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魔導兇犬録:HOLDING OUT FOR A HERO  作者: HasumiChouji
第六章:Rebel Without a Clue
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(14)

「何だったの? 昼間の警官のあれ?」

「洗脳だよ」

 警官1人が……結果的に生涯に渡る後遺症を負い、その警官に暴行を加えてたもう1人の警官に対しては、緊急措置とは言え裸絞&胴絞&金的蹴り。

 結局、あたし達3人は夕方まで警察で事情聴取。

「洗脳?」

「たまに聞くだろ? カッターナイフを持ってたら銃刀法違反でしょっぴかれた、とか、アウトドア好きが車の中にナイフを置き忘れてたら、やっぱりしょっぴかれたとか……。全部、カルト宗教が新しい信者に近所の家を個別訪問させて勧誘をやらせるのと同じ事だ。犯罪の容疑者を逮捕する為じゃない。新入りの警官を洗脳したり、気合が入ってない警官をしゃんとさせたりする為に……無茶苦茶な職務質問をやらせる。先輩警官が監視してる状態でな。で、無茶苦茶な職務質問を無茶苦茶だと思わなくなった時には……一人前の警官が出来上がりだ」

「それって……マトモな事なの?」

「マトモな訳……」

 警察署から出ようとした、その時……。

 近くに居た警官がよろける。

 警察署の前の駐車場に入ろうとしたパトカーが……突然、近くの別のパトカーに激突。

「何だ?」

「どうなってる?」

「えっ? 平気なの?」

 身体操作系の広範囲魔法……一定範囲内の人間の体の動きを乱すって、それだけの術だけど……結果は、この大混乱だ。

 多分、昼間に「転び公妨」をやろうとした中年の警官に受け身を失敗させて大怪我をさせた奴が、ここに来てる……。

 あたしは……一瞬前に、それを検知して何とか防げた……。

 でも……クソ女と、その親類の女の人は……「魔法使い」系じゃない筈。

「魔法か?」

「そ……それも……」

 あたしは……バカ強い「気」の方向を指差す。

 通常、単一または少数を狙う攻撃魔法や状態異常を誘発する魔法は、個別の相手に対する「呪詛」だ。

 昔のマンガに出て来た「かめはめ波」みたいに物理的に避けるのは無理な代りに、攻撃側は相手の気配を捕捉しないといけない。

 しかし……今、起きてるのは違う。

 個々の人間じゃなくて……「範囲」「空間」「場所」そのものに「呪詛」をかけている。

 当然ながら、そんな事をすれば……その範囲内に居る個々の人間への効果は減少するけど……そいつの魔力量はハンパなかった。

「見付けたわ……久留米の御当地魔法少女候補だった……スペクトラム・スカーレット……」

 拡声器から響く大声は……あたしより少し齢上ぐらいの女の子のモノ。

「やめて〜ッ‼ 昔の芸名で呼ばないで〜ッ‼」

「え……えっと……冷静に見ると……やっぱり予算が無いコスプレにしか思えないな……」

「あの……見えないの……あれ?」

「あたしは……少しは……見える」

 まず、クソ女の親類の女の人。

「私は見えない。何が居る?」

 続いてクソ女。

 たしかに、言われてみれば……予算が無いコスプレだ……数ヶ月前まで、あたしは自分では似たような格好をイケてると思ってたけど……夢から醒めてみると……とことんダサい。

 もっとも、あたしが着てたのは神社の巫女さん風で、あっちが着てるのは「女騎士」風だけど……。

「あたしは、この八幡区の御当地魔法少女、ナイト・エイトのピンク・ナイト、魔法少女大戦は終って……えっ?」

 クソ女の姿が消えていた。

 そして……。

「あっ?」

 いつの間にか……クソ女は自称「ピンク・ナイト」が手にしてた拡声器を奪っていた。

「うああああああッ‼」

「ぎゃあああああッ‼」

 クソ女は「ピンク・ナイト」の耳元で大声。

 かなりの肺活量による、とんでもない大声。

 それを拡声器で増幅した大声。

 あ……そうか……。精神集中が出来なくなった「魔法使い」は、とんでもなく脆い。

 こんな余りと言えば、余りな真似をされたら……。

 しかも、あのクソ女は、魔法的な能力がほぼ皆無(一般人レベルの霊視系の能力さえ無い)な代りに、あたし達「魔法使い」系にとっては、おっそろしく気配が読みにくい。

 あの自称「ピンク・ナイト」が「魔法使い」系として「そこそこ以上」であればあるほど……まるで瞬間移動か何かのように気付かない間にクソ女が自分の横に現われたような錯覚を抱くだろう。

 ゴンッ‼

 続いてクソ女は……拡声器で「ピンク・ナイト」を殴り付け……「ピンク・ナイト」の背後に居たプリティ・ガーネットさんの「守護天使」並にバカ強そうな「使い魔」は、警察署に居た関係ない人に大迷惑をかけただけで消え去り……そして「ピンク・ナイト」は脳震盪か何かで倒れ……。

「まただ……どれだけ流通してんだ?」

「どうしたの?」

 あたし達は……クソ女に駆け寄り……。

「腰に付けてた。……例の呪われた『魔法少女のステッキ』だ。……少なくとも外見はソックリだ」

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