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魔導兇犬録:HOLDING OUT FOR A HERO  作者: HasumiChouji
第九章:Burning Heart
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(6)

『よし、じゃあ、評決取るぞ。行きたい奴、手を上げて』

 まず、沙也加さんが手を上げ……それを見て、沙也加さんと一緒だった女の子が手を上げ……。

 ふと、沙也加さんと目と目が合った。

 そして……。

 沙也加さんのお兄さんが、ボクの方を……あっけに取られた感じと、「馬鹿か?」って感じと、「裏切り者が」って感じを1:1:1でミックスしたような表情で見ていた。

 もちろん、その場の雰囲気に呑まれて、ボクが手を上げちゃったせいだ……。

 続いて、全員が、沙也加さんのお兄さんを見る。

 時間が経つ。

 数秒のようにも、十数分のようにも感じる時間……。

「あ……1人でも不賛成が居たら無かった事になる話なんで……これでお流れ……」

 望月さんが、そう言った瞬間……。

「あんた、馬鹿かッ⁉ 全員、マヌケの集団かッ⁉」

 沙也加さんのお兄さんの彼女の罵声。

『い……言っては……みるもんだな……』

 当の提案者からして、この事態は予想外だったらしい。

「何でッ‼ 1人でもッ‼ 不賛成だったらッ‼ 無かった事になる話にッ‼ 全員、手ぇ上げたッ⁉ この馬鹿どもがッ‼」

「あ……あ……あ……ごめん……」

「ま……まぁ、お姉ちゃん、いいじゃ……ぐえ……」

 沙也加さんのお兄さんの彼女は……沙也加さんの口の両端に指を入れ……。

「だ・れ・が・お・ね・え・ち・ゃ・ん・だ?」

「ぐ……ぐえええ……」

「どっかの誰かさんの悪いとこだけ真似するよ〜な阿呆な妹は持った覚えないッ‼」

「は……はい……」

 すごい光景だ。

 異能力者の中でも……かなり規格外(チート)の筈の沙也加さんが……何の異能力もない単なる人間に……やられっぱなし……。

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