(3)
走る。登る。
走る。登る。
走る。登る。
走り登り走り登り走り登り……ああ、キツい。
ひたすら、非常階段を登っていく。
十五階ぐらいのビルの……多分、屋上まで。
「ちょ……ちょっと……待って……」
「あ……あたしも……少し、休みたい……」
「同じく」
「同じく」
「以下同文」
あたしと沙也加ちゃんと広島の魔法少女3人組は、同時に悲鳴をあげる。
「おい、まだ、半分だぞ」
クソ女の親類が、そう言った。
「強化装甲服着装てる人に言われたくないッ‼」
5つの口から、ほぼ同時に同じ叫び。
「今、何階?」
「7階」
「敵は居そう?」
「音や臭いは、そっちで頼む。私は、これで探ってみる」
そう言って、魔法使い系らしい人は、腰にいくつも付いてるポーチから呪符を何枚も取り出す。
「それ何?」
あたしは、見た事も無い……どうやら密教系らしい呪符を指差して、そう訊いた。
「強い魔力・霊力の方向に動いていく呪符と……あとは、隠形結界を検知する呪符だ」
「隠形結界?」
「『気配を隠す』系の術は、一定範囲内の気とか霊力とか魔力とかを外部から隠す事は出来るが、『気配を隠す』系の術が使われてる事そのものを隠すのは、余程の達人じゃないと……」
「変な臭いだ……。多分……俺達の同類か……」
そう言い出したのは、沙也加ちゃんのお兄さん。
沙也加ちゃんの彼氏は、「反りが有る超大型バタフライナイフ」みたいな刃物を展開。
強化装甲服|姿のクソ女の親類は、銃の弾倉を取り替え……。
魔法使い系の人は「焦点具」らしい棒に「気」を込める。
「臭いのする方向と、足音の方向にビミョ〜なズレ。足音は、およそ一一時。臭いは、およそ0時半」
一方で、呪符は……散り散り。
「魔法使い系も居るが……四方八方から、複数の『使い魔』に襲わせる気か……」
「どうする?」
「向こうと同じ手を使う」
そう言って、魔法使い系の人は……別の呪符を取り出した。




