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異世界最強の転移者と15人の美少女剣姫  作者: 西村将太郎
第2章 3人の女子高生
28/45

2-5 近衛師団

ご愛読、ありがとうございます。

ミヤとの剣の練習です。

 クーヤは天帝様の前で産業革命の初段階、産業学校の設立についてプレゼンした。プレゼンは成功したが裏でクーヤを利用しようと画策するものもいた。

 そんな時にクーヤの宿泊所に酔っ払ったカクタスが現れた。


 〇帝城 宿泊所 転移73日目

 女の子達はすでに厄介事と思ったのか、すでに寝室に退避した。

 ここにはリビングの机に対峙して座る俺とカクタスのみだ。

「どうしたカクタス、お前らしくもない」


 この世界に来て、初めてできた友人だが、こんな醜態は見たことがなかった。

 17歳にしては大人びた性格で、中身おっさんの俺と気が合った。

 昨日、近衛師団に配属されたばかりだ。


「弱いのだ。弱すぎる」

 カクタスは吐き出すように言った。

「お前が弱いのか?」

 そんなことは無いはずだ。俺はカクタスを普通の兵なら簡単には負けないぐらいには教えたはずだ。


「違う!他の奴が弱いのだ」

「はあ?!」

 それなら問題ないはずじゃないか。


「俺はお前に勝てるように他の奴と切磋琢磨したかったんだ」

 ああ、そういうことね。そういやここに来る前って、兄弟弟子のゴンタとしか練習してなかったから、普通の兵の力が解らなくなってたのかな。しかし、考えることが脳筋だな。


「近衛は帝国に選ばれた精鋭のはずなんだ」

 カクタスの言うには配属された中隊が、ちょうど訓練日で新人の力を見てやると腕自慢との試合になったそうだ。ところがカクタスに勝てる奴が居なかったそうだ。それで失望してやけ酒になったそうだ。


「どんな感じだったんだ」

「基本的には早く強くで足運びやフェイントも稚拙だった」

「初めて会った時のカクタスレベルか・・・」


「そうか!近衛もお前が鍛えればいいのか!」

 そうか!じゃねえよ。俺には産業革命を起こすって使命があるんだよ。

「すまんが指導を毎日するほど時間がない」


「そうか、お前が指導すれば近衛のためにもなるしな」

 あ、聞いてねえ。

「だから暇がないっていってるだろ!」

 これだから脳筋は!


 俺の言葉を聞かずカクタスは走り去った。

 追いかけて止めるか、いや明日になれば冷静に考えられるだろう。

 今から近衛の兵舎に駈け込むわけにもいかんわなあ。


 ******


 〇帝城 転移74日目

「ねえ、センセー、武術の練習したい」

 朝からヒイが言い出すと、ミヤもヒイの後ろから「やりたい」視線を送ってくる。

「はいはい、お姉さんに聞いてみようね」


 宿泊所のお姉さんに聞くと近衛の練兵場ぐらいしかないそうだ。他の広場を借りるのは手間がかかるそうだ。

「近衛の人が許可すればいいですよ」

 とのことだった。まあ、今日はカクタスは居ないだろうし、面倒臭いことにはならんだろう。


 近衛の練兵場は帝城の北西にあり、南北に1km、幅は広いところで50m、ほとんどは20mくらいの幅しかない。この長さは馬を走らせるために在って、歩兵は50m×50mのところで訓練する。

 今日はカクタス達とは別の中隊が訓練しているみたいだった。


「すみません。ちょっと運動したいので、10m四方で良いので場所を貸して貰えませんか?」

 偉そうに訓練を見ていた中隊長さん?に声を掛けた。

「うん、君はたしか、天帝様に呼ばれて青龍国から来た人だよね」


 なんと中隊長さん?は俺のことを知っていた。俺が驚いた顔をしているのを見てその訳を答えてくれた。

「ああ、驚かせたか。君が天帝様と謁見していた時、謁見室の警備をしていたのがわが中隊だよ」

「そうでしたか。その節はお世話になりました」

 俺が頭を下げるとそれを見ていたヒイとミヤ、マシロとアカネも頭を下げる。


「そうだな、近衛府の横、あのロープで区切ってある所から離れないなら構わないよ。時々馬が来るから気を付けてね」

 ヒイとミヤに諭すように言ってくれた。優しい人のようだ。

 騎兵にはゴーレム馬じゃなく本当の馬が使われてるようだ。なんでだろ後で聞いてみるか。


 俺達は近衛府の横まで来るとロープで一般通路とは区切られていた。

「さあ、ここなら思い切り暴れられるぞ」

 ヒイとミヤが対峙する。


「ところで君達はなんでついてきたの?」

「いけないですか?」

 マシロとアカネに聞いた。特に運動したいとも聞いていないからな。


「別にかまわんが暇つぶしか」

 彼女達は俺のところに来てからほとんど働いていない。それへの当てつけもある、

「それもありますけど、従者がどういうものかを知っておきたくて」

 アカネがうんうんと頷いているが、こいつは考えることをマシロに任せてしまっている。


 そうこうしているうちに始まった。

 凄まじい速度で交錯する二人、目まぐるしい攻防が続く。


「すごい、あの子達って何年こんなことをやってるんですか?」

「ヒイが2か月、ミヤが2週間だけど」

 マシロが興奮して話すので答えてやった。


「私だって3年間、薙刀道をやってたけど、十年やってた先輩だってあんな動きはできない。信じられない」

「彼女達は武術をインストールしてるからね。もう達人並みには動けるよ」

「これがインストール・・・反則だわ」


 二人は決着がつかないのか、対戦をやめておれの方に来た。

「ダメダメ、本気になるとどっちかケガしそう」

 もうミヤはヒイに追い付いたみたいだ。さすが体術の異能を持っているだけある。


「センセー、木刀出して」

 二人に60cmほどの短い木刀を出す。

「ミヤもやるのかい?」

「はい、見ていてください」


 二人が向かい合ったところで「はじめ!」と声を掛ける。

 ヒイが残像を残すような速度でミヤに突っ込む。

 ミヤは90度体を捻って後ろに下がる。


 ミヤは突っ込んでくるヒイを避けながら胸のあたりに横薙ぎを掛ける。

 ヒイはしゃがんで横薙ぎを避けながら滑り抜ける。


 今度はミヤがヒイを追って上段からの振り下ろし。

 ヒイはそのまま後ろにジャンプ振り下ろしを避ける。

 再び距離を取って向かい合う二人。


 一瞬の攻防に否が応でも緊張感が高まる。

 ふと気づくと周りに見物の人垣ができていた。

 ふふふ、うちの娘達の雄姿を見に来たのか。なかなかいい趣味をしてるぜ。


 ミヤが走り出す、左手で木刀を背中に隠している。

 ヒイはミヤの攻撃手段が分からない。あれは抜刀術だ。

 ヒイは一瞬の迷いの後、正眼に構える。


 ミヤは右手で柄を握り木刀を下に力を入れる、左手はその力を押さえる。

「鉄砲ユリ!!」

 ミヤは右足を前に出し、左手を放すと右手の下向きの力が解放され、木刀の切っ先はとんでもない速度でヒイの右腰から左肩へ抜ける刃筋を描く。


 ヒイは下からの斬撃をしゃがんで、木刀で滑らせることによってかろうじて避けることができた。

 ミヤは上に行った木刀を瞬時に返して、ヒイの頭上で止める。

 しゃがんでいたヒイに避ける術は無い。

「面アリ!ミヤ」


 あの鉄砲ユリとか言う技を、初見で避けられる人間がどれだけいることか。

 ミヤの格闘センスとヒイの眼の良さ、どこまで強くなるのか、恐ろしい気がする。


「ご主人様、相手をしていただけますか?」

「あ、ミヤちゃんずるい」

「ヒイ、ミヤが勝ったんだから譲ってやってくれ」

「ムウ、仕方ないなあ」


 と言うことでミヤと試合をすることになった。

 俺は1mくらいの木刀を持つ。

「私に始めの合図を、いえ、審判をやらせてください!」


 マシロが前に出た。アカネがえ、え、って感じで慌ててる。結構クールな少女だと思ってたんだが。結構熱いのかな。まあ、薙刀道やってたなら見えるのかな。

 日本語の分からないミヤに説明すると頷いた。


「ああ、頼む。発音は”は””じ””め”だ」

「はい」

 マシロの色白の顔が赤くなってる。かなり興奮してるようだな。


「はじめぇ!!」

 俺は下段で、ミヤは正眼、ミヤとしては超接近戦を仕掛けてくるはずだ。下段はちょっと意地悪かな。

 ミヤは大きく深呼吸した。


 ミヤはその場で木刀を上に放り上げると腕を胸の前で交差、手を背中へ。

 手はそのまま解かれて、勢いよく前に振られる。

 手から何かが放たれる。鉄串?

 6本の鉄串が5mの距離を飛んでくる。


 俺は慌てて放射状に飛んでくる鉄串を右手は木刀で、左は腕で弾き飛ばす。

 ミヤはダッシュして落ちて来た木刀を受け止めて、前に出ていた俺の右足に横に薙いで来た。

 ク、ミヤの注文通りの超接近戦だ。


 右足を引いて避けるがミヤは俺に付きながら胴を払う。

 俺は木刀を短く持ち直して、柄でミヤの木刀を止める。

 木刀を止められるとミヤは苦しい。俺の左手が空くからだ。


 俺は左手を開いてミヤの肩を打つ。

 軽い!跳んで衝撃を逃がしたな。

 ミヤは斜め後ろに3mほど跳んで、さらに2m後ろに跳んで俺の追撃を防いだ。


 また間合いが空いた。

 さあ、どうするミヤ。


 ミヤは正面から突っ込んで来た。俺は正眼からやや切っ先を下げた。

 ミヤは俺の間合いに入る寸前で俺の左に跳ぶ、俺は左足を引いてミヤに備えつつ、構えを崩さない。


 ミヤは超接近戦に持ち込みたいのは判ってる。ならばそれをさせない。

 三度、突っ込んでは引くを繰り返した。


 ミヤが構えを解いて叫んだ。

「ご主人様は意地悪です。それでは練習になりません」

 泣きそうな顔をしている。


 グッ、俺はこの子達の涙に弱い。オロオロしてしまう。

「分かった。今度は受けるから。なっ、ちゃんと受けるから」

 俺がそう言うと、二ッと笑って木刀を構える。あ、ウソ泣きか。まあいいや。


 俺が正眼に構え直すと俺の直下まで突っ込んで来た。

 俺の目の前でしゃがむと消えたと見えたが、跳んだことは分かっている。

 俺の右の空中にいる。首を狙っているな。同時に木刀を上げて防御する。


 目の前で飛んで逆さまになることで、相手の死角に入り首を刈る。普通なら何が起こったかもわからずに首が無くなっている。

 カァーン!!

 やはり首を刈って来たがそこには俺の木刀がある。


 俺が振り向くと同時に俺の後ろに着地したはずだが、もうそこにいない。

 俺の死角側に跳んだミヤは暴風のような勢いで、次々とあらゆる方向から打ち込んでくる。

 打ち込み自体は軽いので丁寧に弾いていく。


 再度着地すると今度は間合いがやや遠い。

 ブッワ!!

 バルカン砲みたいな勢いで片手突きが来る。


 6段突きだ。

 もちろん木刀で全部逸らした。


 ミヤは着地すると大きく息を吐いた。

「降参です。藤の舞、百花繚乱、鳳仙花の技もご主人様には通じませんでした」

 なるほどあれには一つ一つ技名があったんだな。


 まあ、普通の人間なら何も分からないままお陀仏だな。

 しかし、2週間でこれとは、末恐ろしいな。


 静まり返っていた周囲の人垣からぱらぱらと拍手が、次の瞬間には大きな拍手に変わっていた。

「すごいです!!感動しました!!」

 俺に駆け寄って目をウルウルさせているのはマシロだ。お前審判だろ、ちゃんと判定しろよ。

 後ろでアカネが何やら呆けている。


「君がクーヤ君か。素晴らしいな。私は近衛師団長のゲントクだ」

 不意に初老の男性が声を掛けてきた。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回は近衛師団と絡みます。

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