(3)
「ねえ、まだ、起きてる?」
防災用っぽい四角いテントの中で寝袋に入ってると、横に居る沙也加ちゃんが、そう言った。
「うん……」
「ごめん……無茶苦茶な事に巻き込んじゃって……」
「でも……あの時から、こうなる運命だったのかも……」
「あの時?」
「夏休みの直前に……あの変なおじさんに絡まれた日」
「ああ……あれか……」
「結局、あのステッキや……同じような『魔法』がかけられてた警官用の警棒って……」
「あっ……」
「何?」
「『大阪』に、全国から『魔法少女』が集って、あのステッキを作たのが『大阪』だとしたら……」
「あ〜……でも……」
「でも……何?」
「『魔法少女』って、要は促成栽培の使い捨てだから……元『魔法少女』とは言っても、あたし、その手の知識は案外教えられてないし……」
まぁ、そうだ……。「相手が魔法使い系か探る魔法(それも相手に使った事がバレるタイプのヤツ)は、先に使った方が相手に喧嘩を売った事になる」って、言われてみれば納得だけど、言われるまで、あたしは気付いてなかった。
「ああ……」
「だから……あの魔法のステッキで……どの程度まで人を操れるか、良く知ら……」
「嫌な想像が……ちょっと……」
「ど……どうしたの?」
「操るにはテクニックや職人芸が必要かも知れないけど、単純に壊すだけなら力づくでも何とかならない?」
「えっ?」
「あの変な魔法のステッキや警官用の警棒を作った奴らが……あのステッキや警棒が引き起した事態から……失敗作だって判断してたら?『操る』よりも『一度、人格を壊して、自分に都合のいい人格を新しく植え付ける』方が、労力も少なくて、成功率も高くなる、って考えるようになったとしたら?」
「ま……マズいね……それ……」




