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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の試練編
87/136

魔鼠

 4月30日の磁曜日ジィョルヤ、俺が此の世界に来て39日、


 今日は第7回放課後自主講座(フォールドコーゼ)が開催される、


 『星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、昨日、自主練習をして、全員が15分間位は、ロープ渡りが出来るようになった、


 で、問題は、此処からだ、『星の遺跡・密林』には、魔鼠アウル・ペーコがいる、

 


 俺は、午前中に森から木を3本拾い、木刀を3本作った、うち、二本は小刀にして、双刀として、使えるようにした。




 午後、4時に、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』が、魔導防護服アウルプロセルを着て、俺の宿舎の前に集合した、


 俺は、皆に、


「昨日の自主練習で、だいぶ、ロープ渡りが上手くなった、此は、此で、俺は、良いと思っている、只、『星の遺跡・密林』を攻略するには、もう1つの問題を克服する必要が有る、」


 ダンは、えっ、ってな顔して、


「スグルさん、もう1つの問題って、」


 俺は、ダンを制止しながら、


「まぁ、此も、百聞は一見にかず、見て貰うのが、早い、」


 突っ込みのエミちゃんが、


「ヒャクのブンが、一件しかないってどう言う意味よ、スグル!」



 なんじゃ、そりゃ、



「あぁ、俺の故郷の言い方で、百回説明するより、一回、見る事で、全てが分かるって、言う意味だ、」



 メルティスト先生が、


「スグルさん、其は此方こっちでは、見る知識(ベロスゲーテ)って言うのよ、」


 俺は、舌を出しながら、吐きそうに、


「ベロが、げぇっ?」


 メルティスト先生が、怒りながら、


「バカスグル!ベロスゲーテ!!」


 エミちゃんは、首を振りながら、


「本当に、相変わらずの、意味不明の動作と、発音の悪さ、変わんないわねぇ、スグルは、」


 完全に、年上の俺を、馬鹿にしているエミちゃんだった。



「で、ジェミ、仮設の水栓は、『星の秘蔵庫(スタートレェチェ)』に入ってるか、」


 ジェミは、頷いて、


「ええ、入ってますよ、スグルさん、今日は、水が必要な事をするんですか、」


 俺は、眉をしかめながら、


「まぁ、万一って事かな、じゃ、何時ものように、『星の遺跡・密林』に行ってみっか、じゃ、ハルからだ。」


 ハルは、元気良く、


「はい!師匠!!」


 よし、良い返事だ、と俺は、思いながら、『星の遺跡・密林』の『星の門(スターゲート)』を開けた。




 場所は、『星の遺跡・密林』、全員が、俺が張っている、『星隠し(ダークスター)』の中に入っている、


 俺は、


「じゃ、皆、見ていてくれ、」


 と、言いながら、俺、一人、『星隠し(ダークスター)』の外に出た、



 その瞬間、



 バッ、バッ、バッ、バッ、



 数十匹の、黄金のモフモフが俺を襲う、


「きゃあ~ああ!!」


 先生と女子の歓声、



 ビシッ!ビシッ!ビシッ!ガシッ!



 捕まえた、一匹を除いて、全て、魔石アウル・オーダになった。



 俺、再び、『星隠し(ダークスター)』に入って、


「こいつが、魔鼠アウル・ペーコだ、」


挿絵(By みてみん)


 右手には、捕まえた、一匹のモフモフ、


 確かに、ちょっと可愛い、リスっぽい、こいつが、数十匹、飛んで来る。


 リアが、目をキラキラさせて、


「そのぅ、スグル様、ちょっと触らせて、貰えませんか、」



 ・・・



 ふぅ、此だ、


 バシッ、


 俺は、魔鼠アウル・ペーコ魔石アウル・オーダにした、


「あああ、」


 メルティスト先生と、リア、エミのガッカリした声、


「まぁ、此のように、魔鼠アウル・ペーコは、見た目が可愛いが、しっかりと俺達を襲って来る、特に、空中から襲って来た場合、対処が難しくなる筈だ、」


 俺は、此処で、一旦、言葉を切って、


「此の、対処が出来て、初めて、此の『星の遺跡・密林』を攻略出来ると、俺は、思っている、」


 全員が沈黙し、俺は、


「じゃ、また、戻って、ロープ渡りの練習を、」


 ダンが、手を上げて、


「スグルさん、ちょっと良いですか、」


 ほら、来たよ、ダン、やっぱ、お前は、納得しないよな、


「スグルさん、私達は、連携で、『星の遺跡・草原』を攻略しました、だから、今回もハルの『星隠し(ダークスター)』から、オルが援護してくれたら、行けそうな気がするんですが、」



 ・・・



 駄目だな、だが、ダメって言ったら、たぶん、何故ですか、やってみなくちゃ、分からないじゃ無いですかって言うだろうし、


「じゃ、試してみっか、ダン、」


 ダンは、頷いて、


「はい! じゃ、頼む、オル、ハル、」


 オルも、頷き、


「分かった、ダン、」


「良いよ、ダン」


 と、ハル、


 俺はジェミに、


「仮設水栓を用意しとけ、ジェミ、」


 ジェミは、キョトンと、


「えっ?スグルさん?」




 ダンは、一気に、俺の『星隠し(ダークスター)』から、飛び出し、その後を、ハル、オルが続く、


 ガシッ!ガシッ!


 ダンが、魔鼠アウル・ペーコを弾き、飛び乗った、木から再び、空中に飛び出した瞬間、


「えっ!!!!」


 全員が、愕然とし、



 バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、バッ、



 援護しようとした、オルが、


「うっ、嘘だろ!」


 一瞬にして、数百匹の魔鼠アウル・ペーコが、ダンに飛び付き、空中で弾く事が出来ない、ダンは、


 直ぐに、黄金の巨大な、モフモフの塊のボールのようになって、



 ヒューーーーーーーン、



 ドボォーオオオオオオオン!!!


 

 ダンは、魔鼠アウル・ペーコと一緒に、沼に落ちた。



 俺は、上着を脱いで、


「さぁーてと、助けに、行きますか、」




「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ、」


 バシャッ!!


 沼の水を吐いているダンに、俺は、仮設水栓の水を掛けた、


 沼に落ちて、泥まみれだったダンが、水により、綺麗には成ったんだが、


「ジェミ、タオル、収納してあるだろ、」


「はい、スグルさん、有ります。」


「じゃ、ダンに貸してやれ、」


 俺も、自分に付いている泥を水で流しながら、


「分かったろ、『星導術』の、使い方が甘いんだ、もっと、素早く、各部所に使わないと、あの数の、魔鼠アウル・ペーコには、対応出来ない、」


 俺は、ジェミからタオルを受け取りながら、


「でだ、戻って、『ロープの森』で、新しい、練習をする、」


 ダンも、タオルで体を拭きながら、


「新しい、練習ですか?」


 俺は、ニヤリと笑って、


「あぁ、新しい練習だ、」




星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、俺の宿舎の前に有る、『ロープの森』に戻り、


 全員が、30分のストレッチをした後、



 シュッ!



「此が、『星珠スターボール』だ、」


 俺は、手に翠光りょくこうの玉を作り、皆に見せた。


 全員が、驚き、


 オルは、驚きながらも、


「スグルさん、その光玉で、一体、何をするんですか?」


 と、聞いてきたので、俺は、


「ロープを登って来る、皆に、此の『星珠スターボール』をぶつける、勿論、危険じゃ無いが、ぶつかれば、圧力が掛かるから、避けたり、弾いたりしないと、吹き飛ばされる、可能性は、有る、」


 全員が唖然とし、その中で、ダンが、


「つまり、スグルさん、その『光玉』が、私達にとって、魔鼠アウル・ペーコと言う訳ですね、」


 俺は、頷いて、


「そうだ、此れから始めるのは、俺が考えた、対魔鼠(アウル・ペーコ)の模擬戦だ、俺は皆が、此の模擬戦で、魔鼠(アウル・ペーコ)を攻略出来るようになってから、『星の遺跡・密林』の攻略を始める予定でいる、」


 と、ちゃんとした、考えを皆に話し、


 皆は、俺の考えに納得したのか、黙って、俺を見ている、



 じゃ納得したんで、始めるんだが、その前に、



 俺は用意していた、木刀をダンとアンリに渡して、


「それとな、ダン、アンリ、お前達は、此の、木刀を使ってくれ、なんせ、お前達の、『星具スタートゥ』、まともに使ったら、ロープ、みんな切れちまうから、」


 ダンと、アンリは木刀を受け取り、


 ダンは、俺が作った木刀を見て、


「此で、ですか?」


 真剣じゃ無く、こんなおもちゃで大丈夫ですか、ってな顔してるよ、


 やっぱ、ダンは、まだまだ、素人だぜ、


「大丈夫だ、ダン、型が出来ていれば、木刀でも、充分に威力が出るから、『星珠スターボール』を弾く事は出来る。」



 シュッ!シュッ!


 直ぐに、アンリは、木刀を振りながら、木刀の感触を確かめている、



 何回か、木刀を振った後、


「大丈夫です、スグルさん、此で充分です、」



 俺は、感心した、


 ちゃんと、重さ、持ち具合、重心を確認してる、本当に、此の、アンリって娘は、素人じゃねぇ、


 俺は、二人が、納得したのを確認して、


「じゃ、始めるか、俺が先にロープに登る、準備が出来たら、俺は、皆に、『星珠スターボール』を投げる、そしたら、全員、俺に向かって、ロープを登れ、良いな、」



 全員が、


「はい、!!!」



 うん、良い、返事だ、


 よし、やるか、



 バッ、バッ、バッ、バッ、



 俺は、一気に、ロープの天辺迄、掛け上がり、


「よし、やるぞ!」


 そう、声を出して、右手の『星珠スターボール』を、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』の皆の前に投げた、



 バシッ!



星珠スターボール』が、地面にぶっかって、砕け散った瞬間、ダンが、


「行こう、皆!!」


 と、叫んで、『星の力』を発動した後、ロープに飛び乗り、


 俺は、そんなダンに、


「じゃ、まずは、一発、」


 右手に、再度、作った『星珠スターボール』を、投げつけた。



 そして、



 全員が、地面に這いつくばり、俺の方を、唖然とした顔で見てる、


 俺は、うん、最初は、こんなもんかなと思いながら、彼等を見ていた。





 俺は、ロープに飛び乗ったダンに、一発の『星珠スターボール』を投げつけ、ダンは、その『星珠スターボール』を木刀で弾き、続く、アンリにも投げた、『星珠スターボール』を、アンリは、軽々と弾き、


 更に、エミちゃんは、ジェミ、リア、オル、ハルに向けた、ボールを止めた後、


 リアが『魔導術』で、『星珠スターボール』を砕いた。



 俺は、そんな、練習を三回位、繰返して、


 彼等が、俺の処から、半分位ロープを登った、当たりで、


 シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!


 俺は、一気に、数百の『星珠スターボール』を作り、彼等の前後左右、斜め、上、下と、あらゆる方向から、同時に、彼等に襲い掛かるように、投げつけ、


 ダンも、アンリも数秒間、『星珠スターボール』をさばく事は出来たが、結局その後は、『星珠スターボール』を全身に受け、ロープより、弾き飛ばされて、地上に落下した、


 勿論、彼等は、魔導防護服アウルプロセルを着ているから、怪我等はしない、


 エミも、最初は、数十の『星珠スターボール』を止めたが、やはり、更に、襲い掛かって来る、『星珠スターボール』を止められず、『星珠スターボール』の衝撃を受けて、ロープより落下した、


 魔導術を使う、リアも同様に、『星珠スターボール』をさばけず、ロープより落下し、


 オル、ジェミ、ハルは、最初の猛攻で、既に、地上に落ちていた。



 メルティスト先生は、俺の方を見上げて、両手を上に上げながら、怒った顔で、なんか、大きな声で、ピョンピョンしながら、怒鳴っていた、


 たぶん、先生、俺の行動が、生徒に対するイジメだって、言ってるようだ、



 ・・・



 まぁ、端から見れば、そう見えてもしょぅがねぇしな、


 此は、有る意味のイジメかも知れない、



 だが、彼等は『星に愛されし民(スタラブルラディ)』、星から運命を託された人々だ、


 もっと、もっと、過酷な運命が、彼等に待ち構えている、



 俺は、めるつもりは無い、



 ダンが、騒いでいる、メルティスト先生と、何か、話し会い、先生は騒ぐのを止めて、


 ダンは、皆は、再び、俺の方を見た後、彼等は、俺の方向に、ロープを登り始めた、



 そうだ、其でこそ、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』だ、


 俺は、再び、数百の『星珠スターボール』を作り、



 彼等に投げつけた。

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