13【高校生の友達達】
「そうそうなんか隣のクラスの琴葉さん、とうとう彼氏が出来たんじゃないかって噂を聞いたのよ」
海、和雲、美和の四人での帰り道、開口一番に美和はそう口にした。
誰かに見られてたのか。
それにしてもそれだけで噂になるってどんだけ人気なんだ。
「おれもそれ聞いたー。
皆聞きたくても聞けないみたいだったけどな。
気になるなら聞いちまえば良いのに」
「海は相変わらず猪突猛進というか考えなしというか」
海のおかげで言葉につまらなくて助かった。
聞かれても答える事できないしな。
「だってなー、そこで足踏みする位なら、そこまでって事だろ。
実際どうなのかは知らないけど、それで噂されても良い気分じゃないでしょー」
それは最もだけどな。
「そこは僕も同意するけど。
そこまできちんと割り切れないのが感情というものだろうね」
「そうねぇ、未だにわたし達も色々と言われてるみたいだしね」
「そうなのか?」
最近は聞かないなと思っていただけに意外だった。
「うん、だいぶ少なくはなったけどね」
「時期的に仕方ないとはいえね。
僕は美和以外の人から求められても困るんだけどね」
「ねー」と言いながら美和は甘えるように和雲に飛びついた。
和雲はいつもの事なのか受け止め、頭を撫でている。
これだけ思い合い、信頼しあっている二人の仲に入り込む余地があるのか。
無謀というより他の表現が見つからない。
そんな二人を見つめ、海は言った。
さも海自身は違うと言いたげに。
「優陽、強く生きろよー」
なんで自分は大丈夫みたいに言ってるのか。
「海だっていないだろ」
「言うなよー」
海にも感じる物があるのか、遠くを見ていた。
自分は琴葉を思い浮かべ、仮に聞かれたらどう答えるのだろうかと考えていた。
どう答えるも何も皆が思っている間柄じゃないのは確かだよな。
ご近所さん、知人、友達、どれをとっても正解の様な、正解じゃないような。
むしろ俺はどう答えて欲しいんだろう。
もしここに琴葉も加わって、馬鹿な話をしながら、横で笑っててくれたらどんなに楽しいんだろう。
そんな光景を思い浮かべ、顔が赤くなるのを自覚する。
そこにある願いを強く願うような事は自重し、帰路についた。




