達を指差すが、所謂外出着ではない。プリントTシャツにギンガムチェックのショートパンツ、ショートソックスにスニーカーだ。動きやすさを主眼に置いた格好だ。まあ、原色に近く派手ではあるが。

「これはおしゃれ着じゃないよ。運動着みたいなもんだよ」

 アカネがぶっきらぼうに説明する。


「もっとおしゃれな服があるんですか?」

 彼女には派手な色イコールおしゃれと思っている節がある。そういや中国の少数民族の民族衣装って赤基調とか多いよね。

 これ以上刺激するとまずい。俺は彼女達に顔を向けて、静かにするように唇に人差し指を当てる。


「もうこれ以上話すことないから、撤退してくれるかな。そうじゃないと排除しなきゃいけなくなる」

「は、はい、分かりました」

 すぐさまガレル達はエイミを引きずりながら帰って行った。

 1000mを越える山々にエイミの「天都行くう!!」の叫びがこだましていた。


「クーヤさん、エイミは従者にしなくていいのですか?」

「うん、エイミは俺が面倒見なくても死なないし、俺を尊敬してるわけでもないだろ。君達と一緒には出来ないよ」

 マシロの質問に軽く答えておいた。まあ、エイミの性格も図々しそうだったしな。


 バンコ族が居なくなったので鳳凰人を尋問することにする。

 鳳凰人の頬を軽く何回か叩くと目を覚ました。

「おい、お前は誰でここで何をしていた?」

 俺は早速尋問を開始した。


 男は手足を縛られ、地面に正座していた。

「俺の名はトウガイ。それだけだ」

「所属は?何のために使者を追い返してた?」

「知らん」


 トウガイは俺の質問に答える気はなかった。

 仕方ない、やりたくはなかったが。


「おい、ハイジ。ちょっと来てくれ」

 目いっぱい巨大化したハイジは後ろ足で立てば3mはありそうだ。

「可愛がってあげなさい」


「う、待て!、おい!・・・」

 ハイジは顔を寄せて、その大きな舌でぺろりと顔をなめた。

 トウガイは泣きそうな顔をしている。


「どうだ。少しは話す気になったか?」

 トウガイは首を横に激しく振る。ただその目には涙があった。

「仕方ないなあ、頭を軽く嚙んであげなさい」

「ヒッ!、待って、待ってくれ」


 ハイジは頭が良い。

 俺がやってる駆け引きを全部理解している。

 だから噛むそぶりを見せるだけだ。


「そ、それは・・・」

「ハイジやっぱり噛んで欲しいみたいだ」

「チョッ、ちょっと待ってくれ。解った話す。話すよ。ウウ」


 トウガイは涙ながらに話し始めた。

「俺は朱雀国の外交部に席を置いている。使者を返したのは、今我が国に王が居ないからだ」

「王が居ない?どういうことだ」


「王はちょうど娘が転移してきた頃に亡くなったのだ」

「2か月以上前じゃないか。次の王を立てないのか?」

「詳しい理由は知らない。本来、王の亡骸を先祖代々の墓所に運び、次代の王が即位の許可を貰う儀式をしなくちゃいけない。でも王の亡骸はまだ王城にある」


「では転生した娘を天都に送らないのはなぜだ?」

「娘が王が亡くなるのを見たからだ。天都に知られれば、我が国が王を失ったことを知られる。知られれば我が国の怠慢を責められる」


「なぜ儀式を行わないのだ?」

「それは良く解らない。墓所に行けないとか、王女様が嫌がっていると噂で聞いた」

「その王女が次代の王になるのか?」

「そうだ」


「俺達は最低でもその少女を取り戻したい。王城へ行く」

 俺がそう言うとうちの女性陣も大きく頷いた。

「すまないが俺も連れて行ってくれ。なんとか平和裏に娘を返せるように交渉する」

 こいつの乗って来た馬ゴーレムも貰ったし、まあ、いいだろうと思い許可することにした。


 そこで昼食を食べた後、王城に出発した。

 王都の街に入る前に車を止めた。


「ここからは俺とトウガイで行くよ。俺にもしかのことがあれば、君達だけで天都に戻ってくれ」

 女性陣は驚いて俺を責めた。


「どうして僕に一緒に来いって言ってくれないの?」

 ヒイが縋る。


「ご主人様がいなくなったら、私は生きていられません」

 ミヤも抱き着く。


「お前が居なくなったら私達はどうなるのだ?」

 アカネが責める。


「あなたが居なくなれば、私達は普通の少女に戻ってしまう。解ってますよね」

 マシロの声に心が痛む。


「聞いてくれ。君達が天都に帰れることを知れば、俺を殺しても秘密を守ることはできない。だからこちらの話を聞いてくれる可能性が高まるんだ」

 俺は女性陣を説得してバイクにまたがった。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回は次代の王が即位できない理由が知れます。

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