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導きの暗黒魔導師  作者: 根立真先
異世界の章:第一部 西のキャロル編
107/160

ep103 戦いの終わり

 カイソーは呆然と立ち尽くす。


 スラッシュはユイの方を見て確認する。

「これでいいか?」


「ええ」

 納得するユイ。


「す、すごい......」

 キースはただ驚嘆する。

 

 さて、ミッチーは先ほどからずっと黙っているが......実は、スラッシュに終始視線を集中していた。

ーーーこの男、この力。もしや......ーーー


「んじゃ、ブラックキャットんとこ行くか」

「そうね」


「あ、あの、僕も......行きます!」

 キースが必死に口を挟んだ。


「あなたも?」


「は、はい!あ、足手まといになるかも...いや、なるだろうけど......自分の手で、アミを助けたいんです!」


「ふーん。さっきの戦いをずっと見ててもそう思うんだな?そのアミってのはお前の女か?」

 なぜかスラッシュが訊く。


「はい!......て、こ、恋人とかでは、な、ないんですけど......その......」


「大事な女なんだな?」

「は、はい!アミは、僕にとって、とても......それに...」


「ん?」


「さっき、ずっと、ユイリスさんに守られっぱなしで、足も引っ張って、何もできなくて......それが嫌なんです。

 それにアミを巻き込んだのは僕......。

 たとえ足手まといだろうと、僕自身も戦わないと、多分ダメなんです。

 ユイリスさんは身を呈して僕を守ってくれて、絶望的な状況でも決して諦めずに戦ってて、それを見てたら僕も......

 宿屋でユイリスさんが言ってくれたように、僕も戦わないとダメだなって思ったんです!」


「キース......」

 ユイはキースに母のような眼差しを向ける。


「いいじゃねーか、ならお前も来い。いいだろ?ユイリスちゃん」とスラッシュ。


「ええ。一緒に行きましょう」

「は、はい!」


「ただな?戦い方ってのは人それぞれある。何も戦場で戦う事が全てじゃねえ。守り方ってのも様々だ。だからお前には()()()()()()がある。それはわかっておけ」

 スラッシュは諭すように助言した。


「あっ、は、はい!」


「貴方......」

 ユイは意外そうにスラッシュを見つめる。


「なんだ?」


「...いえ。あと、馬車から剣を取ってきたいわ」

「あいよ」


 スラッシュを伴い、ユイ達は、来た道を引き返すようにタペストリを目指し戦場を後にした。

 ひとり茫然と立ち尽くすカイソーを残して...。


 これでユイ側の戦いは決着を見た。


 ...夜はまだ深い。

 戦闘の終わった大地は、先ほどまでの混乱が嘘みたいに静まり返り、風の音と月明かりだけで彩られている。


 では、コーロ達の戦い、すなわち、本丸での戦いはどうなっているのか?

 果たしてアミーナを救う事はできるのか?

 暗黒魔導師の闇の力が今、本格的に試されることになる...。


ーーーーーー

 当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

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 気に入っていただけましたら、今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

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