(1)
轟……。
とんでもない邪気が吹き出している。
「魔法使い」系の「正義の味方」の周囲に張られた結界が……どんどん消えていく。
「うわあああッ‼」
「な……何してんだよッ⁉」
気付いた時には、足が動き出していた。
前へ……。
あたしを止めようとする広島の魔法少女の声。
でも……。
走りながら深呼吸して「気」を貯める。
邪気は無数の魔物の姿へと変わる。
目だけが異様に大きい魔物。
「うおおおおッ‼」
あたしは「気」を一気に放ち……魔物達を……。
「@#$%&っ‼」
ペントハウスの奥から意味が通らない悲鳴……。
でも、その声は……。
聞き覚えが有る。
「何やってんだ、馬鹿ッ‼」
広島の魔法少女3人が、あたしに背後から抱き付き……あたしを止めようとする。
「で……でも……」
「あんたが、ふっ飛ばした奴らは……多分だけど、あんたの友達が作り出したモノ……。それを攻撃したら……何が起きるか判るでしょッ⁉」
「え……えっ?」
「ちょっと待ってよ、そんな事も知らないの? あんたの友達の『使い魔』をブチのめしたら、あんたの友達もダメージを受ける」
……あっ?
「それに……今……あなたの中に、とんでもないモノが見えた」
そう言ったのは……別の広島の魔法少女。シンボルカラーはイエロー……いわゆる「あざとイエロー」っぽい外見だけど……。
「な……何が……その……」
「この中に居る、あなたの友達は『観る』能力が暴走してるんでしょ。その影響で、私にも見えた」
「だから……何が……?」
「ドゥルガー……あらゆる戦神・軍神の力を兼ね備えた女神。インド神話の破壊の神シヴァの妃の様々な化身の中でも……最も恐ろしい姿の1つ」
「な……なに……それ……?」
「それが、あなたの『魔法使い』としての……本質や適性みたいなモノ。友達を助けようとする想いが、あなたの中の力を目覚めさせ成長させ、それが表面化した……。けど……よりにもよって、それは……恐怖をもたらす戦いの女神……。誰かを救うのには向いてないモノだった」
「な……なんで……そんな……?」
「生まれ付きみたいなモノ……。どうする事も……」
「そ……そんな……ここまで来て……」
「誰?」
ペントハウスの奥から……邪気の源が近付いて来る。
「私を殺しに来たのは……誰?」
「あ……あたしだよ……優那ちゃん‼ 友達の大石撫子」
「うそ……だって……あなたの中に居るのは……」




