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導きの暗黒魔導師  作者: 根立真先
異世界の章:第一部 西のキャロル編
98/160

ep94 勇者vs魔人形集団3

 手応えを感じたユイ。


 休む間もなく残りの魔人形にも同様の結果をもたらさんと地を蹴り突撃!

 するはずが......


「きゃあっ!!」


 ユイはその場にズベンとすっ転んだ!


「えっ??」

 ゲアージとキースはきょとんとした。

 

「あいたたた......」

 ユイは何事も無かったようにむくりと立ち上がると、キリッと身を引き締め、剣を構えた。


 集中する。

 目を見開く。

 地を蹴り、突撃する!

 と思いきや......


「うぎゃっ!!」


 はたまたド派手にすっ転んだ!


「え??」


 一同は唖然とする。

 

 ......そう。勇者ユイリスは、一年前の魔王との戦いの代償で、その力の大半を失ってしまっているのだ!

 ゆえに、彼女の力には自ずとリミットがある。

 聖剣を維持できなかったのもそのせいである。

 ではリミットを超えてしまうとどうなるのか?

 ポンコツになってしまうのである!

 つまり、今のユイはポンコツ勇者なのだ!!


 ...したがって、絶対絶命のピンチ!


 キースはあまりの出来事に口をポカンと開け、理解が追いつかないまま、おそるおそる勇者に声をかけた。

「......あ、あの、大丈夫...ですか?」


 ユイは再びむくりと起き上がると、キースの方へ振り向き、頭から地を流しながら誇らしく答えた。

「全然問題ないわ!」


「思いっきり血が出てますよ!?」

 キースはぶったまげた。


「どういうことだ?」

 ゲアージは不思議そうにユイを眺める。


 ユイは平静を取りつくろったが、内心は激しく動揺していた。

ーーーリミットが早い!?なぜ!?......やはり聖剣を使ったのが......!どうする?まだ動ける魔人形は六体いる。それにゲアージも......。キースだっている。このままでは守れない。何か...何か手はないの!?ーーー


 だが、当然ながら敵は待ってなどくれない。

 残りの魔人形どもがぬらりと動き出したかと思うと、ユイに向かい一斉に襲いかかる!

 

 ガキィィン!ガキン!ギン!ギン!ガッ!ガッ!


 なだれ込む者どもの攻撃を剣で必死に防御するユイ。

 情勢は一転、ユイは完全に防戦一方となる。 

「...くっ!一体一体は魔物の森の時の奴に比べればマシだけど...このままでは、いずれはやられてしまう!マズイ......!」


 ひたすらに敵の攻撃に耐え続けるユイ。

 その最中、一体の魔人形が進路を変え、キースに向かっていく。


「えっ!?こ、こっち来るな!ひ、ひぃぃぃ!!」

 キースは逃げることもできずその場にボテッと腰を抜かしてしまう。


 魔人形はぬらりとキースのすぐ手前まで近づくと、彼を斬り伏せんと剣を振り上げた。


「はっ!?キース!!」

 敵との攻防の中、ユイが遅れてキースの危機に気づく!

 当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

 感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

 気に入っていただけましたら、今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

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