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魔導兇犬録:HOLDING OUT FOR A HERO  作者: HasumiChouji
第四章:Rebel Girl
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(1)

『そろそろ、ターゲットの塾の時間終り』

「こちら、所定位置にて変身終りました」

 Meave(メッセンジャーアプリ)で、そう答えたはいいけど……色々と無理が有り過ぎる。

 今、居るのは塾の建物の屋上。

『何で音声通話なの?』

「変身後の手だと、タッチパネルの操作が難しいんで……」

 何が「特異能力」で、何が「ハンデ」かを決めるのは……社会そのものや、その時その時の状況だ。世の中が変ったり、状況が違ったりすれば、さっきまで「ハンデ」だったモノは「能力」と化し、「能力」だったモノは「ハンデ」と化す。

 そんな、ありきたりな台詞の中にこそ、時として真理が有るのかも知れない。

 獣人形態になっても指先の腹にまでは(モフモフ)が生えないので、何とかタッチパネルは使えるが、人間形態の時より文字なんかの入力スピードは落ちる。しかも、ボクは母国語は日本語じゃなくて英語なんで、日本語でのやりとりは文字入力(テキスト)より話す方が早い。

 ボクの左手首には専用バンドで「ブンコPhone」と呼ばれる、今、一番普及しているタイプの携帯電話が装着されている。

 語源になった日本の小型ペーパーバック書籍の「文庫本」ぐらいの大きさの2つ折りタイプの2画面タッチパネル式だ。

 最大で2つのアプリを同時に画面表示可能だけど、電子書籍リーダーとして使う場合や漫画(コミック)閲覧アプリの場合2画面両方を使って「紙の本」の見た目を再現するのが普通で「ページをめくる」をイメージした操作を行なうと前や後のページに切り替わる。

 今、片方の画面にはMeave(メッセンジャーアプリ)が表示され、もう片方の画面にはGPSアプリ。GPSアプリの方には、ボクと沙也加さんと沙也加さんのクラスメイトの位置が表示されている。

『あちゃ〜……それ見逃してた……』

 周囲に居る大人や齢上の知り合いに、やたらと「裏の顔が『正義の味方』」って人が多い沙也加さんだけど……この手の手際は本職より悪いのは仕方ない。

『あ……ターゲットが塾から出て来た。にゃんこは、あたし達の位置を追って』

「はあい」

 ボクは、屋根から屋根へと飛び移り……。

 えっと……ホントに、これ、夜だと目立たないのかなぁ?

 そんな事を思いながら、ボクは「黒地に白縞の虎」の姿になった自分の胴体に目をやった。

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