44【恋人たちのクライミングジム_続】
そいつとは決して会いたいと思ってなかった。
見た瞬間に思わず体に力が入り固まってしまうくらいには。
元同級生の岩瀬旅人だ。
かつては一番の友と思っていた。
しかし引っ越し前のある日、一緒に登る事を拒絶された。
「お前と一緒に登ってても楽しくねーんだよ!!」と、言われた言葉は忘れられない言葉だった。
それ以来、会っていない。
突然、冷や水を被ったかのように気持ちが落ち着くのを実感した。
もちろん、地元のジムに来ている以上、そういう事もあるかもしれないと考えてはいた。
それでも本当に会ってしまうとは思っていなく覚悟もなかった。
咄嗟に旅人を避けるようにして椅子へ向かう。
自分の今ある感情が解らない。
怒りなのか憎しみなのか悲しみなのか、はたまた他の感情なのか。
当時ショックを受けたのは鮮明に覚えている。
それを今目の前の相手に対し、何を言えば良いのかすら解らなかった。
立っている事すら億劫になり椅子に座るが、その際に多少乱暴になってしまったのはどうしようもなかった。
項垂れるようにして、前を向く余裕もない。
隣に座る沙月が心配そうに、腕を掴んでくれている事だけが救いだった。
いっそこのまま帰ってしまおうか。
そう思った矢先、目の前が暗くなり顔を上げると、旅人が立っていた。
「なんだよ、旅人」
思ったよりも冷たい言葉が出てしまった。
心がささくれだっているのは理解していた。
だが気づいていてもどうしようもなかった。
助けを求めるかのように、掴んでくれている手に手を重ねた。
旅人が息をのむのが解った。
一体何を言う気なのだろうかと身構えた。
「優陽、すまなかった!!」
思いがけない言葉に顔をあげる。
旅人の顔を見れば、申し訳なさそうに半分泣きそうになりながら、頭を下げている。
「何がだよ」
頭を下げている相手に掛ける言葉ではないかもしれない。
それでもただただ謝られたからといって無くなるほど小さな棘ではなかった。
「あの後、凄い後悔したんだ。
おれ達一緒に登って、ただひたすらに登って楽しかった。
張り合って、騒いで、ただただ一緒に登る。
お前達がいなくなって、実感したんだ。
お前達がいたから、これまで続けられたんだって事に。
優陽にひどい事を言ったのは嫉妬からだ。
おれが登れてない課題をどんどん先に登っていくのと比べて自分が嫌になったんだ。
でもそうしてお前がいなくなって実感した。
本当に嫌なのは、そんな自分自身だって。
だからせめて優陽に謝っておきたくて今日は来たんだ。
すまなかった!!」
旅人は真剣な表情でそう言った。
その言葉は、余りにも自分の認識と違いすぎて激しく戸惑った。
「お前、何、言ってるんだ。
俺達が登れない課題でも最後まで粘って、終わりには大抵登りきっていたのは旅人じゃないか。
どう見てもお前の方が登れてたじゃないか。
だから俺は、もっと登れるようにってコーチの居るジムを選んだんだ。
なんだそれ……」
なんだそれ。
なんなんだそれは?
お互いがお互いに嫉妬してたって事か?
余りのバカバカしさに心のピースがストンとハマったようだった。
自然と目に涙が浮かんでくる。
零れないように顔を上に向けるがダメだ、溢れてきそうだ。
隠すように手で顔を覆う。
顔がチョーク塗れになるが知ったもんか。
変なボタンの掛け違いによるバカバカしさと、本気で嫌われたわけじゃなかった安堵感からかとうとう涙が溢れてしまった。
「あー、くそが。旅人のせいで体が冷えたじゃないか。
温めなおすから付き合え」
涙を拭き、これまでの空気を振り払うように旅人へ言った。
旅人はあっけにとられたようにこっちを見ている。
「良いのか?」
「登るのに良いも悪いもないだろ。
どうせ俺の方がまた早く登るけどな」
にやりと表情を崩し言ってやる。
旅人も負けじと。
「最終的に全部登るのは、おれだけどな」
そう言うと更衣室の方へ入っていった。
着替えてからでも良かっただろうに、律儀な奴だ。
「沙月、ごめん。
休憩しようと思ったけど、もう少し登ってくる」
「優陽くん、構いませんよ。
良かったですね」
「ありがと」
今この瞬間だけでも居てくれてどれだけ助かった事か。
心に広がるものを噛みしめた。
旅人が出てくるのに合わせて壁の前に移動した。
もう特に言葉は要らなかった。
それぞれ思い思いに体を動かしていく。
一緒に登れば、それはもう前のように、蟠りなどなかったかのように課題に向き合っていた。
いつの間にか課題に夢中になっていた。
意識から外れてしまったと思い、沙月を見ればいつの間にか常連の人に囲まれている。
旅人もそれを確認した後、声を潜め話しかけてきた。
「ところで優陽の彼女?」
「そう」
「そっか……、良かったな」
「何か言いたそうな気がするけど……?」
言いにくい事なのか表情を曇らせている。
「この際だから話しておくけど、さっきので全部では無いかな」
「他に何があるんだよ」
「優陽は麗奈の事はどう思ってた?」
中学時代、このジムで一緒に登ってたのは目の前の旅人だけではない。
一人の少女、飾音麗奈を加えた三人で登っていた。
麗奈は、ボーイッシュな髪型をした活発な少女だった。
クライミングにおいても自分達と遜色ない。
むしろ女性である事を加味すれば自分達よりも全然強いクライマーだ。
実生もよく懐いていて一緒に登っていた。
「どうってクライミング仲間だと思ってるけど……」
「そうだよな……」
旅人は声のさらにトーンを落とし、沙月の方を気にしている。
「本人のいない所で言うのも憚られるけど、話さないと進まないから言うけど。
麗奈は優陽の事が好きで、俺は麗奈が好きだった」
「は?」
「ようするに俺はさらに醜い嫉妬があったって事だ」
「いや、その前」
衝撃の事実を言われ、もう旅人の事はどうでも良かった。
どうでも良いというのは乱暴かもしれないが気になったのはそこじゃない。
寝耳に水過ぎて理解が追い付かなかった。
「お前が鈍いって話でいいか?」
「……本気で言ってる?」
「冗談で言ってどうするんだよ。
あまりにもお前、その気がなくてびっくりしたけどな」
「その気もなにも――――――」
「それ以上はここにいなくても、言ってあげるなよ……」
正直な事を言えば、まったく分からなかったのだ。
それをそのまま言えば、女性としての魅力に関わると。
言葉にしてしまえば、同時に旅人にも失礼だと口を噤む。
「わざわざ彼女の前で言うのもどうかと思ってな」
「それはどうも。
それで今、麗奈はどうしてるんだ?」
「なんか県またいで遠くの学校いってて、帰りが遅いから最近はこっちじゃなくて向こうにあるジムで登ってるらしい」
「そうか……」
「まぁ、麗奈とはっきり何かがあったわけじゃないんだしまた一緒に登る機会はあるだろうさ」
「そうだな」
過去の様子を思い返してみても、そんな様子は思い当たらず首を捻るばかりだった。
「所でさ、お前の彼女って地獄耳?」
旅人が苦笑いをしながら、そう指摘してくる。
沙月の方を見れば、こっちをじっと見ていた。
表情だけを見れば、なんでもない風にこっちを見ている。
一見判りにくいが、自分にははっきりと『面白くない』と顔に書いてあるように見える。
なんだったら人の前だから頬を膨らませるのを我慢しているようにさえ見える。
「旅人、休憩してくるわ……」
「そうしとけ」
さてどうしたものかと。
過去にどうだったと話されただけ。というのが事実だがきっと内容として面白くないだろう。
かといってはぐらかしたり隠したりすれば、後ろ暗い事があると言ってるようなもの。
「沙月、お待たせ」
常連さん達が挨拶なのか冷やかしなのかよく判らない事を口々に言って来るがそれどころではない。
恐らくはっきりと聞こえていたわけではないと思う。
だからこそ断片的な情報だけを頼りに沙月が何をどこまで考えているか推し量る事はできなかった。
周りの事は後でどうにでもするとしてまずは沙月の誤解を解かなくては。
「沙月、ちょっと外行こう」
「良いですよ」
そう答える声はどこか冷たく感じる沙月の手を取りジムを出た。
そもそも良いですよって返事の時点で、いつも通りじゃないんだよな。
何やら後ろから生暖かい視線を感じるが構ってる暇も余裕もない。
声を掛けられるどころか逆に静かになっている事の方が後で面倒くさそうだと思ったくらいだ。
これだから大人は。
変な所で空気読んでくる。
確か近くに公園があったはず。と考えベンチもあるし落ち着いて話すにはちょうどいいだろう。
公園に着くといかに自分が慌てていたか実感した。
「あ、ごめん。何も敷くものないな」
携帯だけ持って出てきてしまい、他は何も持っていなかった。
その様子を見て、沙月は肩を力を抜いた。
「優陽くん、そんなに慌てなくていいですよ。
気持ちがモヤモヤしてしまったのはその通りですけど、説明してくれるのでしょう?」
「うん、隠さない」
もとより話さないという選択肢はない。
妹が来た際には言わなかった事で、悲しませた。
それを繰り返す事はしないと。
改めて旅人と麗奈の事を説明する。
それはクライミング仲間として仲が良かったこと。
ジムではどうだったかを交えて説明した。
そして旅人から聞いた事実を言う時は、さすがに言い淀み言葉に詰まった。
まるでそれが今の状況だと言わんばかりだった。
「正直な話、全然気が付かなかったんだ。
ただただ一緒に登って楽しかった三人っていうくらいだった」
沙月は説明してる間、相槌を打つだけで静かに聞いてくれた。
しかしその視線はまっすぐに真剣にこっちを見ている。
「優陽くんは、気持ちに気づかなかった事を後悔してるんですか?」
「二人に申し訳ない事をしていたとは思ってる」
「今、目の前に飾音さんが居たら、お付き合いしたいですか?」
「それはない」
考えるまでもない事だった。
そんな中途半端な気持ちで沙月と一緒にいるわけではない。
寸分も気持ちが動いていないと証明するように、沙月から視線を逸らさず見つめ続けた。
「私は、それが聞ければ満足ですよ」
それだけを言うと少し目線を落とし伏し目がちにした。
やがて思う所をと、口を開く。
「優陽くんが鈍いのは解っているので、そこは置いておくとしてですね」
鈍い鈍いと言われているのでもう反論する気にもならない。
事実そうだったと今、突きつけられたばかりだし。
「岩瀬さんも飾音さんも、もちろん優陽くんも。
誰も悪いわけでは無いと思いますよ。
飾音さんには飾音さんの、岩瀬さんには岩瀬さんの事情があったのでしょう。
ちゃんと言葉にして伝える。
それはとても大事な事だと思ってます。
言われてもいない事を気にしすぎてはそれこそ、言わない選択をした飾音さんにも失礼な事になってしまい兼ねません。
だから、優陽くんは堂々としていて欲しいです。
そんな優陽くんの隣に私は胸を張って隣に居たいと思ってます」
「ありがとう、俺も沙月の隣に胸を張って居れるように頑張るよ」
「まぁ、そうですね。
一つだけ岩瀬さんが悪かったとすれば、心無い事を言ってしまった事ですね。
それもこうして謝罪されて受け入れたわけですから、取り返しの付かない事ではなかったんです。
その後、一緒に楽しそうに登ってるのを見て良かったと思いました。
そう、私を放って置くくらいには楽しそうでしたし?」
「いや、それは――――――」
「冗談ですよっ」
沙月はにっこりと笑いながら、相好を崩し、とても楽しそうに言ってきた。
頭を振りながら敵わないな、と苦笑するしかない。
「それじゃ戻りますか?」
せっかく二人きりになれたのだ。
この時間が惜しいと思った。
「時間もちょうどいいし、何か買ってきて食べないか?
もう少し二人で居たい」
「そこは順序が逆の方が嬉しかったですね」
「そこは沙月も一緒に居たいと思ってくれてると思ってるからだし?」
「もちろん思ってますよっ」
そんな会話をすれば、二人して笑い合い、楽しくなってくる。
こんな何気ない会話も愛おしくて堪らなく感じ、心が満たされていった。
昼食を食べた後、ゆっくりとジムへ戻って行った。
もちろんジムへ行った後は揶揄われ、大人の弄り方をこれでもかとされた。
ギリギリを攻めた質問に対しては少しだけイラっとしたものもあったが。
食後すぐに動く気にもなれず、ジムに戻ってからも沙月と一緒に居た。
特に弾んだ会話をしているわけじゃない。
それでも隣にいるのが自然な事と思えるような空気感に周りはそっとしておくことに決めたようだ。
しばらく話しかけられる事もなく、静かに過ごしていた。
もちろんそんな雰囲気が破られないわけはなく、気にしない人物も居た。
身近であればあるほど、そんなのはお構いなしだろう。
「兄さんもうへばったんですか〜?」
それも揶揄い混じりに煽ってくるから質が悪い。
「なんのために遠いジム行ったんですか~?」
いつもこんな感じなので少し本気で殴ってやりたくなる。
まさか本気で殴るわけにもいかず、ここで黙らせる方法は一つだけだった。
顔にも出てたのだろう。
沙月はそんな様子ににこにこしている。
「……登ってくる」
「いってらっしゃい」
沙月はクスクス笑いながらも快く送り出してくれた。
「どうせだ、旅人もやろうぜ」
「こう言っちゃなんだけど、実生ちゃんに付き合うの大変なんだけど」
「だから巻き込むんだろ」
「しかもさ――――――」
タイミングを測ったかの如く、旅人にとっては悪いタイミングで実生が口を挟んでくる。
「旅人さんも後から来たんだからまだ元気ですよね?」
「ほら巻き込まれた」
「旅人、諦めろ」
やれやれと観念し二人で合流する。
「あいつです、あの課題」
まるで親の敵みたいな言い方だな。
そう思いながら、課題を見てみると顔が引き攣ったのが自分でも解った。
「これはまたトリッキーな課題だな……」
まずスタートの形からして変だった。
極端に手の位置が低く、足を置くホールドと同じ高さにある。
そして足を置くホールドにしても決して乗りやすいとは言えない。
まるでホールドに立ったまま前屈でもさせるかのようだ。
苦労してスタートしたその後も、一筋縄ではいかないのが見て取れる。
一言で言えば手こずりそうだった。
「僕は疲れたから休んでるよ」
そう言って早々に離脱していったのは、高尾さんだった。
これまで実生に付き合ってくれていたのだろう。
心の中で感謝する。
交代するなら今のうちだ。
「これはスラブなのがまだ救いなのかな」
そう言って旅人は少し安心したようだった。
確かにスラブなら傾斜が奥に寝ている分、腕の負担は軽い。
だからと言って疲れないわけではないが。
「旅人、先を譲ってやるよ」
「ふざけんな、妹の敵は兄貴がとれよ」
「まだあたしは負けてません。
諦めるまで負けとは認めませんから!」
実の妹だけど、メンタルがタフ過ぎるだろ。
さっきまでの仕掛かりだからか、果敢にも挑戦していく。
予想通りというかなんというか、スタートをするだけでも大変そうだった。
「ガンバ」と少々気のない声援を送る。
甲斐なくスタートしてからの一手で落ちてしまう。
マットの外に戻ってくると、真剣に考えている、ようには見える。
仕方なく次のトライは自分がいった。
スタートを切ろうとホールドに手を伸ばす。
あとちょっと、あとちょっととじりじりと手を伸ばしていく。
手をチョンっと付けたら、姿勢を元に戻す。
頑張って手を伸ばしたからか、脇腹がちょっと痛い。
次の一手へ伸ばすと止める事が出来た。
これは身長で少し有利に働いた感じがするな。
次のムーブを起こそうと体を移動させると、手がすっぽ抜けて後ろに吹っ飛んだ。
思わず「うおっ」と声をあげて弾かれたように着地し渋い顔をしながら、マットの外に出た。
「そんなに悪かったのか?」
「いや、最初の持ち感は悪くないけど、体勢を変えると途端に悪くなった」
「そういう感じね」
旅人もやはり窮屈そうにしているが、スタートをする事は出来た。
しかし自分と同じ所で落ちた。
その様子をじーっと実生は見ていた。
珍しく今日は集中できているみたいで、テンションも維持できているみたいだった。
実生がここまで集中力を維持できているのは、珍しい。
テンションが高ければ登れるが、低いと途端に登れなくなるのが実生だった。
静かに息を整え、実生が課題を始めた。
スタートは問題なくでき、次の一手を綺麗に止め、次へと進む。
するとどうだろう、自分達が失敗した所で、綺麗に体勢を整え抜けてしまい、そのままするするとゴールを取ってしまった。
後ろで常連の人達が、口々に「ナイス!」と声を掛けている。
戻ってきた実生とグータッチを交わす。
そこにある顔は満足そうだ。
「次いってくる!」
元気な事だ。
「取り合えず俺らも完登しないとな」
「だな」
これで登れなかったら、あとで何を言われるか分かったものじゃない。
二人とも二度、三度と同じ箇所で失敗してしまうが、自分が上手く切り抜けられ完登をすると、旅人もそのすぐ後に完登した。
取り合えず登れたことに安堵と満足感を覚え、沙月の元に帰って行った。
なぜか沙月の周りに常連の人達が居て、携帯を弄っている。
沙月の近くに皆が居たのは気づいていたが、なぜか携帯を操作しているそれは何かを探すように指が下から上へ動いていた。
「優陽くん、おかえりなさい」
「うん、戻った」
自分に気づいた沙月が声を掛けてくれるが、すぐに周りに視線を移した。
そんな沙月は、ワクワクと期待を胸に周りに視線を送っている。
その様子を不思議に思い見守った。
「あったあった」
そう言って、沙月に携帯を見せてくる。
それは昔の自分の動画が再生され、失敗して悔しがる自分や登れて喜んでる自分がいた。
「何見せてるんですか!?」
「いいじゃない減るもんじゃないし」
「俺のメンタルがすり減ります」
「沙月ちゃんが見たいって言うんだから、我慢しなさいな」
意図してるのかしてないのか、沙月の名前を出せば良いと思っているのかと。
しかもいつの間にか、名前呼びだ。
沙月は食い入るように動画を見ている。
心なしか目がキラキラ輝いてるように見えるから不思議だ。
どうしてこうも自分の昔を知る人は、昔の様子を教えたがるのだろうか。
それも決まって幼少期の事なのだから、恥ずかしくてしょうがない。
次々と携帯が差し出され、動画や写真が沙月の前に昔の自分が暴露されていく。
穴があったら入りたいとはまさしくこの事だろう。
一通り堪能した沙月の感想は。
「昔の優陽くんはとても可愛らしいですね」
その一言で、周りの人は笑い、同意し、終始賑やかだった。
そんな一幕があったからか、沙月はここに受け入れられ、楽しそうにしている。
物申したい気持ちはあるが、結局何も言えず、一日が終わっていった。




