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導きの暗黒魔導師  作者: 根立真先
異世界の章:第一部 西のキャロル編
138/160

ep132 暗黒魔導師

 シュィーーン!!


 アミーナは、ダッ!と地を蹴ったかと思うと、ミサイルのようにバーン!と飛び出し、疾風の如く翔ける!


 同時にコーロもダッと敵に向かって飛び出した!

 フロワースはサッと後退する。


 シュイン!シュイン!シュイン!


 疾風の猫娘は魔人形どもの群れを一瞬のうちにかい潜り、庭広場の端、すなわち集団の外側に出る!

 そこから速度を緩め、魔人形どもに向かい両手をかざし魔法を唱える!


『エアロショック(疾風の衝撃)』


 猫娘から放たれた風の衝撃波が魔人形をとらえる!

 被弾した魔人形はドーンと吹き飛ばされる!

 どこへ?

 コーロの立つ地点へ向かって!


 アミーナはさらに...


『エアロショック』

『エアロショック』

『エアロショック』


 戦場を外側から円を描くように駆け回り同様に繰り返す。

 気がつけば、コーロの四方十数メートル以内に魔人形達がうじゃうじゃと密集していた。


 続けてフロワースが魔法を唱える。


『アイスドーム』


 ガキーーーーン!!!


 なんと、コーロを中心に一箇所に集まった魔人形どもをまるごと閉じ込めるように、氷の洞窟が奴らを覆う。

「さて、あとは貴方だよ、スヤザキさん」


 アイスドーム内。

 コーロは閉ざされた氷の洞窟の中、魔人形どもにうじゃうじゃ取り囲まれる。

 魔人形どもはぬらりと、中心にいるコーロへとじりじり迫る。

 地獄のような光景である。


 そんな中、コーロはさらなる魔力を練り始めた。

ーーーコイツらだって悪党だろう。

 だけど、こんな状態にまでさせられた上にプテラスの爆撃一発で消し飛ばされるのは違う気がする。

 ここは俺自身の手でやらなければ...!これは何のため?単なる自己満足?わからない。

 でも、暗黒魔導師ならそうしなければいけない気がする。

 きっと三百年前の暗黒魔導師(センパイ)も、そうする気がするんだーーー


 バーン!バーン!バーン!バーン!


 魔銃の集中砲火。

 しかし、コーロにはすでに闇の盾が張り巡らされていた。

 魔人形どもは銃を下げると、ぬらりとしながら一瞬の間を置く。

 そして...

 崩壊したダムのようにドドドドッ!と一斉一気に雪崩れ込んでコーロに襲い掛かる!


 コーロは右手を内側からグッと天に向けて高々と掲げた!


『ダークスパイラル(暗黒螺旋)』


 グウォングウォングウォングウォン!!!!


 彼を中心に闇の螺旋が天に向かいブワァァ!と激烈に舞い上がる!

 黒波が激しく螺旋を描きながら魔人形どもを吸い込むように猛烈に巻き込んでいく!

 

 バガァァァァン!!!!

 

 闇の螺旋は氷の洞窟の天井を突き破り壁をバラバラに崩し、アイスドームを崩壊させる!


「ボクのアイスドームが...」

「さ、さっきのよりもごっつい...!」

「あの男め。またあれを...」


 屋敷の屋根の端から操作していたマイルスも思わず目をみはる。

「あれは相当なエネルギー......しかも()の!」


 グウォングウォングウォングウォン!!!!


 闇の螺旋が黒光を放射しながら夜の空に荘厳に渦巻く!

 まるで嵐の如く荒れ狂う暗黒の龍が顕現したかのように。

 魔人形どもはひとり残らず螺旋状に巻き上げられながら上昇し、まるで天に召されるかのように、ファァァァ...と闇の光の中、跡形もなく消滅していった。


 崩壊したアイスドーム。

 氷の瓦礫(がれき)が地面に散らばる。

 その中心、威風堂々()で立つは...

 強大なる闇を(まとい)し、暗黒魔導師!!!

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