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約三〇分後、あたしとクソ女はJR久留米駅に居た。
「あ……あの……これ……何?」
「見ての通りのモノだ」
足下にはバカデカいキャリーケースが2つ。
「え……えっと……」
「刃牙シリーズ全巻借りに行くんだから、これ位必要だろ?」
「ちょ……ちょっと待って……どこまで行くの?」
「親戚の家だ。門司の……」
「ご……ごめんなさい、あたし、ここに引っ越して来て、3年ぐらいなんで良く判んないけど……門司って、北九州の門司?」
「そうだ。快速でも2時間以上だな。大丈夫だ十八切符が有る。ああ、門司と言ったけど八幡の1つ先で下りて、そこで待ち合わせだ」
「いや、大して変んないでしょ……」
無理矢理率四〇〜五〇%ぐらいの感じで、快速電車に乗る羽目になり……鳥栖駅で特急の通過待ちの間に、名物の駅弁「かしわ飯」を買って……。
「何見てんだ?」
かしわ飯も食べ終り、博多を過ぎた頃にクソ女は、そう言った。
「えっ?」
「それだ」
クソ女は、あたしの携帯電話を指差し……。
「ちょ……ちょっと……」
「見るな、こんなモノ……」
無理矢理率六〇%ぐらいの感じで、クソ女に奪われた携帯電話で動いてたのは……SNSアプリ。
そこには……。
『そうだ、他人の金で関東難民しよう‼』
『富士の噴火の被災地には、人体に危険が有るレベルの放射能も有害化学物質も有りません。関東難民の皆さんは、ニセ科学を広めようとしている人達に騙されず、関東に戻りましょう‼』
1つ目は、有名なイラストレーターの投稿。
2つ目は、どこかの大学の理系の教授の投稿。
それが、SNS運営のお勧めとして表示されている。
「あのな……ここのSNSの日本法人は『大阪』の関係者が多い事で有名だぞ。見たら気分が悪くなるようなのを『お勧め』されるに決ってるだろ」
昔はそうじゃなかったらしいけど……「大阪」という地名には……今では別の意味が有る。
富士の噴火で旧首都圏が壊滅した時、当時の大阪府は「シン・日本首都」を名乗り……そして、ヤクザが支配している地域である広島県と並んで、日本の他の地域とは「別の国」になった。
そして……。
ん……?
待って……。
頭の中で……何かが繋りかけていた。




