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第十一話_詳細_1 認識合わせと考察(深界)

情報のまとめと解析回その一。

箇条書きにさっと目を通せば、スルーしても問題ありません。

「まずはベースとなる深界からだね」



・深界

 ・別の世界。4~5年に一度こちらの世界に接近する

・『深界』属性

 ・深界世界の属性を全てひっくるめたもの

 ・1000種類以上あるが、こちらの世界の属性一つ分のサイズ

 ・属性の影響を受けると好戦的になる

深界獣(アウター)

 ・深界世界の生物がこちらに来た時の姿

 ・バブルスフィア内に現れる

  ・バブルスフィア内のDAから属性を一つ吸収し、その属性になる

 ・放っておくとバブルスフィアの外に出て危険

 ・倒せば爆発する

・深界バブルスフィア

 ・深界獣が現れると普通のバブルスフィアから変質する

  ・深界獣を倒せば元に戻る

 ・狙われた生徒が中に取り残される

 ・外からバブルスフィアに入るには同じ属性が必要

 ・『深界』属性持ち以外は外に出ると記憶が消える

  ・電子機器のデータも元に戻る

 ・外部との通信ができない


「今回の敵だ。バブルスフィアを経由してこっちにやってくる。

知性はあるけど好戦的で話が通じないので駆除するしかない。生かしておくと何時まで経ってもバブルスフィアが戻らないから、止めを刺す必要もあるね。

戦闘力は……見たところ風紀騎士団の戦闘員が10人いれば安定して倒せそう」


女生徒と戦闘シーンと、ギア:ナイツとの戦闘シーンを再生する。


「意外と弱いんですね。DGS以外だと太刀打ちできないと思ってました」

「深界獣が弱いんじゃなくて、うちの風紀騎士団が強いんだよ。

DAの発展は目まぐるしいからな。乙種のタキツヒメクラスならともかく、それより下のクラスの竜――丙種なら団長と8人の風紀騎士団団員で討伐した記録が残ってる」


日本で最初に観測された竜種タキツヒメ。今では討伐時に犠牲者が出ることはほとんどないが、当時はパーティーが壊滅しかけるほどの絶望的な強さだったらしい。

今でもソロ狩りできる聖剣剣聖は少ないだろう。

初代ギア:ソルジャーが戦っていた時代を考えると、一人でタキツヒメクラスと戦えるのは英雄と言っていい強さだ。


ちなみに、乙種よりさらに下の丁種ともなれば、条件次第では俺一人でも倒せる。腕一本くらい失う覚悟が必要だが。


「インフレを感じますね……」

「仕方がないだろう。インフレはあらゆる世界の常だ」


仁が遠い眼をする。

そういえば仁が填っていたソシャゲのインフレが酷いとぼやいていたっけな。


「やっかいなのは『深界』属性。

種類がいっぱいある。好戦的になる。バブルスフィアへの侵入を拒む。

特に三つ目が厄介だ。深界獣が現れても、DGS以外は中に入れず、放っておかれた深界獣が成長して外に出れるようになってしまう。

現在解析中だけど、すでに資料になかったこともわかってる。

アイズ」


名前を呼ぶと、アイズが摂取してディバイン・ギアに入れていた属性の解析結果を表示した。


「こちらが取り込まれたDAの属性。

こちらが摂取した『深界』属性。

簡単に言うと、DAから取り込んだ属性と酷似した『深界』属性が活性化しているようだね」


アイズは喋りながら二つのグラフが動かし、二つをぴたりと重ねる。

1000種類あるのなら、似た属性があるのもおかしい話ではない。


「推測だけど、深界獣は自分の属性と同じ属性を見つけそれを摂取することで、自身の『深界』属性をこちらの世界にチューニングしてる。

バブルスフィアと属性の関係についてはいくつか論文があるみたいだ。時間があれば見ておいてくれ」


アイズが雪奈と仁に論文のURLを送ってくれる。


「深界バブルスフィアの設定についても現在解析中。

たぶん、こちらは貰った資料にある情報でほぼ間違いない。

電子データが持ち出せない件については解決済み」

「今の動画だな。どうやって持ち出した?」

「仮想電脳領域に入れておいて、外に出てから取り出した。

『深界』属性持ちの俺の記憶は消えないからね、保存用ストレージとしては最適」

「……仮想電脳領域か」


仁がもの言いたげに目を細める。

その様子に雪奈が首を傾げる。


「外部との通信は必須だね。

中継器の基本設定はアイズに確認してもらってる。

簡単に設定できるようにした後、俺が内部で最終調整する形になるかな。

機能するようになれば、通信はもちろん戦闘もリアルタイムで皆に送れるようになるはずだ。

仮想電脳領域に保存しておく必要もなくなるね」

「……それならいいが」


仁が不承不承納得する。


「補足。

深界獣の戦闘能力自体は数をそろえれば風紀騎士団でもなんとかなる程度と言ったけど、取り込んだ属性で攻撃してくるから、どんな属性を取り込まれても対応できるように、攻撃方法には柔軟性を持たせておきたい。

同時に、攻撃方法が同じ属性の一辺倒になるから、属性さえ見極めてしまえばこちらが弱くても作戦次第でハメ殺せるだろうね。

というわけで、続けて対応策であるディバイン・ギアを見ていこうか」




Confirmation x Outer - 了

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