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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の試練編
98/136

海水浴

「此方が、スグルさんの、お知り合いで、公都の魔導新聞社アウル・ジェーラ、ディ・プラドゥのローシィ・レーランド記者、」


「しかし、スグル、あんたも、隅に置けねぇなぁ、」


「ただの知り合いです、」



 5月9日の雷曜日ラィョルヤ、今日は、スグルの世界で言う、土曜日、普通は、2時迄授業を受け、昼食後、3時から放課後自主講座(フォールドコーゼ)の開始としていた、


 しかし、今日の放課後自主講座(フォールドコーゼ)は、皆で、『星の遺跡・海岸』で、泳ぎ方の練習をする事になり、


 本来、泳ぎは魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの練習とは、全然、関係無い、


 大会の地区予選は、明日の光曜日コゥョルヤのベルトリアで開催される、普通だったら、リーダのダンが、そんな事してる場合じゃありません、練習しましょうと、俺に食って掛かってくるんだが、


 リアが、そんな提案をしても、ダンは、反対しなかった。


 こうして、第11回の放課後自主講座(フォールドコーゼ)は、泳ぎ方の練習、つまり、海水浴になった。



 そして、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』には、専用の料理作業員ベーリ・アルパ、ブライがいる、彼が、海岸で、旨い昼飯ランチを提供する事になり、


星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、2時半に、俺の宿舎の前に集まる事になった。



 で、また、今回も、


 お邪魔な、


 一人の女性が、


 参加する事になった。



「失礼ね、スグルさん!」


「えっ、俺、声に出した?」


「顔に、出した、」



 メルティスト先生が、良いかげんにしなさい、ってな表情で、


「コホン、」


 と、一回、咳をした後、


星に愛されし民(スタラブルラディ)』の、皆の前で、


「えーと、此方が、スグルさんの、お知り合いで、公都の魔導新聞社アウル・ジェーラ、ディ・プラドゥのローシィ・レーランド記者、」


「えっ!」


 ジェミが、思わず、声を出した、


 はぁはぁあん、ジェミ、ローシィの事、知ってんな、まぁ、オルも、知ってたから、知って当たり前だけど、


 案外、あれで、ジェミの奴、ミーハだから、なんせ、ローラのファン出し、 


 メルティスト先生が、続ける、


「皆の中には、ローシィさんの事、知ってらっしゃる方も、いると思いますが、今回、彼女から、放課後自主講座フォールドコーゼを頑張っている、皆さんを、是非、取材させて欲しいとの申し出が有り、」


 メルティスト先生が、一旦、ローシィを見て、


「学長と私で、相談した結果、好意的に書いて頂けるなら、学校の評判も上がると思いましたので、取材の許可を出しました、ちなみにローシィさんは、明日の、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセも取材します、だから皆さん、大会は、頑張りましょう!」


 と、締めくくり、紹介されたローシィが、



「ディ・プラドゥのローシィ・レーランドです、今日、明日と、皆様、宜しくお願いします。」



 と、挨拶した後、一人、一人、自己紹介を始めた、


 彼女と、挨拶を交わした、ブライは、ニヤニヤ、笑いながら、


「スグル、彼女、ベッピンさんだねぇー、」


 って、俺に言い、ベッピンさんって、なんて、古い言い方すんだ、お前は、って、思っていると、肘を俺に当てながら、


「しかし、スグル、あんたも、隅に置けねぇなぁ、」


 と、耳元で、囁くから、俺は、


「ただの知り合いです、」


と、断言し、ブライは、驚いて、


「えっ、そうなの、悪りぃ、悪りぃ、」


 と、俺に謝るのであった。



 彼女の事を、知ってるダンが、不安そうに、


「スグルさん、ローシィさん、取材って言ってますよ、其なのに、今日は、魔導格闘技アウルトゥオゥロセの練習しなくて、良いんですか?」


 俺は、真面目なダンを見ながら、


「良いんじゃねぇの、本人も、水遊びしたいって、言ってるし、」


 ダンは、不安そうに、


「しかし、」


 俺は、ダンの肩を叩きながら、


「大丈夫だよ、彼女も、プロだ、明日の結果も踏まえて、上手く書いてくれるって、」


 と、ダンを納得させて、


 俺は、早く、魚が食いたいんで、


「じゃ、そろそろ、行きますよ、メルティスト先生、」


 先生は、えっ、ってな顔で、


「何時もの、隊列、組まないの、」


 俺は、先生に、


「まぁ、今日は、良いんじゃないですか、大きな、『星の門(スターゲート)』を開けますから、皆で、行きましょう、先生、」


 と、言った瞬間、



 ドバーン!!!



 俺は、一気に、幅12メータ、高さ4メータの『星の門(スターゲート)』を開いた、



 ぐっ、


 やべえ、結構、『星の力』、持ってかれた、腹が減ってきた、


 俺は、気をまぎらわす為に、回りの景色を見た、



 目の前に、海が広がり、太陽は、さんさんと輝いていた、波は穏やかで、マジ、今日は、真夏日、本当に、海水浴、日和、


 今日は、『星隠し(ダークスター)』を広げて無い、更に、全員が制服で、魔導防護服アウルプロセルも着ていない、


 俺は、一応、『星の瞳(スタービュー)』を広げて、安全には注意をするつもりだ。



 ローシィは、口を、ぽかーんと開けて、俺の『星の門(スターゲート)』に驚愕していた、


「『海』に行くって言うから、どう言う事って思っていたけど、こう言う事だったんだ、」


 驚いている、ローシィに俺は、


「あぁ、俺の国の『魔導術』、記事にするのか、ローシィ、」


 ローシィは、首を振りながら、


「しないわよ、あんたの事は、ある人から、するなって、言われてるし、」



 ある人?


 ・・・


 ルーナちゃん?



 ローシィは、笑いながら、


「兎に角、今日は、私は、のんびりするわ、宜しくね、スグルさん、」


 そう、言って、ローシィはさっさと歩いて、女子更衣室になっている、宿泊用魔導四輪車(ルドン・モーグコルク)に行った。



 ジェミは、アウトドアテーブルと椅子を出し、其処に、執事長のエリンさんが、皿やコップ等を運んでセッティングを始めた、


 さてと、俺も始めるか、魚取りだ、


 方法は『地引き網漁』、


 海の沖合に網を張り廻し、網の両端につけた引き綱を引いて、浜辺に引き揚げる事で、魚を漁獲する漁法ではあるが、


 俺の場合は、網の代わりに『星の力』を使う、


 方法は、簡単、『星の力』を、網状にして、沖に設置する、そして、魚が死なない程度の強さで、『星の力』を調整し、一気に、俺のいる浜辺に引き揚げる、


 勿論、『星の力』に反応して、魔魚アウル・ポーケが集まってしまうので『星の力』の網は、『星隠し(ダークスター)』で包む。


 じゃ、まず、『星の力』の網を、沖合いに作っか、


 えいっ、やぁっ、とぉ、!



 ボスン!!



 おっ、また結構、『星の力』、持ってかれた、


 俺は、テーブルに行き、綺麗に並べてある、サンドイッチ(バンデゥタ)を貰う事にした、


「食べて、良いか、ブライ、」


 ブライは、料理の合間に、俺の方に来て、


「構わないが、スグル、魚、まだか、」


 俺は、腹を擦りながら、


「あぁ、ちょっと、待ってくれ、少し食わないと力が出ない、」


 ブライは、悪りぃ、ってな顔で、


「そうか、済まない、じゃ、遠慮なく食ってくれ、足りなきゃ、また、作る、」


 俺は、俺が作った、パンの木実(デゥタ)と、俺の『星に祝福されし果実(スタラブルタゥタァ)』のソースを掛けた、サンドイッチ(バンデゥタ)を一つ、口に入れて、


「もぐもぐ、大丈夫、もぐもぐ、此で、」


 と、言った後、一気に、網を浜に上げた、



 ザァパアアアァァアンンンン!



 巨大な、波音共に、



 バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、



 百匹、近い、魚や貝等が、浜に打ち上げられ、俺は、満足して、『星の力』の網を消した、


挿絵(By みてみん)


「すっ、凄い、」


「流石です、師匠!」


 着替えた、エミちゃんとハルが、魚を見に、俺の側に来て、感嘆、していた、



「これ、ブライが、料理するって、」


 と、俺、



 ダンや、オルも加わり、


「えっ、そうなんですか、」


 と、嬉しそうなダン、


「魚って、この、バルセリアじゃ、高級品ですよ、凄い、」


 と、冷静なオル、



 ・・・



 二人共、苦学生だし、ろくなもん、食ってないし、


 良かったな、ダン、オル、



 ブライが、魚が打ち上げられた、場所に来て、


「有難とな、スグル、さて、さっさと、仕訳すっか、」



「仕訳?」



 俺は、ブライに聞いた、


「あぁ、スグル、俺は、あんたのような、上級魔導士じゃ、無いけど、特技持ちなんだ、どの魚に毒が有るかどうか、分かる、」



 俺は、ちょっと驚いた、


「特技持ちって、なんだ、ブライ、」



 ブライは、魚を、仕訳ながら、


「えーと、此は、食える、っと、なんだ、スグル、特技持ち、知らないのか、」


 俺は、何時もの言い訳、


「あぁ、俺は、東の辺境の国の出身だから、俺の国には、その、『特技持ち』ってのは、いないんだ、」



 ブライは、仕訳の手を止めずに、


「此は、食えない、そうか、『特技持ち』、っうのは、この国じゃ、魔導術は不得意でも、一芸に非でた、才能の有る奴の事を言うんだ、俺の場合、小さい頃から、『』『ライ』『コウ』の合成魔導術が使えた、」


 ブライは、俺の方を振り向いて、


「俺の特技の特徴は、物の、味覚、甘さ、辛さ、しょっぱさ、酸っぱさ、更に、毒かどうかが、分かるんだ、」



 俺は、感心した、


「ブライ、だから、お前、料理人に、」


 ブライは、立ち上がりながら、


「よし、仕訳終了、まぁ、最初は、防魔省、毒薬部隊に行くつもりだったんだが、人殺しより、料理人の方が幸せかなって思ってな、」



 ・・・



 毒薬部隊って、あんのか、


 結構、怖い、世界、



「なぁ、スグル、あの、メルティスト先生も、たぶん、俺と同じような気がするんだが、何か、知らないか、」


 俺は、知ってても、ブライには、教えない事にした、


「まぁ、人の、プライバシーだから、人の性格や個性の話は、人、其々(それぞれ)だし、ある人には、誉め言葉が、別の人には、悪口になる、やっぱ、自分で、本人に聞いた方が良い、」


 ブライは、納得したようで、


「そうだな、スグル、あんたが正しい、やっぱ、自分で聞くわ、有難とな、スグル、」



 結局、残ったのは、魚や貝が、30匹程、結構、食えないようだ、その中で、見た目、マグロっぽい魚を一匹、掴んで、


「じゃ、此れ、一匹、俺にくれないか、」


 ブライは、驚いて、


「えっ、良いけど、どうすんだ?」


「勿論、食うのさ、俺の国のやり方でな、」



 俺は、まず、小型の『星剣セイケン』を出し、マグロの脳絞めをし、


 更に、背骨の下側と尻尾の下を切り血抜きをしながら、


 続いて鼻から細くした『星剣セイケン』を背骨上の神経に通し神経絞めをし、神経を潰す。



 ブライは、其を見て、


「へぇ、面白い事、するな、」


 エラと内臓を取り海水で洗いながら、


「こうすると、魚の肉が、生で食えるんだ、」


 ブライは、驚いて、


「生、生で食うのか、其は凄い、俺にも、その生肉って奴、食わしてくれ、スグル、」


 等と、ブライと俺とで、食談義をしていると、ジェミと、リア、アンリ、ドーリが、此方に来て、


「ブライさん、言われた野菜は、料理専用魔導四輪車(ベーリ・モーグコルク)に置いときました、」


 ブライは、ジェミの方を向いて、


「おっ、ジェミ、有難う、じゃ、済まないが、この魚も、収納してくれると助かるんだが、」


 ジェミは、頷いて、


「はい、大丈夫ですよ、ブライさん、」


 と、言って、魚の方に、右手を向けた、瞬間、



 シューッ



 えっ、


 ジェミ、お前、収納する、量、増えてない、


「なぁ、ジェミ、俺の気のせいかも、知んないかも、知れないけど、収納する量、増えてない、」


 ジェミは、また、再び、頷いて、


「そうなんですよ、スグルさん、何か、あの遺跡を攻略した後、収納が、大きくなったような、感じで、」



 えっ、



 収納が、拡張したの!



 確かに、昔、天皇星の大賢者(ウラノスター)が、俺に言った事が有る、星の秘蔵庫(スタートレェチェ)は、持ち手が成長すると、収納量が上がるって、


 と、言う事は、ジェミは、成長したって事か、


 しかし、ジェミは、あんまり、戦ってない、其なのに、成長した、


 成長の定義って、戦いと関係無いのか?


 

 ・・・



 分からん、



 ジェミは、リアを見ながら、


「其で、リアから、ブライさんが、いちいち、食材の調達、大変だから、って、言われて、収納すると鮮度も保てるから、皆の、一月分の食材を、僕の収納に仕舞ってるんです。」



 ・・・



 完全に、尻に敷かれてる、


 ブライも、嬉しそうに、


「そうなんだよ、本当に、ジェミ君の特技は、助かるぜ、流石、御嬢様のお気に入りだ、」


 リアが、真っ赤な顔で、



「ブライ!」


「あっ、いけねえ、仕事、仕事、」


 と、ブライは、急いで、逃げた、



 ジェミは、やれやれってな顔で、


「そうだ、スグルさん、その魚も仕舞いましょうか、」


 俺は、首を振りながら、


「いや、こいつは、少し熟成させるから、氷と箱を探して、そんなかに入れておくつもり、」


 ジェミは、分かった、ってな表情で、


「じゃ、仕舞える、箱と氷を出しますね、」



 えっ、



 そんなのも、持ってるの!



 俺は、どんどん、便利になるジェミに、



 ただ、呆れるだけだった。




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