(9)
「ちょ……ちょっと……、じゃあ、それを阻止する為に、この島ごと海に……」
「こいつなら出来る」
そ……そんな馬鹿な……。そんな事が出来る人間が居るなら……十年前の関東壊滅も……天災じゃなくて、どこかのチート級の特異能力者がやった可能性さえ有るって……事?
「ただし、条件が2つ有る」
「何?」
「やっていいのは、今日じゃない。この島になるべく人が居ない時にやれ。あんたにとって死んでいい奴も含めて、なるべく人が居ない時にな。神を気取るなら……それも、人間が妄想した人間に都合のいい神に成りたいのなら、平等かつ慈悲深い選択をしろ」
「わかったわ」
「もう1つ。私の仲間からの連絡では、銃火器を持った奴が、こっちに押し寄せて来るらしい。防弾用の壁を作ってくれ」
「やれやれ……人使いが荒いわね」
「あんたも銃弾を食らいたくないなら、さっさとやれ」
次の瞬間、このビルの入口近くの床に……ヒビが入り、水が吹き出す。
その水の向こうに……。
何体もの手に機関銃を持った……。
「ロボット?」
「遠隔操作式の奴だ。魔法も催涙ガスも効かん奴を、こっちに向かわせたらしい」
水ごしにボヤけて見えるけど……銃を、こっちに向け……。
そして、水の壁は忽ち凍り付き氷の壁に変貌。
でも、その氷の壁に無数の亀裂が入る。とは言え、今の所は一発も貫通してない。
「事実上、物理攻撃以外の排除手段は無しか……」
「私と、『ソルジャーブルー』『アータヴァカ』で何とかする。残りは上に向ってくれ」
銀色の護国軍鬼が、そう言った。
「あたしは?」
そう訊いたのは、クソ女の親類。
「この中では、あんたが一番、経験豊富だろ? 他の連中のサポートを頼む」
「いつものアレは言わないのか?」
「後で言う時間はいくらでも有る。行け」
「物理攻撃なら、私も出来る。付き合ってあげるわ」
続いて、佐伯漣が、そう言った。
「あんたに借りを作ると……後が怖いが、今は人手が足りない以上……仕方ないか……」




