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第5話

神保はパトリックから渡された封筒を開け、中に入っていた書類に目を通した。そこには驚くべき内容が書かれていた。


翌日、神保は榎木に例の書類を渡した。

「なるほど。こんな計画が進められていたとはな」

パトリックから渡された書類、それには韓国国防部長官の「対馬侵攻計画」の内容が記されていた。

「竹島での大規模な演習も対馬から目を反らさせるためのものでしょう」

「これを持ってきたパトリックという男、信用できるのか?」

「内調(内閣情報調査室)にいる知人にも国防部長官のことを聞いてみました。パトリックが話していたこととほぼ一致しています」

「いずれにしろ、報告しなければならないな。神保1佐、引き続き情報収集を頼む」

「分かりました」


情報本部からの報告はすぐさま首相官邸に伝わり、内閣官房副長官の蘭堂博己は防衛大臣補佐官の岸部公顕と今後の対策について話し合っていた。

「竹島の領有をアピールするものとばかり思っていましたが、まさかこんな計画が隠されていたとは、正直驚いていますよ」

「岸部補佐官、計画の立案者は韓国国防部長官ということだと聞いていますが」

「ええ。彼は根っからの反日主義者であり、かなりのカリスマ性を持った軍の武闘派の中心人物です。そして次の大統領を狙っている野心家です」

「この混乱に乗じてクーデターを起こす可能性はないでしょうか?」

「それはないでしょう。ミャンマーでもそうでしたが、軍事クーデターを起こすメリットはありません」

「では、彼の目的は何だと思いますか?」

「国民からの支持が失いつつある大統領に恩を売っておこうとしているのでしょう。野心家であると同時にかなりの策略家です」

仮に対馬侵攻が失敗したとしても、大統領に責任を負わせて糾弾し、代わって自分が大統領の座に座る。どちらに転んでも国防部長官に損はないということだ。

「竹島に続いて対馬までも韓国の領土となってしまったら、総理の責任だけでは済まなくなります」

「この国の主権が脅かされる重大な危機です」

「そうですね」

「そこで防衛省にお願いしたいのは、万が一に備えて対馬での事態に自衛隊が対処できるようにしてほしいのです」

「それはいいのですが、何しろシビリアンコントロールという徹底とした管理の下で、自衛隊は好き勝手に動けませんからね」

「それは承知しています。ですが、もし韓国が何らかの軍事行動をしてきた場合、我が国に対する侵略行為とみなし、断固たる姿勢で対応しなければなりません」

岸部は内心驚いたが、国際的には蘭堂のスタンスの取り方が政治家として普通なのだ。

「分かりました。そちらの方もお願いしますよ。蘭堂副長官」

「お任せください」


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