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魔導兇犬録:HOLDING OUT FOR A HERO  作者: HasumiChouji
第六章:Rebel Without a Clue
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(13)

「じゃあ、あたしの車でウチまで行くか」

 そう言われて、あたし達は駅の近くの駐車場に向うが……。

「何だ?」

 2人連れの制服姿の警官と通行人がモメてる。

 やな感じだ。

 久留米でも、夜になると「関東難民」が多く住む団地の近くで「職務質問」をする不良警官は良く出没している。

「おい……普通にしろ」

 クソ女が小さ目の声で、そう言った。

「へっ?」

「態度に出てる。あの手合いは……自分達を恐れたり嫌ったりしてる奴を見抜く嗅覚だけは抜群だ。特異能力でも持ってんじゃないかって……あ……」

 その警官達があたし達に近付く。

 中年の男と……まだ……何て言うか「警官っぽい」雰囲気が乏しい若い男。

「あ……あ……あの……」

 若い方が、そう話しかける。

「良ければ……その……身分証の御提示とお荷物の確認に御協力いただけますか?」

 「嫌々やってます」って感じが半端ない口調だ。

「身分証って、この2人、見ての通り未成年ですよ。あたしのだけでいいですか?」

 そう言って、クソ女の親類は免許証を見せる。

「あ……あの……」

 中年の方が若いのに何か目配せ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「いえね……この辺りで関東難民の特異能力者によると思われる盗難や強盗が多発してましてね……。特異能力者であれば……子供だろうと女だろうと関係ないですからね……」

 若い警官による無茶苦茶な要求に続いて、中年の警官による更に無茶苦茶な説明。

 でも……。

 何かがおかしい……。

 妙な……。

「早く、貴方達が『関東難民』じゃないって証明して下さいよ。ほら、ネットでも見た事あるでしょ? 十年前の富士の噴火で被災地の戸籍や住民票のデータが消えたのをいい事に、日本人じゃない連中が『関東難民』のフリして日本に入り込んでる、って話を……」

「じゃあ、あたし達が、お巡りさんの言う『特異能力者の関東難民』なら……お巡りさん達だって、一瞬で殺せるかもしれませんよね?」

「お……おい……」

 クソ女の親類は流石に声をあげ……クソ女は……顔に手を当てて「あちゃ〜」って感じになってる。

「言ってくれるじゃねえか……メスガキが……」

 中年の警官のとんでもない一言に、あたしを除いた全員が「えっ?」って表情(かお)に変る。

「おい、古賀。公務執行妨害の現行犯で全員しょっぴけ」

 そう言って中年の警官は転ぶフリをして……。

「う……うそ……」

 それが起きる一瞬前に、あたしは……あるモノを感知した。

 ドンッ‼

「えッ⁉」

 中年警官は、自分で転んだのに受け身を取り損ね……。

 後頭部を思いっ切りアスファルトに激突。

「姉さん、救急車呼んで。これ、かなりマズいぞ。頭を思いっ切り打ってるって事を忘れずに伝えて」

「わ……わかった……」

「お……おい……」

「え……?」

「まさか……お前じゃ……」

「違う……他に居る……あたし以外に……近くに……『魔法使い』系が……」

「何?」

 中年の警官が「転び公妨」をやろうとした瞬間……「気」を感じた……。

 肉体操作系……精神操作系よりも「魔法オタク崩れの魔法使い」には人気が無いらしいけど、学校でやってるコンピューター・プログラミングの授業みたいに職人芸が無ければ「他人を命令した通りに操れるが、思った通りに他人を操れるとは限らない」精神操作系より使い勝手はいいらしい。

 どうしてかと言うと……見ての通りだ。

 戦闘中に相手の体のバランスを、ほんの少し崩す。

 それだけの事でも、タイミングや状況さえ良ければ……結果は……目の前で白目むいてる中年警官みたいな事になる。

「あ……あ……あ……あ……」

 若い警官の方が取り乱し始め……。

「おい……やめろ……」

 腰の警棒を抜き……。

「ふざけやがって……万年巡査のクソ中年が……齢上ってだけでエラそうな顔しやがって……」

「えっ?」

 これまで一度も見た事が無かった、クソ女があっけにとられる表情(かお)

 それを、このほんの数分で何回見ただろう。

 若い警官は、しゃがんで、倒れている中年の警官を警棒で滅多打ちにし始め……。

「やめろッ‼」

 クソ女は、そう叫ぶと……背後から若い警官に飛び付く。

 両足で胴体を絞め、両手で裸絞。

「ぐ……ぐへ……」

 若い警官は立ち上り、クソ女の両手を外そうとするが……。

「ぐぎゃああああッ‼」

 クソ女の親類の蹴りが……若い警官の股間に大命中した。

「どうなってんだ、これ?」

「あ……あの……多分……例の呪われた『魔法少女のステッキ』」

「え? どこに有る……?」

「……警棒……」

「何?」

「警棒から……あのステッキと似た気配が……」

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