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導きの暗黒魔導師  作者: 根立真先
異世界の章:第一部 西のキャロル編
130/160

ep124 干渉

ーーーーーー


 氷漬けの金庫内。


 ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!


 怒涛のナイフ攻撃。

 フロワースの執拗な攻めにギリギリかわしながら防戦一方のコーロ。

 

ーーーくそっ!フェーズチェンジする暇を与えてもらえない!それにフロワースは速い...というより動きに無駄がない!隙もない!間違いなくフェーズチェンジしないと勝てない相手だ!何か状況を打開する手はーーー


 ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!


「貴方の勘の鋭さは本物だ。死角からの攻撃もしっかりかわす。それに氷面でも滑らない。能力なのか?本当に何者なんだ?」


「......くっ!」

 コーロは退がりながら必死に攻撃をかわし続ける!しかし...


 ピシッ!


「うっ!」

 フロワースのナイフが徐々にコーロの身体をかすめ始める!

ーーーこのままじゃマズイ!こうなったらーーー


 コーロは突如、後ろの壁に向かって跳んだ!


「!」

 一瞬、僅かにフロワースとの距離が開く。


 その刹那、

『ダークシールド』

 魔法を唱える!

 そこから闇の盾を構えたまま、三角飛びでフロワースに突っ込んだ!


 ガンッ!!


 フロワースは両腕片膝で防御したが、勢いで後ろに吹っ飛ぶ。

 二人の距離が明確に開いた!

 

「よし!」

 コーロはフェーズチェンジをはかる!


 だが、それはさせまいとフロワースはすぐさま体勢を立て直し魔法を...


「アイシクル...ん?なんだ!?」


 唱えない!

 急に謎の違和感を覚えたフロワースは魔法を中断する。

 それはコーロにとって、充分な()

 

「フェーズチェンジ。『フェーズ:トープ』」


 ブワォォォン!


 シュウゥゥゥゥ......


 コーロの身体から発する闇の魔力の密度が一気に濃くなる。

 フロワースの対角線には、闇深まりし暗黒魔導師が立つ。


「......まあ、しょうがないね。それにしても......あの違和感は......ん?これは...」

 フロワースのまわりに白く小さく煌めくものが見えた。

「......これは精霊!?誰がどこから?」


 その輝きの正体は、風の精霊。

 金庫外から扉に向かい、アミーナが精霊魔法を唱えていたのだ。


ーーー外からで意味あることできるかわからへんけど......相手の気いちらすだけでもええ!やるだけやったる!ーーー

 

 フェーズチェンジを果たしたコーロもその輝きに気づく。

「あれは......アミーナの精霊魔法!...そうか!アミーナが外から精霊魔法で干渉して隙を作ってくれたんだな!

 

「外から精霊魔法で干渉?そんなことができるのか?物理的に密閉された上にボクのアイスドームを越えるなんて......あの猫娘も何者だ?」

 冷静なフロワースも驚きを隠せない。


「フロワース。ここからが本番だ」

 闇を深めたコーロは、仕切り直すように言い放つ。


「......貴方方は本当によく分からない人達だ。まあ、だからといってボクは揺るがないけどね」

 フロワースはナイフをクルッと回し、それまでの微笑を薄めた。


 再び構える二人。

 フロワースは明らかに凄みの増しているコーロに警戒を強める。 

 コーロは完全に暗黒魔導師たる落ち着きを取り戻し、相手をじっと見据える。

 当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

 感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

 気に入っていただけましたら、今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

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