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 ここの家主は、結構お洒落みたいだ。

 でも、ハンガーに吊してある服は……男が見て『格好いい男物』と思うようなタイプの服ばかり。

「ちょっと見ていい?」

「いいけど……」

 何かが頭に引っ掛かってる。

 ジャケットを1つ1つ手で触り……あれ?

 夏物らしい薄手の上着。

 この触り心地……どこかで……。

 まさか……。

 夏休みに入る直前……。

 あのショッピングモールの事件……。

 通気性は良さそうなのに、人2人分の体重でも千切れなかった妙に丈夫な生地……。

 襟の裏側を見ても、サイズだけでメーカー名やブランド名は無し。

「ああ、そうだ。急なバイトが入ったけどやるか? 2〜3日かかりそうだけど」

 家主がクソ女にそう言った。

「どんなのだ?」

 そう言いながら、クソ女は家主の携帯電話(ブンコPhone)の画面を見る。

「あ……そうだ……じゃあ、明日、昼間居ないの?」

 あたしは、クソ女にそう訊いた。

「そうだけど」

「なら、1人で行きたい所有るんだけど……ちょっとお金が……」

「どこまで」

「北九州」

「何しに?」

「え……えっと、昨日の騷ぎ起こした同業者(魔法少女)に面会したくて……。何で、あんな事やったのかとか訊きたいんで」

「じゃあ、これ使え」

 そう言って、クソ女は、封筒を1つ渡す。

 その中には18切符が入っていた。

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