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魔導兇犬録:HOLDING OUT FOR A HERO  作者: HasumiChouji
第一章:Driving Me Wild
2/126

(1)

「大石さん、松隈(まつぐま)さん……放課後に職員用の会議室まで来て下さい。第2会議室です」

 担任の先生から、そう告げられた。

 きっと、昨日の……あの件だろう。

「ねえ……沙也加ちゃん……昨日の変態、何だったんだろうね?」

撫子(なでしこ)ちゃん……その話、何度目?」

 「魔法少女」という「商売」または「芸能興業」が、消えるか……または大きく変って約2ヶ月。

 あたしの将来も大きく変っていった。

 生活費その他は「魔法少女」活動による収入から、「関東難民」支援の生活保護費に切り代り……あたしは、憧れの「魔法少女」だった「プリティ・ガーネット」のように、新しく設立された「魔法使い」その他の「異能力者」から成る「レスキュー隊」を目指すか……実業高校に行って就職するか、進学高に行って大学か短大か専門学校に進み、やっぱり普通に就職するかで迷っていた。

 そして、1学期の期末テストが終った後の最初の日曜日に西鉄久留米駅前の繁華街に出掛けたら……あのロクデモない事件。

 授業も終り……先生に言われた通りに会議室に行くと……。

「え……えっと……」

「2人とも、そこに座って下さい」

 担任の先生に、学年主任の先生に、校長先生に、教頭先生に……あと、何故か胸ポケットの辺りに県警のマークが印刷された作業着を着た人が何人か……。

「大石撫子(なでしこ)さんこと……『スペクトラム…スカーレット』という()()で『魔法少女』活動をされてた方ですね?」

 県警の関係者らしい人達の中で、一番齢上に見える女の人が、そう言った。

「は……はい……」

「ええっと……『魔法少女』は『台本』が有りますが、一応は『魔法少女』は()()()()()()使()()()、これも間違い有りませんね?」

「は……はい……。それで?」

「では、知っていたら、教えて下さい。昨日の、あの容疑者が手にしていた『()()()()』は何なんですか?」

「知りません」

「本当にですか?」

「本当に知りません。多少は『魔法』は使えますが……知識の方は……ぜ……全然で……」

「本当に?」

「あの……何か有ったんでしょうか?」

 そう訊いたのは、沙也加ちゃん。

「教えてあげた方が良くないでしょうか? 彼女達が再び狙われる可能性が有りますし……」

 そう言ったのは……学年主任の先生。

「仕方ありませんね……。県警では、あの『魔法の杖』を一種の『呪いの品』と見ています」

 え?

 あの……格好良くも可愛くもなくて……素材も……安っぽいプラスチックに見えた……アレが?

「あの『魔法の杖』が消えました。同時に……あの『魔法の杖』を調査していた県警の鑑識の職員が1名行方不明になりました。そして、容疑者を精神鑑定した所……()()()()()()()()()()()()()()()が行なわれた痕跡が見付かりました」

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