ep154 商いの猫娘⑤
「あちゃ~。......まあでも、スゴかったやろ??」
ウチはニヤリとして二人に言い放った。
「た、確かに...」
「すごかったわね。意味はわからないけれど......」
「ニャハハハ!ほんだら...お会計やな!」
一瞬、コーロにぃユイねぇが固まる。
「...えっ、金取るのか?」とコーロにぃ。
「もちろんや!商売でやっとるんやからな!」
「そ、そうだったのか」
「でもコーロにぃとユイねぇには、感謝の気持ちを込めて...半額でええで!」
「......それでいくらなのかしら?」
ユイねぇが訊きよる。
ウチはニヒッと笑って答えたで!
「しめて......十金貨(約十万円)でかまへん!」
コーロにぃとユイねぇは互いに顔を見合わせ、スーっと大きく息を吸った。
ほんで...
「ボッタクリかぁ!!!」
声を揃えてユニゾンでウチに怒鳴りつけよったんや!
......それから、ウチは色々と二人から問いただされ、茶トラ親父の事情を話した。
二人もこの猫達を放ってはおけないということで、三人で方々へ相談して回った。
最終的にはキースも動いてくれて、猫達の引き取り、猫屋敷の処分等、すべての問題は無事解決したのだった。
ただ、茶トラ親父は、
「ガキどもさえ幸せになれるんならもう俺の役目は終わりだ。俺は気ままな野良が性に合ってんのさ」
と言い残し、ひとり街の雑踏へ消えて行きよった。
後日、やたらと綺麗な女性にばかりすり寄る茶トラの野良猫がいるとの噂が流れるまで、そう時間はかからんかった。
ーーーーーー
ウチはどうも、商売とかお金とか聞くと、暴走してまうとこあるんやなぁ。
ホンマ気いつけんと。
茶トラ親父んとこの問題は解決したけど、結局まだコーロにぃとユイねぇにお返しできてないやんか!
二人はいらん言うてるけど、それに甘えたらアカン!
せやけど二人は、物あげたりとか何とか、そんなんちゃうねんな。
よーし。こーなったら......徹底的に二人を手伝ったるわ!
コーロにぃの導きの欠片探しも、ユイねぇの勇者の戦いも、全身全霊で協力するで!!
......
「...ん?どーしたんだアミ?」
「アミの番よ?」
「あらアミ様。早くも諦めモードですか?」
おっとあかんあかん!
ウチ、トランプ片手に考え事してもうてたみたいや!
「......あ、な、何でもないねん!ウチの番やなぁ。よーし」
ウチは、部屋に集まってみんなでトランプしながら、密かに決意を新たにしたんや!
だって、二人とも、ええトモダチやから。
なんてハズイわ!
あ、ミッチーもやで?
ニャハハハ!
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
以上をもちまして、当作品の連載を終了させていただきます。
物語は完結しておりませんが、いくつかの理由からこのような判断となりましたこと、どうかご了承くださいませ。
続きを期待してくださる方がいらっしゃったのなら、大変申し訳ございません。
なお、この先、当作品を再び執筆する可能性については今のところわかりません。
もし再開する場合は、大きく作り変えることになると思います。
そして、今後は新作に注力して参ります。
異世界バトルファンタジーとローファンタジーラブコメの予定です。
よろしければ、そちらもお読みただければ幸いです。
というわけで......
改めまして、ありがとうございました!
また次回作でお会いしましょう!
ネモン




