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1日遅れのバレンタイン.

作者: 山田花子

男女の幼馴染!!!良いですね!!!憧れます!!!



勇気が出ない。


色々考えたけれど、結局、私は何も出来なかった




朝からお風呂に入り、入念なマッサージに垢擦りまでして、髪はテュルンテュルンになる様に奮発して少し高めのトリートメントまで買った


頭皮と髪の毛にも栄養を注入して、普段しない爪まで磨いて、頭の先から爪の先まで準備した



チョコを渡すまで頭の中でシュミレートし、更にその先まで妄想した


妄想した結果、私は天国と地獄を見た


もし、成功した場合と断られた場合は正に天国と地獄だった


何方に転んだとしてももう一生、元の関係には戻れない


幼馴染兼親友なんて言葉...1番近くて1番遠い存在


何時から好きだったか何て覚えて無い


大人には幼い子供の恋に見えるだろう


だけど、精一杯だった


今のこの気持ちは本物で、胸が切なく疼く


普段の私とは全く違った姿はどう映るだろう



極力、女を出さなかったのは、アイツ...彼が女が苦手だったから


長い髪まで切った時はやり過ぎたかなって思ったけれど「似合うじゃん」の一言で凄く救われた



可愛いまでは言ってくれなかったけれど、ソレは当たり前の事だった



私は唯の幼馴染で、友達で、昔からの腐れ縁、だから


今更...可愛い何て言われてもお互い困ってただろう


だけど、今日は少しでも可愛いって思われたい


少しだけでも、女の子として見て欲しい


私のこの姿を彼の中に残したい


今日は世界中の誰よりの私が主役だ!!!そんな気持ちで学校へ向かった



「お、おはよ...」


見慣れた後ろ姿に、少し躊躇いながら声を掛けた


「ふぁ〜はょ...」


振り返りながら欠伸をした彼は一瞬ピタッと立ち止まる


大きく見開かれた瞳には顔を真っ赤にした私が写っていて、少し間抜けな顔をしてる


朝の登場から可愛い私で居ようとイメトレまでしたのに、気恥ずかしくて思わず俯いてしまう


「お前...」


彼の視線が頭から足の先まで流れて行くのを感じる



「な、何...」


「なんかあった?」


少しだけ寡黙な彼の言葉に思わず顔を上げると思いのほか近い距離に吃驚してしまう


「きょ、今日は...バレンタインだから...」


ふぅーんと、興味無さげな彼の言葉を聞きながら少し勇気を出して聞いてみる


「へ、変かな?」


「ん...どうだろ...」


彼はそう言ったきり黙り込み、何かを考えてる様だった



「んん...何でその格好?」


おっとりした彼の言葉は何時もと同じ様に感情が籠らない


眠そうな眼も何時ものまま


ダルんと着崩した制服も何時も通り


パーソナルスペースの近さもいつも通り


何時もと違うのは私だけ


バレンタインだからと気にして、気合い入れて、意識してるのも私だけ


少しだけ虚しくなり、シュンと小さくなる


「今日...女みてぇ...ん、スカート短くね?」


「はは...てか女だし!!!も、もぉーだからバレンタインでしょ?私も少しは意識してるんだし...」


「バレンタインだから?何で?」


そう言った彼が横目で見つめて来る


「あ、あんたはモテモテでチョコなんて貰いすぎててウンザリかもしれないけど、私は違うの!!!」


何が違うと言わんばかりのその表情を見ていれば、段々と怒りが湧いてくる


「俺、バレンタインって嫌い」


そう言う彼に「だろうね」と笑う


その笑いは空笑い、辛笑い、殻笑い。いっぱいのから笑を顔に貼り付け私は彼を見つめる


「甘いの苦手」


「...」


知ってる。だから彼でも食べれる甘くないの作った...


「毎年苦痛」


そりゃ...あんだけ甘いの貰ったら苦痛でしょ...


その、貰う中の一つの中に埋もれたくない


彼の口の中に入る、たった一つのチョコになりたいと思った私は馬鹿なのかもしれない



「怖すぎて無理」


そうでしょうね。何が入ってるかわかんないって言ってたもんね。前は髪の毛入りとか変な匂いがしたもんね。唾液入りってのもあったね。それは怖いね


私の好きな人はモテる


うかうかしてたら取られるよ〜は、私の気持ちを唯一知ってる女友達の台詞


だけど彼は女の子が苦手だから、私は安堵してた


少しも安堵する余裕なんてなかったのに...



何も言わなくなった私に彼は再び欠伸をして先を歩いて行く


その後ろをトボトボと付いて行きながら彼の背中を見つめる


そして学校に着く少し手前で彼はこう言った


「てか、スカートやめて...何か色々...ヤバイ」


そう言った彼の言葉にショックを受ける私


何時もは、スカートの下にジャージを履いてて、私はソレが楽だった


だけど今日だけはと思った


普段はしない化粧も薄くだけどしてて、自分なりに結構頑張った


何日も前からどうしたら可愛く見えるか研究までした



何も言わない私に彼は何を思ったのか突然立ち止まりクルッと振り返る


そしてスタスタと戻って来ると腰を屈め私に手を伸ばして来る


ドキドキとした心臓は正直で、止まる事を知らない


静まれ静まれと念を唱えた私の唇に何かが触れ


ピッと横に弾かれる


「似合わない」


ムスッとした声を吐き出した彼の言葉に目を見開く私


彼はそう言ったきりスタスタと歩いて行ってしまう


次の瞬間湧き上がるのは悔しさと悲しみ、そして少しの怒り


涙は出てくるなと唱えながら足音荒く学校の正門を潜る


もう彼の姿は見えなくて、どうせ女の子に囲まれてるんだろうと嫌な気分になる


階段を駆け上がり教室に入ると、朝の挨拶も程々に自分の席へ向かう


普段とは違う私の姿に教室内は少しだけ騒がしい


そんなに変か!!!!とキッと睨みつけると、まぁまぁ仲が良い男友達が近付いてくる


「おっはよ!!!元気か?」


コイツは何時も元気か聞いてくる


元気じゃない時も、何時でも聞いてくるから皆から元気マンと呼ばれてる


顔はソコソコ良いのに残念な奴だ


クラスで仲がいい友人の何人かに囲まれると何時もの時間が流れて行く


「えーなになに!?似合うじゃん!!!可愛い可愛い!!!女の子みたい!!!」


「って女の子だし」


「そーだった!!!もぉ〜何気に失礼な奴w」


「何時もの格好も良いけど何か新鮮」


意外と高評価な事にホッとしながら時間は過ぎて行く


クラスの1人が「何時もその格好してれば良いじゃん」


そう言って笑った


そーだねと、軽く返事しながら昼休みになる



どこ行くの?と聞かれながら向かうのは中庭


私の気持ちを唯一知ってる女友達は今日は休みで、私は今の気持ちを吐き出し聞いて欲しいのに、ソレも出来ない



LI〇Eのスタンプで謝られ、今日は休む事を伝えられる


どうやら季節外れのインフルらしい


お大事にのスタンプを送って、中庭で一息付いた私


此処から屋上の一角が丸見えで、私はこの場所が結構気に入ってる


だって、彼のお気に入りの場所が良く見えるから


いつも女の子に囲まれてる彼だけど屋上の一角に居る時は絶対女の子達を近付かせないのを知ってる


彼が我慢できなくなるとソコに逃げ込むのも知ってる


私も1人になりたい時とかは此処に来るから少しだけ気持ちが分かる


本当に仲がいい同性の友人しか周りに居ない状況に彼も気を抜いてるみたいだ


今日もいっぱいチョコを貰ったんだろう



何時も呼び出される彼の為だと変なルールが出来たのには、

少しだけ笑ってしまった


バレンタインの時はチョコを渡すだけで、決して何処かに呼び出してはイケナイ


そうしないと一日中呼び出され、告白の嵐で彼も疲れるだろうと彼を好きな女の子達で決まったルール


ソレを破ると凄まじい制裁があるらしい


非常に恐ろしい



すると、呼び出さなければ良いの?と思った女の子達のすれ違いざまの告白が始まった


呼び出さないだけ


何時もと変わらない日々


モテモテで羨ましいと男友達が言ってた


私は少しだけ自惚れてた


彼に1番近いのは自分だと


仲が良いのも、彼が気を抜いてる姿を見せるのも、本音を話せる女の子も私だけだと


だから罰が当たったのかもしれない



彼が私が知らない女の子と帰ってる姿を見掛ける



帰りに彼を捕まえてチョコだけ渡すつもりだった


本当は朝のウチに渡す予定だった


だけど中々勇気が出なかった私は結局、放課後渡すと決めた


決めた瞬間、見掛けた彼と女の子


仲が良さそうに歩いて行く後ろ姿


「本当にありがと!!まさか付き合ってくれるなんて思わなかった!!!凄く嬉しい」


「ん...別に...」


彼の顔は見えなかったけれど、嬉しそうな女の子の言葉にショックをウケる私


私は家にも帰らず暫くボーッと2人の後ろ姿を消えるまで見つめた


そして漸く歩き出した私に話しかけて来た男友達


「よっ、何してんだ?途中まで一緒するべ!!!はぁ〜今日は少し期待したんだけどなぁ...」


全滅だと呟いた男友達はチョコを誰からも貰えなかったと嘆いてる


「誰にも彼にも良い顔するからでしょ?」


笑いながら揶揄うと頬を膨らませる男友達


「せめて友チョコ位さぁ〜!!!くれても良くね?だからほら!!!くれ!!!」


そう言いながら手を差し出してくるから「何だよ、その手」何て言いながらペシンと叩き落とす


「ソコに入ってんだろ?」


そう言いながら指差し笑う男友達


何で知ってるの!?と眉を寄せる私


「誰の胃袋にも入らない予定なら俺が貰ってやる」


そう言いながら手をフリフリして来るから、一瞬戸惑うも、先程の彼と女の子の姿が蘇る



もうそろそろ諦める時期なのかもしれないと思ったのは本当だ


何時から好きだったか、もう覚えて居ない


それほど小さい時からだったから


長い片思いだ


彼に渡す筈のチョコを取り出し見つめる私


はぁ〜とため息を吐いた瞬間、横からサッと奪い取った男友達は「じゃ、また明日な」と、あっという間に走り出す


呼び止める声も聞かず、あっという間に消えた男友達を追い掛け奪い返す事も出来た


だけど、そうしなかった


そうしなかったのは彼に対する想いを無かった事にしたかったから


だけど、やっぱり気分は最悪で、告白する前に振られた私はトボトボと俯き家に帰り着く


「遅かったな」の言葉に顔を上げると既に着替え普段着の彼


隣の家に住んでる彼が私の家に当たり前の様に居る事はいつもの事だけど、今日は顔を見たくなかった


私は返事もせず二階の自分の部屋に急ぐ


ハァハァと息を弾ませ、ベットに飛び込む


制服がグチャグチャになろうと構わない


朝から頑張って整えた外見なんて、どうでもいい


今日位、我儘言っても良いだろ!!!とグチグチと思うのは振られた所為だ



「パンツ見えてる」



その声にハッとして思わず身体を起こす


扉に背を向け立ってる彼は何処か不機嫌にも見える



「何よ...」


何も言わない彼が何時もとは少しだけ違う様に見えた


「なぁ...何で今日はそんな格好?」


何で今更そんな事を聞くの?と思ったけれど、キッと睨み付け「関係ないでしょ」と、可愛くない事を言ってしまう


本当は色々考えて、1番可愛く見える仕草や顔まで練習したのに...馬鹿みたい



コイツは人の気も知らず、ホイホイと彼女なんて作るし



「今日は無いの?」


そう言って隣に来た彼はベットを軋ませ座って来る



毎年、重くならない様に、軽く渡してたチョコは、彼の好みを知った私が苦労して完成させた甘くないチョコだ


気まずくならない様に気をつけながら、私の気持ちに気付かせない様に、いつも、いつも、渡してたチョコは、

食べて貰えるだけで幸せだった



だけど、今回用意したチョコは何時ものチョコとは違い本気を出して作ったチョコだ


ソレも今は無い


「無いに決まってる」


だからそう言ったのに、彼は訳が分からないと顔を歪ませ「何で?」なんて聞いてくる



「何でって...」


「何時もくれてたのに何で無い?」


「何でって...」


「今回も作ったんだろ?」


「作っ...たけど...」


モゴモゴしながら視線を彷徨わせる


「ちょ!!!だから!!!何時も近いって!!!少し離れて!!!」


ほんと、パーソナルスペースが近くてコッチは振られたのに胸がドキドキして堪らないんだよ!!!!



彼をグイグイ押しながら人一人分離れる


だけど彼は何が気に入らないのかその距離を近づけて来る



「で、俺のチョコは何処?」


少し眠そうな彼からフワッと普段とは違う匂いがした


その匂いは最近いっぱい嗅いだ匂い


チョコの匂いだった


甘いのが苦手な彼から匂うチョコの甘い匂い


チョコなんて絶対食べない彼から匂う匂いを嗅いだら益々胸が痛くなる


「チョコ...食べたの?」


恐る恐る聞いた私に、一瞬何を聞かれたのか思案する彼は頭を傾け「ああ...食べたな」何て呟く



ははっと、小さく笑い拳を握り締める


「食ったけど...」



そう言った彼をキッと睨み付け彼の言葉を遮り言い放つ




「私のチョコは!!!!人にあげたわ!!!」



少しは傷付いて欲しかった


私が傷ついた分、彼の心も同じ位傷付いて、私の痛みを少しだけ分かって欲しかった


だけど思えば私のチョコなんて誰にあげたとしても、彼には何のダメージも与えられないだろう


私はハァーッと大きなため息を吐き出し立ち上がる



「とりあえず、着替えるから出てって」


彼は暫くボーッとしてたけれど、顔をふと上げる



「出ていく前に誰にあげたのかだけ教えて」


そう言った彼の顔はとても真剣だった



「な、何よ...誰でも...「良くないよ」


言葉が少ない彼にしては、今日はよく喋ると思いながらジリジリと後退るのは彼がゆっくり近付いて来るから



「だれ、でも良いでしょ」


()くないよ?俺のでしょ?」


そう言いながら彼が顔を近付けてくる


鼻と鼻が触れそうな近い距離


「早く言って。何処の誰にあげたの?」


あげたと言うか、本当は奪われたんだけど、と言う言葉は出て来なかった


「ほんと、俺を怒らせる天才」



そう言った彼は本当に怒ってる様で、少し怖い


「ああ、怖がらせるつもりじゃないから」


だから早く教えてと言われ、思わず奪って行った男友達の名前を呟いてしまった



「誰それ?」


そう言った彼に口を開く前に彼は「ああ、言わなくて大丈夫」と、何やらスマホを操作する彼


「ふーん、コイツか」


そう言った彼は私を解放する



と見せかけて頬をグッと掴んでくると



「いっ!!!!」



突然、ガブッと噛み付いてきた


それも唇に...


頬を片手でムギュと持ったまま...



唇が痛くて痛くて思わず涙目になる


一瞬、何をされたのか分からず見上げる私


「色々言いたいし、イライラするけど...ソレは後でいい」



そう言って彼は


ペロッと唇を舐めて来る


そして今度こそ本当に出て行った


あっという間の出来事だった



彼が去って開けっ放しの扉をポカンと見つめる私



唇だけがヒリヒリと痛む



その後はモヤモヤして、色々考えた



何で噛み付いた!?


てか何気に痛い!!!!


そして何で舐めた!!!


嫌々!!!何が気に入らなかった!?


イライラって何!!!!


てか、どういう事!!!


てか、何処行った!?


は!!!もしかして男友達の所か?......まさか...まさかね...



嫌々有り得ないでしょ...



てか、何で噛み付いた(2回目)


で、私の唇...舐めた...舐めたよね?


なんでだ!!!!


グルグル回る思考に、私は結局一睡も出来ず、朝を迎える


何度も彼に電話して家にも行ったけれど捕まらなかった


次の日、大きなクマを目の下にぶら下げ玄関を出るとソコには


「え...」



ボロボロの姿の彼



何...何でボロボロ!?



一体何があった!?



「出てくるの遅い」



そう言いながら彼はブスッと不機嫌に手を差し出して来る



その掌には小さな箱


「何これ...」



中々受け取らない私に彼がハァーッと大きなため息を吐き出す



「少し遅かった」



「へ?何が...」



てか、今更ながらハッとする


そう言えば私、昨日この唇に噛み付かれたと...



そしてペロッと舐められた


急激に恥ずかしくなり思わず後退る



「アイツ...俺のチョコ食ってやがった」


忌々しいと吐き捨てた彼はいまだに掌を差し出してくる


「だから...受け取れ」


少し偉そうな彼に私はポカンとしながら聞いてみる


「俺の?チョコ?」


ソレは昨日奪われたチョコの事だった


「俺のだろ」


そう言った彼は私に無理やり箱を渡して来る


「言っとくけど期待するなよ」


トンッと箱を指差した彼の顔は何処か照れてる様に見えた


綺麗にラッピングされた小さな箱は私の好きな黄色色のリボンで巻かれていた


箱と彼を交互に見つめると彼の顔はこれまで見たことが無いくらい真っ赤だった



その顔にキュンとした私の胸


歩きながらソロッと開けると、まるっとした黒い物体



一瞬、う〇こにも見えた私は目が点になる


「...」


「なんか言え」



そう言った彼が手で口を押さえそっぽを向く


チラリと見えた顔は赤くて思わず呟く



「もしかして...私の事好きなの?」


「は?」


何を言われてるのか分からないと間抜けな顔の彼



その顔も珍しくて私は再び口を開く


「私の事が...好き?」


「ちょっと待て...なんで今更そんな事を聞く...知ってる事を聞いた楽しいか?」


「知ってる事?...」


「ああ、当たり前な事を今更俺に言わせて...お前は...」


「当たり前...」


彼は私の顔を見つめたままハァーッと大きなため息を吐き出す


着崩した制服からネクタイをスルッと抜き取って私の首に巻く


そして私のネクタイを自分の首に巻くと不機嫌に呟いた


「彼カノ何だから当たり前だろ」


「は?」



訳が分からない私は自身のネクタイ...彼の首にダラしなく巻かれたネクタイを見つめ聞いてみる


私達が通ってる学校は男女でネクタイの色が違い、恋人同士はソレを交換するのが流行ってる



「私と付き合ってる?」


「お前...本気で怒るぞ」



そう言った彼はチュと唇に触れてくる


ギョッとした私に彼が呆れた様に手を差し出してくる


「お前が嫌だと思って黙ってたけど、危ない」


だから内緒は終わりだと言って彼に手を取られる


危ないってなに!?


てか、どういう事!!!!



私と彼は付き合ってたの!?


え、え!!!!ちょ!!!頭が追い付かないんだけど!!!!



「お前がキスもロマンチックな場所と台詞でって言うから我慢してたけど...無理だからな」


ムスッとした彼がそれ以降、ところ構わずキスして来る様になったのは別の話しで



どうやら私達は付き合ってたらしく、毎年貰ってたチョコが無くて気にしてたらしい彼


そしたら他の男にあげたと言う彼女(私)



キレた彼は取り返しに行ったとさ



だけど時は既に遅く哀れ彼女の本気チョコ(初)は他の男の腹の中


更にキレた彼と男のガチバトル


そして朝、ボロボロの姿で私の前に現れたとさ



てか、何時から付き合ってる!!!!何気に記憶にございません!!!




付き合ってとか付き合おう、って言った事も言われた事も無いんだけど!!!



え、何時も素っ気ない?



突然可愛くして出てくるな?



は?男の目が気になる?


俺を焼かせたいのか?


私以外から貰うチョコが嫌い?ふ、ふぅーん


え、私以外の女が嫌い?鬱陶しい?へ、へぇー


可愛いのは当たり前だけど俺の前だけにして?我慢が出来ない?な、何が我慢出来ないのかなぁ?いや、言わなくていい


本当はずっと可愛いとか言いたい?ちょ、照れるからやめて!!!


もっとデートもしたい?ああ、ソレは、うん




色々と分かった事がある



実はずっと我慢してたと言う彼はもう我慢しない事にしたらしい


学校でも、オープンに私を追いかけ回し甘々のデロデロにする位オープンになった



我慢をやめたせいか、色々と不便な面も出て来た私達



彼を好きな女の子達に色々と言い掛かりを付けられた事も何回も増え


彼を囲む女の子達の存在に彼が嫌がり罵声を浴びせる始末



そして毎年、自分が貰ってばかりだったから、今年は手作りチョコを私にあげようとした事もわかった



学校帰りのアノ出来事がそうだった



気が付かなksったけど、一緒に歩いてた女の子は従姉妹ちゃんだった(顔見知り)(彼氏持ち)でチョコの作り方を習ったと言った時は思わず吹き出してしまった



その時、死ぬほど自分が作ったチョコを味見したらしい(その時の匂いが私が気付いた匂い)


で、教える見返りで高級チョコ(材料)を奢らされたとふてくされた彼



そして、何も我慢しなくなった彼は私の男友達の存在も許さなくなった


番犬の様に毛を逆立て威嚇しまくる彼


だけど、私と居る時は大人しくて穏やかでお利口なワンコに早変わりするのは、また他の話



そうして1日遅れたけれど私はその日、再びチョコを作り彼に渡した



もちろん、ちゃんと好きだと言う気持ちも伝えた





「好きだよ」


「うん、俺も」






1日遅れのバレンタインを私達は過ごしたのだった



fin〜

唇に噛み付く描写で、コレはR15じゃないよね?と思いながら描きました。

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