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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の試練編
78/136

其々の重さ

 4月22日の力曜日リィョルヤ、俺が、この世界に来て、31日、


 普通に、学校の掃除をして、放課後、さぁーて、今日は、ソースでも作るかなぁー、って、思っていた時、


 ハルとエミちゃんが、俺の宿舎に来て、


 ハルは、俺に、彼の『星より渡される道具(スターディトゥール)』である、『星のナイフ』を見せながら、


「えっ、そのナイフに、名前!」


 ハルは、自信満々に、


「はい、スグルさん、昨日、夜、星が僕に、はっきりと言ったんです、この、僕の『星のナイフ』の事を『アルカナスターソゥ』って、はっきり言ったんです!」



『アルカナスターソゥ』?



 何だ?



 聞いた事ねぇぞ、



 ハルは、真剣に、


「其で、スグルさんなら、意味と、このナイフの使い方、知ってるんじゃないかと、」



 ・・・



 知らねぇ、



「悪い、ハル、残念だけど、俺は、その名前も意味も知らない、」


 俺の答えを聞いた、ハルは、ガッカリした顔で、


「そうですか、スグルさんも、知らないんですね、」


 俺は、ハルに聞いた、


「ハル、守護星は、その他の事は、何か、言って無かったのか、」


 ハルは、首を振りながら、


「名前以外は、・・・何も、」



 名前以外は、何も言わないって、


 何故だ、


 守護星なら、もっと、ハルを導く助言をしても、良い筈なんだが、


 何故、ハルの守護星は、多く語ろうとしないんだ?


 言ったら、ハルの成長をさまたげる何かが、有るからか、


 其とも、


 普通には、言えない、



 過酷な、使命で、



 言う事、全てがその使命と、結び付いているからか、



「其で、師匠、僕の守護星が、『星のナイフ(アルカナスターソゥ)』を、呉れたんです、だから、此を、使いこなす為にも、僕はこの学校に寄宿しようと思います!」



 えっ、


 考え事してた、寄宿って、ああ、


 昨日、俺が言った、提案ね、


「じゃ、ハル、決めたのか、」


「はい、両親にも相談しました、」


 エミちゃんも、


「昨日、夜遅くハルの両親が、うちに来て、私の両親と相談したの、この頃、放課後自主講座フォールドコーゼと、ハルの『星導術』の練習で、私達、帰るのが遅くなって、其で両親は心配していて、勿論、ハルの事は、信じていてくれるんだけど、」



 帰りが、遅くなった、


 そうだよなぁ、エミちゃんは年頃の女の子だし、両親は心配する、そりゃあ、当たり前だ、


「私の両親は、その事で、担任のノーラス先生に、相談するつもりだったみたい、私を、安全な寄宿組に出来ないかを、」


 ・・・


 そうだったのか、どうやら、俺は、配慮が足りなかったようだ、もう少し、メルティスト先生と相談するべきだった、


 と、反省はしてみた物の、


 今更、方針を変える事は出来ねえし、


「其でね、スグル、此処に来る前に、私達、エルさんに相談したの、そしたらやっぱり、今、放課後自主講座フォールドコーゼに参加している、一年からも、そんな話しが出てて、取り敢えず、女子寮を、優先に手続きをしてくれるんだって、」


 流石、エルさん、対応が早い、


「だから、私は、26日の光曜日コゥョルヤに引っ越すから、」


 俺は、頷きながら、


「そうか、そりゃあ、良かった、帰り道、事故ったら、大変だしな、其で、ハルは何時からだ、」


 ハルは、嬉しそうに、


「僕は、5月からです、師匠、」


 5月か、次の週、って事か、そうなると、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』の通学組は、リアちゃんとアンリちゃんだけど、彼女達は、学校の近くに家を借りてるって、ジェミが言ってたし、


 こうなると、合宿ってやり方も、考え方としては、有りか、ただ、メルティスト先生は、反対するかも、


 まぁ、その時は、その時だ、


「師匠、此で、僕も、本格的に、師匠から『星導術』の、指導を承けられます!」



 えっ、本格的、って、


「あぁ、そうだな、だが、ハル、無理は駄目だ、その、ゆっくりな、先ずは、体を作る事な、良いな、」



 エミちゃんは、疑わしそうに、


「スグルってさぁ、何か良い事を言ってるようで、実は、ハルに、教える事何も無いから、誤魔化してるとか、・・そんな気がするんだけど、」



 ギクッ


 エミちゃん、するでぇ!


「そっ、そんな事ねぇって、俺は、ハルの事、心配してんだよ!」


 ハルは、エミちゃんを見ながら、


「そうだよ、エミ、師匠に限って、そんな、三流の魔導士じゃあるまいし、ちゃんと、僕の事を考えてくれてんだよ、」



 ナイス、ハル、


「そう、そう、」


 まぁ、俺は、魔導士じゃねぇけど、先生としては、三流だな、まだ、メルティスト先生の方が、はっきり言って、プロだ。



 じーぃ、



 ってな視線で、エミちゃんは、俺を見てる、やれやれ、



 その日は、その報告で、ハルもエミちゃんも、家に帰り、




 翌日の、23日の磁曜日ジィョルヤ、今日は、3年生が、ちょっと騒いだので、俺が呼ばれ、ちょちょっと、落ち着かせた、


 原因は、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの選手に選ばれ無かった生徒のやっかみらしい、


 若い奴の、沸点の低さは、良く分からん、



 エルさんが、言うには、去年は、あっちこっちで、揉め事が有って、先生達も、面倒だから、余程の事態で無いと、ほっといたらしい、


 今年は、俺がいる事で、生徒達が警戒しているのと、アルバート先生が、授業で魔導格闘技アウルトゥオゥロセを取り入れたので、


 生徒達は、その授業でストレスを発散しているのか、揉め事は激減していると、エルさんは俺に教えてくれた、



 其でも、揉め事が起きるのは、3年生は、自分の進路を考える重要な時期だから、らしい、だから彼等のストレスも、日毎に、重くなっていく、


 そしてこの国は、軍事国家だから、防魔省、魔導省に採用される事が、エリートの証しだと、エルさんは俺に言い、


 特に、防魔省に採用される人材は、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの出場者を優先する、


 今までは、魔導格闘技アウルトゥオゥロセの指導者がいなかったので、殆どの生徒は魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセに出場する事を、諦めていた処、


 今年は、アルバート先生がいるので、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの学校枠での出場権が有るらしい、



 だから、3年生達は、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセに熱くなった、


 そして、その熱気が、まだ、冷めなくて、


 まぁ、補欠枠も有るし、兎に角、5月の地区予選、6月の地区大会、7月の、公都、バルドリスでの本大会が終わる迄は、荒れるんじゃないかと、エルさんは、俺に言った。



 ちなみに、2年生は、また、別の状況で、困っている、


 魔導格闘技アウルトゥオゥロセの得意、不得意は、魔導術の才能が、如実に反映される、


 だから、3年も、1年生も、団体戦、個人戦ともに、()組が選ばれた、しかし、


 2年生は、魔導術が不得意のツェ組が団体戦の代表に選ばれてしまった、


 此の事に、納得していないのが、ガルホール・スターゲス率いる、()組で、彼等は、一般枠の、5月に行われる、地区予選の団体戦に出場する事にした、とダンから、俺は聞いた、


 此の大会で勝ち上がった、上位4組と、学校推薦枠の4組が、6月の地区大会で争い、上位2組が、7月の本大会に出場する。



 更に、ダンが言うには、そんな事や、リアちゃんが()組に入らなかった事等、更にハルが魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセ()組のトップを負かした事等が重なって、ツェ組と()組の関係は、今や最悪なんだとか、


 実際、ゴタゴタが起きても、可笑しくない状況らしく、其を押さえているのが、ガルホールとダンの、其々の組のリーダだ、其も限界に近く、


 その解決案として、ガルホールからの提案は、ツェ組も、一般枠の、地区予選に出場し、上位に進んだ方が団体戦の代表として出場する、


 と言う内容だった、


挿絵(By みてみん)


 ダンは、少し考えさせてくれとガルホールに答え、


 その事を、俺に相談する為に、昨日の夜に、ダンとオルは俺の宿舎に来た。



 俺的には、ダンに、そんなバカバカしい事に付き合う必用は無いんじゃねぇの、と言ったんだが、


 ダンは、断れば、魔導術の才能が有る、()組は、ツェ組の他の生徒達に絶対、嫌がらせをしてくるし、ガルホールは、此の国の権力者の家系だから、圧力を掛けて来る筈だ、と俺に言い、


 じゃ、その提案を受けるのか、とダンに聞いたら、ダンは、受けるつもりです、と俺に答え、その後、彼が言った言葉は、



「スグルさんに聞きたかったのは、私達は、()組に勝つ事が出来るか、どうか、なんです!」


 と、ズバリ聞いてきた、


 

 うーん、正直言って、俺は、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセも、ツェ組も、どうでもいい、重要なのは、彼等が『星に愛されし民(スタラブルラディ)』だと言う事だ、


 星は、彼等の運命が、星の力の訓練所(スタラブルトゥーサ)の先に有り、だから、彼等に『星より渡される道具(スターディトゥール)』である、『星具スタートゥ』を渡した、


 彼等の運命に於いて、『星具スタートゥ』を使いこなす事は重要な事だ、だが、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセでは、『星具スタートゥ』を使う事は出来ない。


 俺は、ダンに言った、


「まぁ、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセじゃ、『星具スタートゥ』は使えねぇから、『星導術』の身体強化を使う必用があるな、」



 ダンは、真剣な顔で、


「・・・そうですか、じゃ、スグルさん、私達は、少しでも、早く、その身体強化の方法を覚えるべきですよね、」



 ・・・



 ふぅ、此だよ、


 ハル以外の、皆は、特に、ダン、オルは、星に、()()()()()()()意味が分かってねぇ!


 自分の運命なんだよ!!


 運命ってのは、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセより、遥かに、()()()()()!!!



 とは、俺は、彼等には、



 言えなかった。


 

「分かった、ダン、身体強化の事は、考えよう、だが、『星具スタートゥ』を使いこなす事も、大事だ、一応、今までの、訓練を続けて、その中で、身体強化も訓練に入れていこう、」


 ダンは、俺に向かって、


「そんな、悠長な事で、僕達は()組に勝てるんですか!!!」


 オルが、ダンに、


「ダン、落ち着け、」



 ・・・


 仕方ねぇ、なぁ、


「大丈夫だよ、ダン、勝てるって、安心しろって、」



 と、俺は、ダンに嘘を着いた、


 なんせ、俺、魔導格闘技アウルトゥオゥロセの事、知らねぇし、素人だし、勝ち負けの事は、分からん、


 だから、言った事は、適当だし、だから、嘘だ。



 そして、今日の4時に、皆は、其々の重さを背負って、


 俺の宿舎の前に、集まった。


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