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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
運命と使命編
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集団戦闘

「ダン!もっと早く、鋭く!!」


「はい!!」


 ダンは、刃の無い剣、『月下の秘剣(ムーンスタートゥソー)』を、より鋭く振った瞬間、


 彼に、襲いかかった、バッタ型の魔虫アウル・バーズは、



 バリーン



 破壊音を上げならから、魔石アウル・オーダに成った。



「やりました!スグルさん!!」


「油断するな!ダン!次が来るぞ!!」


「はい!!」


 ダンが、更に、数が増した、魔虫アウル・バーズを相手にしようとした時、



 バリン!バリン!バリン!



 アンリちゃんが、連続して、三匹の魔虫アウル・バーズを、魔石アウル・オーダにしていった。



 ・・・



 アンリちゃん、はっきり言って、すっげぇ!




 4月21日の火曜日ヒョョルヤ第三回放課後自主講座フォールドコーゼが開催され、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』の面々は、俺の宿舎の前に、4時に集まり、


 全員が集合した段階で、俺は『星の遺跡』の『星の門(スターゲート)』を開いた、


 皆は、もう、3度めで、慣れたのか、指示する事無くダン、ハルと『星の遺跡』に入り、その後、男子、女子、メルティスト先生、俺の順で、最後の俺が『星の遺跡』の中に入った後、俺は『星の門(スターゲート)』を閉じた。



『星の遺跡』に入って、俺が『星隠し(ダークスター)』を張ると、ハルは、『星隠し(ダークスター)』を止める、この連携も、言葉を掛ける事無く、出来るようになり、


 ハルはまだ、辛そうだが、最初よりは、楽になった、と俺に言っていた。



 ハルが少し落ち着いて、皆の準備が出来た事を確認した後、俺は、皆に、新しいフォーメーションの説明をした、



 まず、フォワードを、前回は、ダン、オルの男子チームだったのを、ダン、アンリに変えた、次にミッドフィールダーは、前回、ジェミ、アンリだったのを、ジェミ、リア、エミの三人に変えた、リアには、魔導強化術を使って、魔虫アウル・バーズを対処して貰う事にし、


 実力的に劣るジェミは、魔導術で魔虫アウル・バーズを相手にするんだが、無理に魔虫アウル・バーズ魔石アウル・オーダにするのでは無く払う事に徹して、全体の指示を出す事に注力してくれと伝えた、


 ジェミは、フォワードの前進後退、ミッドフィールダーの前進後退の指示を出し、状況に合わせて、攻撃的な陣形にするか、守備的な陣形にするかを決めろと言い、


 前回、ディフェンダーは、リア、エミだったのをオル、一人にした、オルの役割は、魔導格闘技アウルトゥオゥロセの中では、狙撃手だ、


 狙撃手である、オルの仕事は、指揮官であるジェミのガード、勿論、エミが、ジェミに襲って来る、魔虫アウル・バーズを払って、その払った魔虫アウル・バーズをオルが始末する、


 そして、ハルは、自分に向かって来る魔虫アウル・バーズの処理だけに専念する、


 そう言う作戦に変更し、その事を皆に伝えた。



 そして、今回は『星具スタートゥ』に慣れる為にも、『星具スタートゥ』を使って、魔虫アウル・バーズの対処をする事にし、


 まず、俺は、ダンに『月下の秘剣(ムーンスタートゥソー)』の使い方を教えた。



 新月の状態の『月下の秘剣(ムーンスタートゥソー)』は、刃の無い、つかだけの剣に見える、


 しかし、見えるだけで、刃が無い訳では無い、持ち手の実力で刃の長さ、大きさ、切れ味は変わるが、刃は有る、


 分かり安く言えば、スグルの世界のアニメで、可愛い女の子の元、英雄さんが持っていた剣、みたいな奴だ、


 刃が見えないから、暗殺等に向いていて、とても、正義の姉ちゃんが持つ代物じゃ無い、


 だから、振り手も、刃が有る事を意識して使わないと、相手に当てる事も出来ない、


 今の、ダンの実力だと、たぶん、『月下の秘剣(ムーンスタートゥソー)』は小刀状態だと、俺は思う、


 其を確認する為に、『星隠し(ダークスター)』の中に、魔虫アウル・バーズを、2、3匹、入れて、ダンに対処させてみた、次いでに、アンリの実力を知る為に、一緒に、魔虫アウル・バーズの相手を、して見せて貰った、


 其が、最初の話し。



 ダンには、剣の使い方を指導した、ぎ、払い、引き、刺し、ぬき


 やはり、『月下の秘剣(ムーンスタートゥソー)』は小刀状態で、その間合いを体で覚える事に徹して練習をして貰う事にし、


 アンリちゃんについては、何も指導する必要は無かった、


 彼女は、はっきり言って、武道を知っているようで、型が出来ている、だから、双刀の使い方も分かっているようだし、刃がぶれていない、だから、魔虫アウル・バーズを確実に切り裂く事が出来ていた、


 双刀も小刀も、大剣と違い、刃で切り裂く、刺す、受ける、流す事が大切で、刃の角度、位置、タイミングが凄く重要になる。


 此れが、旨くいかないと、相手にダメージを与える事は出来ないし、下手すると武具がばされ、此方の状況が不利になってしまう、結構、難しい武具だ。



 ダンとアンリが30分程、練習をしている間、他の皆は、ストレッチで体をほぐしてもらい、エミちゃんは、一匹の魔虫アウル・バーズを5秒間、時間を戻す事を、連続して出来る迄、練習するように、指示を出した。


 実際は1秒間でも良い、連続して時間を戻す事が重要で、此れが出来るようになれば、あたかも相手は止まって見える、そうなれば、狙撃手であるオルが、魔虫アウル・バーズを確実に仕留める事が出来る。


 この方法は昔、俺と土星の時魔士(クロノスター)との連携で、よく使った、彼が、千の百の具魔(ヒャトルトゥ)を止めて、俺が一気に、奴等を殲滅する、



 ・・・



 今、思えば、酷い事をしたもんだ、


 あの時の俺は、世界を救う、勇者気取りで、彼等に意思や思いが有るとは、微塵みじんも思っていなかった。



 30分程の練習が終わり、実際に連携を練習する為に、最初に打ち合わせしたフォーメーションで、『星の遺跡』のフィールドの魔虫アウル・バーズに挑戦する事になった。


 其々が配置に付いた段階で、俺は、『星隠し(ダークスター)』を、俺とメルティスト先生の回りだけにした、



 その瞬間、



 『星の遺跡』の草原が、ざわめき、黄金の波のように、魔虫アウル・バーズが、フォワードのダンとアンリに襲いかかって来た、



挿絵(By みてみん)



 この数も、状況も、前回と同じだから、俺も彼等も想定済みだ、



 この遺跡は、中心に、ストーンサークルが配置されていて、其処から魔虫アウル・バーズが放射状に沸き出て来る、


 たぶん、あのストーンサークルの中心に、この『星の遺跡』の、最終試練が有り、ハルか、俺の『星の力』に反応して起動するんじゃないかと、俺は考えている、



 この遺跡の攻略は、この襲い掛かる、魔虫アウル・バーズを対処しながら、ハルを、あのストーンサークルに連れて行く事だ、


 前回は、あの魔虫アウル・バーズさばく事が、出来なかったから、この遺跡の攻略も出来なかった。


 この遺跡のバッタ型の魔虫アウル・バーズは、数が多いのと、向かって来るだけで、そんなに強くは無い、


『星の力』である『星導術』を使わなくても、『星具スタートゥ』だけで、充分に対応出来る筈だ、



 アンリとダンが草原を疾走し、アンリが舞うように回転し、双刀の刃光が波の流れるような美しい輝線が、草原に輝いた瞬間、



 音が出る事は無く、


 多くの魔虫アウル・バーズが、一瞬で、二つ切り裂かれ、その切り裂かれた魔虫アウル・バーズは、双刀の跳ね上げで草原に舞い上がり、


 舞い上がった魔虫アウル・バーズは、瞬間に魔石アウル・オーダになった!


 数多あまたの色の魔石アウル・オーダは、太陽の光に反射しながら、まるで、七色の光のシャワーのように、アンリに降り注ぎ、



 その光景を目撃した、俺とメルティスト先生は、その美しい凄さに、唖然として、



 はっきり言って、アンリの実力がこれ程と、思っていなかった、俺も、ビックリしていた、



 其は、まるで、草原を疾走する、美しき狼!



 一体、彼女は何者なんだ?



 その横で、ダンが、『月下の秘剣(ムーンスタートゥソー)』を振っていた、


 彼の場合は、初心者だ、振り方もまだ甘い、其でも、『月下の秘剣(ムーンスタートゥソー)』だ、確実に魔虫アウル・バーズを、一匹、一匹、切り裂いていた、


 ダンは、初心者だが、30分前の剣を握った事の無い、彼に比べれば、だいぶ良くなっている、


 彼は、教えた事を、理解しようと努力し、少しずつ、着実に、自分の物にしている、正に、努力型の天才のような気がする、



 彼は、剣の才能が有るんじゃないか?



 俺は、そんな気がした。



 だが、残念な事に、始めて30分くらいだ、やはり、アンリと違って、何匹かの魔虫アウル・バーズを処理出来ず、彼を抜けて、ジェミに向かっている、


 魔虫アウル・バーズは、たぶん、ハルの『星の力』に反応している、ハルが『星の力』をより、大きく使えば、より沢山の魔虫アウル・バーズが、ハルを襲う仕組みになっている、


 まさしく、此処は、『星の力の訓練所(スタラブルトゥーサ)』だ、少ない『星の力』で、ゴールを目指さなくてはならない、


 ダンの攻撃をすり抜けた、魔虫アウル・バーズは、ジェミを襲う瞬間、一瞬、止まる、


 此こそが、『星時計盤スタークローッウルテサイマー』の実力、



 かって、土星の時魔士(クロノスター)が、俺に教えてくれた、当時の俺は、バカだったから、彼の話しは殆ど、理解、出来なかった。


 彼が言うには、時は、大河の流れのような物で、時を止めると言う事は、考えるより、相当、難しく、膨大な『星の力』を使うんだそうだ、


 何故なら、完全に時の流れを止めようとすると、時は、流れようとする『時の圧力』が働くから、


 しかし、時の流れを遅くする事は、時の流れを止めるのでは無く、流れにせきを作って、流れ自体を遅くするような物で、彼には簡単な事らしい、


 俺、レベルではその時の流れを遅くするせきは、難しくて作る事すら出来ない、


 逆に、早くするのは、時の流れに、『星の力』のスクリューを取り付けるみたいなもんで、


 此は、力任せの行為だから、多少の事なら、俺、レベルでも出来る。



 では、時を戻すのは、どう言う事かと言うと、其が、『星時計盤スタークローッウルテサイマー』の力、


星時計盤スタークローッウルテサイマー』は、時の流れを逆転する事が出来るんだとか、



 この時点で、彼が、何を言っているのか、当時の俺には、分からなかった。



 どのくらい、反転、出来るのかは、持ち手の実力に比例するらしく、


 エミちゃんの、実力では、時を戻すのは、かなり難しく、だから、今の状況では、彼女は、時を長く戻すよりも、例えば5秒を素早く、繰り返し、戻した方が、皆の役にたつ、


 そして、エミちゃんが、ジェミを襲った、魔虫アウル・バーズを、素早く時を戻して、まるで、魔虫アウル・バーズが止まっているように見えた時、


 ハルの隣に居る、オルが、『水星の片眼鏡(ヘルスターモノック)』を使って、素早く、魔虫アウル・バーズを仕留める、


 仕留めた瞬間、彼の左手には、魔石アウル・オーダが有り、それをハルに渡す、


 ハルは、『星の力』が少ないので、この魔石アウル・オーダを得る事で、少しでも、『星の力』を補給する、


 そんな、感じの連携で、戦闘集団、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、ゆっくりと『星の遺跡』を、ストーンサークルに向かって、前進した。


 

 前進する事、30分、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、俺とメルティスト先生が居る場所からストーンサークル迄、3分の1程、進んだ時、


 慣れていない、『星具スタートゥ』を使い続けた事による疲労が蓄積していった、その結果、


 彼等にミスが目立つようになり、アンリ迄、魔虫アウル・バーズを仕留め損ね、ハルにも魔虫アウル・バーズが襲うようになったので、



 俺は、『星隠し(ダークスター)』を広げて、



 彼等を『星隠し(ダークスター)』で、包み込み、



『星の遺跡』、攻略の演習を中止した。



 まぁ、焦る事は無い、



 彼等は、着実に育っている。



 彼等は、

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