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導きの暗黒魔導師  作者: 根立真先
異世界の章:第一部 西のキャロル編
125/160

ep119 奥義

 コーロは落ち着いて迎え撃つ。


「やぶれかぶれの突撃か。ならこれで終わりにしてやる!ダークス...!」

 トドメの魔法を唱えようとしたコーロだったが、すんででその手を止める。

 彼に肉薄する一歩手前で、大黒狐が元の人の姿に戻り、ドサッと崩れ落ちたからだ。


「ぐっ......」

 うつ伏せに倒れながら弱々しくピクピク震えるブラックキャット。


「...もう力を使い果たしたか、ブラックキャット。どうやら終わりのようだな。奪った金を返してもらうぞ」

 地に伏せた彼の頭を見下ろすコーロ。


 ......


「......かかったな!」

「!」


『トリックアート:解除』


 なんと、人の姿に戻りもはや力尽きたかのように見えたブラックキャットは、再び大黒狐となり、前からコーロの全身を覆うようにのしかかった!


「くっ!?」

 コーロは腰を下げ、両腕でガードするようにグググッと大黒狐を支える恰好となる。


「......そうか!自分自身に偽造魔法をかけたのか!?」


「キサマの目を欺けるとすれば、キサマが攻撃魔法に集中するあの一瞬ぐらいかと思ったが、正解だったようだな!

 ましてやこの場面でオレがオレ自身に『トリックアート』を使うとも思っていなかったろう!

 おそらくキサマはただの攻撃じゃ倒せん。だがこれなら確実に殺せる!死ね!!」


纏狐火(まといきつねび)


 ゴオォォォォォ!


「なに!?」

 なんと、のしかかられたコーロごと、大黒狐の全身が炎に包まれた!

 

「纏狐火はオレ以外の者は容赦無く焼き尽くす炎だ!!

(...これをやるとオレはしばらく狐化ができなくなる。その上、体力も魔力も消耗が(はなは)だしい。できればやりたくなかったが......こうなればやむをえまい。コイツが死ねば使役魔のアレも消えるだろうし、猫娘一匹ぐらいならどうにでもなる!)。

 このままキサマを灰にするまで焼き尽くす!!!」


 ゴオォォォォォ!!!

 

 炎が激烈に舞い上がる!

 夜の公園が大黒狐の烈火に照らされる!


 上空にいるアミーナの猫目がキラッと赤く反射する。

「コーロおにーちゃん!?プテラスはん!!おにーちゃん助けたって!!」


「承知」


 ガバァッ

 ヂヂヂヂィィ

『デストロイブレス(破壊の大息』


 ブヴォォォォーーーン!!!


 ドガァーーーーーーン!!!


 燃え盛るブラックキャットにもろに直撃。

 しかし...


「...!き、効いてへんのか!?」


 全く効いていない。


 なぜなら、本来『纏狐火』は、ブラックキャットにとって絶対防御の最終奥義だからだ。

 だが、ブラックキャット自身が思うとおり、反動(リスク)が大きいので、まず滅多には使用しない技である。

 くわえて、戦闘中にこまめに使ったり解除したりということができない類のもので、使い所を間違えると、即敗北しかねない危険な技なのである。


 ゴオォォォォォ!!!


「焼け死ね!!」

「くっ......うぉぉぉぉぉ!!」

「抵抗しても無駄だ!!大人しく燃えカスとなって死ね!!」


「うおぉぉぉぉ!!『ダークスパイラル』」

 コーロは大黒狐を片腕で何とか支えながら、もう一方の手をクイッと内側に返して上げる『暗黒螺旋(ダークスパイラル)』のジェスチャーをした!

 炎に包まれた二人を中心に、闇の黒波が螺旋となって舞い上がる!

 

「悪あがきをしおって!さっさと焼け死ね!」

「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」


 グウォングウォングウォングウォングウォン!!!


「...なんだ!?」

「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」


 なんと、闇の螺旋は、二人を包んだ炎を巻き上げるように吸い込み始めた!


 グウォングウォングウォングウォングウォン!!!


「炎が!?闇に吸い込まれている!?」

「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」


 グウォングウォングウォングウォングウォン!!!


「くっ!クソ!なぜだ!?なぜだぁー!!!」

「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」


 シュウゥゥゥゥゥゥ......


 闇の螺旋がおさまる。

 『纏狐火』の炎のすべてを吸い上げて。


 ブラックキャットは、コーロからパッと体を離して退がり、ドテッと尻餅をつくように地べたに座した。

「......そ、そんな......纏狐火が、すべて吸われただと!?」


 コーロは仁王立ちで肩を上下に揺らし、汗を滲ませ息を荒くしながらニヤっと笑った。

「......ハァハァ。本当はお前ごと、のつもりだったんだけどな」

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