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導きの暗黒魔導師  作者: 根立真先
異世界の章:第一部 西のキャロル編
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ep41 大怪鳥

盗賊どもを退けたと思ったら続いては...

 コーロは何かに気づき空を見上げた。

 すると、何やら夜空に浮かぶ巨大な翼の影が、こちらに向かって迫って来ていた。


「お、おい!みんな!何か......巨大な何者かがこちらに近づいて来てるぞ!?」

「なに!?」

「なんや!?」


 ズウゥゥゥゥゥン!!!


 それはコーロ達の眼前二十メートル先辺りの草原に重々しく着陸した。

 一難去ってまた一難。

 コーロ達の目の前に、今度は翼の生えた巨大な生物が現れる!


 それは恐竜を彷彿とさせるような風貌。

 その大きさは翼開帳時で九、十メートルはあろうか。

 両の手(前足?)は鳥のようにそのまま翼になっている。が、羽毛は無く、硬質の青い皮膚が剥き出しになっている。

 鉤爪のような足の指は三本に分かれていて、一度捕らえた者は絶命するまで放さないかの如き獰猛さを表出する。

 伸びた首から先にある顔には長い嘴を備え、頭部の後ろ辺りにはトサカのような尖りがある。

 悪魔の使いのような眼はギロリと赤く光っている。


「魔物!?」

「おい!魔物だぞ!?」

「魔物だ!!」


 一同は突然の未知の魔の到来に慌てふためいた。

 縛られた盗賊どもが恐怖に駆られ騒ぎ出す。


「な、なんだあの化け物!」

「縄ほどいてくれ!」

「助けてくれ!」

「俺たち喰われちまう!」


 ユイは驚きながらも冷静に言い放つ。

「これは......大怪鳥プラテス!」


「大怪鳥プラテス!?あれで鳥なのか!?」

 コーロは(にわ)かに信じ(がた)かった。


「普段は山奥に生息していて人目に触れることも滅多にないわ。こんな所まで来るなんてほとんどないのだけれど」


「ん?山って......まさか魔物の森の北の山から来たのか!?」


「可能性はあるわね。森が消失してしまったせいでこんな所まで来てしまったのかも」


「だとしたら、俺達の責任...?」

「とにかく、まずはこの状況をなんとかしないと!」

「あ、ああ!そうだな!」


「それでコーロ様。ユイ様。どうするんですか?」

「ユイ。あれはどれぐらい危険な魔物なんだ?」


「私にも詳しい事はわからないけれど、かなり知能が高く強力な魔法も使うはずよ」

「魔法まで使ってくるのか!?」


 コーロ達が魔物を前にやり取りをしていると、旅芸人の連中はアミーナの後ろに避難した。 


「アミの魔法でなんとかしてくれ!」

「アミ!頼む!」

「死にたくない死にたくない」

「ひいぃぃぃ」


 アミーナは戦慄しながらも魔力を練り始める。

「......な、なんやアレ、なんかヤバないか!?」


 コーロも闇の魔力を練り始める。

 ユイは剣に手をかける。

 しかし、コーロはその時ある違和感を覚えた。


ーーーなんだろう?なんか、そういうのじゃないというか、これは......そうか、そうだ。あいつから......感じないーーー


 怪鳥はじりじりと、ゆっくりと、こちらへにじり寄って来る。

 アミーナは魔法を唱えんとした!

 ユイは剣を抜いた!

 当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

 感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

 気に入っていただけましたら、今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

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