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魔導兇犬録:HOLDING OUT FOR A HERO  作者: HasumiChouji
第三章:Here She Comes
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(3)

「せっかく、こっちが晩飯食わせてやるって言ったのに、本当に、それでいいのか?」

「この暑い中、こんだけ運動して、何で、そんなに食欲が有るのよ?」

 肉が焼ける臭いが漂う中、あたしは素麺を食べていた。

 クソ女は、大きくて黒光りしてる使い込んだフライパンでブ厚いステーキを焼いていた。

 クソ女はフライパンの蓋を取り、カレー用のスプーンで底に溜っている油を肉にかける。

「焼き過ぎじゃない、それ?」

「好みの問題だ。私は、固めの赤身肉に弱火でじっくり火を通した方がいい。美味過ぎる肉は、一口で満足してしまう。この量を食うなら……」

「本当に、その量を1人で食べる気?」

「ああ……それと……」

「何?」

「明日以降も稽古には付き合ってやるから、その代り、着替えは持って来い」

 あたしは、そう言われて、自分の体臭を嗅ぐ。

「臭う?」

「かなり汗臭さい」

「……そう……ところで、料理好きなの?」

「何で?」

「何でって……やたら高価(たか)そうな鍋やフライパンや……」

 あとは……中華包丁や、豚骨でも叩き割れそうなデカい肉切り包丁やら……。

「妹の趣味だ」

「妹さんは……料理巧いの?」

「料理するのは好きだが、巧くはない。中の下ぐらいの腕で、当たりハズレが極端にデカい」

「なに、その、リアル過ぎて嫌な話?」

「料理するのは好きらしいが、手際は悪くて、細かい作業が苦手だ」

 クソ女は火を止める。

「何やってんの?」

「肉を休ませてる」

 更に時間が経ってからクソ女は肉を切り分け……。

「本当に要らないのか?」

「だから、疲れて食欲が無い」

「あ……そ……」

 「お行儀が妙にいい早食い」という不思議な光景が目の前で繰り広げられる中、肉の塊は、あっと言う間にクソ女の胃の中に消えていった。

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