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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
運命と使命編
73/136

荒れ狂う巨星

 4月19日の光曜日コゥョルヤ、スグルの世界での日曜日、俺がこの世界に来て28日


 俺とケティは、休日なので、俺が初めて来た、このバルセリア街の西にある湖に、俺がこの世界に来た理由を見つける為に、出掛けた。



 しかし、其処は、既に、魔導省の直轄領地になっていて、俺は魔導省の軍人である、リナとロンゲルに、不法侵入者として取り調べを受ける事になった。



 彼等は、その時、俺の側にいる、ケティに気付き、ケティの正体を知っていた、


 其は、魔導省が俺の事を監視している事を意味し、彼等は、その事を俺に告げた。


 しかし、リナは俺からケティを取り上げる訳では無く、逆に俺に対して、ケティの魔導獣飼育許可書を発行してくれた。



 彼等は、俺の事を魔導料理人と思っているらしく、俺が作ったベーコンのサンドイッチ(バンデゥタ)に興味を持ち、


 俺は、彼等に、俺が作った、ベーコンのサンドイッチ(バンデゥタ)を食べて貰う事にした、


 そして、『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』であるリナが、俺の作った、『星に祝福されし食物(スタラブルイー)』である、サンドイッチ(バンデゥタ)を食べた時、


 俺の、『星の瞳(スタービュー)』には、『星の力』で、光り輝く、リナが映っていた。



 ロンゲルが、不思議そうに、


「どうしました、副将、気分でも悪いんですか?」


 リナは、首を振りながら、


「・・・逆だ、今までに、無いくらい、気分が良い、・・・此は、どう言う事だ、スグル、」


 リナが、俺に向かって、問い掛ける、


「そのベーコンも、パンの木実(デゥタ)も、俺の国の、秘伝の製法で作れている、だから、滋養強壮に優れているんだ。」


 ロンゲルが驚いて、


「そ、そうなんですか、流石、スグルさんだ、何か、俺も、力がみなぎって来るような気がして来た、」



 其は、気のせいだ、ロンゲル、



 リナは、笑いながら、


「さっすが、魔導料理人だな、感謝するぜ、じゃ、俺達は、・・・」



 ん?



 言葉が止まった?



 えっ!



 ズズズズズズズズズズ!!



 リナの『星の力』が!!



 天界に!


 天界の、巨大な星に!!


 あれは、!!!


挿絵(By みてみん)


『コーリン!オメェ、ヨゥ』



 えっ!


 星が、俺に語り掛けてきた!



『ドウシテ、オメェハヨゥ!』


 この、暴言は?


 聞き覚えが、


 星よ、お前は、何を俺に語る!



『クズナンダヨ!テメェハ!!』



 クズ?


 俺がか?



『ワカッテンノカ!!』


『テメェガシタコトヲ!!』



 星よ!


 一体、お前は、何が言いたいんだ!!


 訳が分からん!!



『分カランダト!!』


『星ノピアス!!!』



『ナゼ!星ノピアスヲ!!!』



『星ノピアスヲ!!!』



『アノひとニ!!!』



『アノひとニ、渡シタッテ!!!』



『言ッテンダロウガ!!!』



 えっ!!!


『星のピアス』!!!



 あの人、ルナの事か?



『チガウ!!!!!!!』



 星は絶叫した、


 星が、星が、


 ウッ!!!


 その時、俺は初めて、自分が星に飲まれている事を知った、


 体を動かす事も、『星の力』を使う事も出来ず、



 リナが、巨大なハルバートを持ち上げ、



『テメェハ、イツマデ、ひとノ気持チヲモテ遊ベバ、気ガ済ムンダ!!!』



 リナが、星が絶叫しながら、俺に向けて、ハルバートを降り下ろした!!!



 ロンゲルが愕然とし、



 体を動かす事の出来ない俺に、


 ハルバートが、ぶちこまれる、


 その瞬間、



 ダァーンンンンンンン!!!


 『リキ』で強化されたケティが、俺にぶち当たり、俺は吹き飛ばされ、その横をリナのハルバートが、数センチの距離で通過し、



 ドガァァアアアアアアンンン!!!


 大地は抉れ、粉塵が巻き起こり、


 愕然とするリナが、


「副将!!!!!!」


 リナの暴挙を止めようと、ロンゲルが、



 グルルルルルルルル!!!



 ケティが、リナに構え、全身に魔導の炎を巻き付け、



 俺は、


「大丈夫だ、ケティ、」


 ケティを安心させた、



 ハルバートが撃ち込まれた、大地は、そのハルバートを中心に半径5メータは陥没していて、


 その破壊の凄まじさを、物語っていた。



 ようやく、リナは、正気を取り戻し、


「こっ、此を、・・・俺が、」


 リナは、直ぐに、俺にハルバートを撃ち込もとした事に気付き、


「そうだ!スグル!!大丈夫か!!!」


 俺の名前を叫んだ、俺は、舞い上がる粉塵を払いながら、リナに近付き、



「あぁ、リナ副将、俺は大丈夫だ、」



 リナは、俺を見て、安堵のため息を付き、


「良かった、無事だったか、だが、スグル、俺に一体、何が起きたんだ?」



 リナは、俺に原因を聞いてきた、俺は、リナの守護星、『荒れ狂う巨星』が、俺を殺しに掛かったとは、言えず、


「まぁ、俺の国で良く有る、食べ物アレルギーで、普通はくしゃみで済むんだが、リナ副将の場合は、過って、ハルバートを、振り回した、って事かな、なぁ、ロンゲル、」



 急に振られた、ロンゲルはビックリして、


「えっ!あれが、くしゃみなんですか、そう言えば、副将、何かでっかい声で言ってたなぁ、」


 リナもビックリして、


「くしゃみって、俺はくしゃみだけで、地面に穴を開けたのか?」



 俺は、笑いながら、


「まぁ、普段は、そのハルバートは持たないほうが、良いかもね、危険過ぎる。」



 リナは、ハルバートを魔導二輪車(モーグサルク)に仕舞い、


「普段は、使わない、たまたま、演習中だったんだ。」



 演習?



 ロンゲルが気を効かして、


「副将、其、以上は、民間人には、」


 リナは、ニヤリと笑い、


「民間人ねぇ、まぁ、そう言う事だから、スグル、早く此処から立ち去れ、なんなら、街道迄、送って行くぞ、」



 俺も、笑いながら、


「嫌、遠慮しとく、君達が、見えなくなったら、俺も家に帰るとするよ、」


 リナは、魔導二輪車(モーグサルク)に乗り、


「そう言う事だ、行くぞロンゲル中将!!」


「えっ、はい!!」


 ロンゲルも、慌てて、魔導二輪車(モーグサルク)に乗り、直ぐにリナの後を追い掛けた。



 俺は、彼等が、俺の視界から消えるのを確認した後、


「さぁ、帰ろうか、ケティ」


 ケティに、声を掛けながら、『星の門(スターゲート)』を開け、


 俺の宿舎に、戻った。







「副将、本当に大丈夫ですか?」


 本部に戻った俺達は、報告書を作成する為に、デスクに向かった、その時、


 ロンゲルが、俺の事を心配して声を掛けてきて、俺は、


「あぁ、大丈夫だ、ロンゲル」


 ロンゲルは、疑わしそうに、


「あれ、本当にくしゃみだったんですか?」


 俺は、首を振りながら、


「まぁ、スグルが言うんだから、そうなんだろ、」


 ロンゲルは、諦めて、一言、


「・・・そう、なんすね。」



 ・・・



 俺も違う事は、分かっている、だが、この事は、あまり、大事おおごとにしたくない、


 俺は、ロンゲルと別れて、自分の執務室に戻った、


 一人になりたかった、


 部屋の窓から、天の青空を見る、


 天には、昼だと言うのに、俺の瞳には、一際、巨大な巨星が見える、


 俺の名前の巨星、



 ・・・


 あれは、巨星からの声だった、


 意味は、分からない、


 だが、俺の中に、あの切ない、悲しい気持ちが、洪水のように流れ込んできた、


 ・・・


 大将に対する、あの気持ち、


 あれは、



 俺は、思わず、胸を押さえた、


 辛い、この気持ちは、辛い、



 其に対して、あのスグルに対する、どうしようも無い、怒り、


 あの、怒りは、



 俺は知っている、



 あれは、



 あれは、



 嫉妬だ、



 あれは、






「クルルルルルルル、」


 宿舎に戻ると、放心している俺を心配して、ケティが、俺の足に三つの頭を擦りつけながら、俺に大丈夫?と聞いてきた、


 俺は、ケティを安心させる為、彼女の頭を撫でながら、


「あぁ、大丈夫だ、御免な、折角の休みだったのに、さぁ、向こうに行って、沢山、運動して来るんだ、ケティ」


 俺は、常時開いている、暗黒大陸のゲートを指差しながら、ケティに行ってこいと、促した、


 ケティは、首を傾げながら、俺を心配そうに見た後、


 ゲートに飛び込んだ、



 俺は、ケティを見送った後、宿舎に入り、昼飯を食って無い事を思い出して、


 倉庫から、ベーコンを持って来て、

ベーコンと野菜のサンドイッチ(バンデゥタ)を作って食べた、


 食べながら、思ったんだが、もっと、料理の巾を広げるなら、やっぱり、食用油は、スッゴク重要だし、後、ソース、此を何とかしたい、



 確かに、この世界でも油は、油の花(オルダァファ)油の実(オルダァファタ)から直接取れる、



 この世界は、『魔神の世界(グゥストゥワード)』だ、『魔神グゥス』は幼き神だ、あまり、複雑な事は得意じゃない、直接、畑や木になっている物が多い、


 だから、大地の恵みで有る、穀物、野菜、果実等も、スグルの世界のように、加工する事により、神の恩恵を見つける必要が無い、



 スグルの世界から見て、この世界は、まさしく、彼等が言う、漫画の世界だ、



 二千年前、世界に『魔神グゥス』が出現し、世界が、その幼き神により、変わり始めた時、


 この現象を、天皇星の大賢者(ウラノスター)が解説してくれた頃は、俺は、バカだったから、へぇー、面倒が減って、良いんじゃね、って彼に言った、



 だが、俺は、スグルの世界を、


 神のいない、多くの世界を知って、


 世界に隠された、神の神秘を、神の奇跡を発見する事が、見付ける事が、どれ程、人を、種族を、文化を文明を発展させて行くかを、



 それらが、凄く重要で有る事を、知った、



 神は、あまり、神の子供達を助けてはいけない、


 どんなに、願っても、簡単に助けてはいけない、


 簡単に助けて貰えると知ると、



 子供達は、努力しなくなる、


 努力が無くなれば、進化も、発展も、文化の拡大も無くなり、



 世界は滅ぶ、


 俺は、そう言う人を、種族を、国を沢山、見てきた、



 ・・・


 最近は、良く、天皇星の大賢者(ウラノスター)の言葉を思い出す、彼の偉大さは、あの当時の俺には、良く分からなかった、


 だが、彼は、バカな俺に、優しかった、消して知識を鼻に掛けて、俺をバカにした態度を取らなかった、


 七人の星の使途(セブンスターズ)のリーダ的な存在、


 七人の星の使途(セブンスターズ)


 俺に、


 土星の時魔士(クロノスター)


 天皇星の大賢者(ウラノスター)


 金星の錬金士(アフロスター)


 水星の狩人(ヘルハルスター)


 ・・・


 そして、


 冥界の星巫女(プルセスター)



 俺達は、『星の六大国』から、 七人の星の使途(セブンスターズ)と呼ばれた、



 ・・・



 ちょっと待て!



 一人、足りなくねぇか?



 後、誰が、いたんだ?



 ・・・



 思い出せねぇ、




 何せ、二千年前の話しだし、



 ・・・



 まぁ、そのうち、思い出すか、


 其より、油とソースだ、


 やっぱり、俺は、星の使徒(スターマン)だ、油もソースも『星に祝福されし穀物(スタラブルフー)』じゃ無くちゃダメだ、



 一から育てるか、


 ソースは、まずは、トマトのような果実を探して、ケチャップを作るとか、



 今日は、休日だから、明日、ゲートで、農牧高等学校ラウダ・バ・ハウゼに行ってみっか、



 そう、思いながら、俺は、


 ベーコンと野菜のサンドイッチ(バンデゥタ)を口に入れた。





 そして、その夜、


 天界には、一際大きな星が輝いていた、


 その星は、その美しい雲海の模様が、荒れ狂う嵐のように、動き、輝く事から、



 『荒れ狂う巨星』



 と呼ばれていた、



 スグルの世界では、『木星ジュピター』と呼ばれた、星だ、

 


 俺は、


 『荒れ狂う巨星』に問いた、


 何故、お前は、あんな事を俺に語ったんだと、



 しかし、何時いつまで待とうと、巨星からは、答えがなく、



 俺は、巨星と会話する事を諦めた時、



 ・・・


 あの言葉使い、あの口調、


 何処どこかで、何処どこでだ?



 俺は、もう一度、巨星を見上げた、



 そして、俺は、忘れていた、


 七人の星の使途(セブンスターズ)の最後の一人、



 『木星の暴嵐帝(ジュートルスター)』!!!



 アイツの事を思い出した!



 ・・・



 そうだ、アイツと俺とは、殆ど接点が無かった、


 だから、思い出せ無かった、


 最後の、『魔神グゥス』を寝かせる旅も、アイツと水星の狩人(ヘルハルスター)は、破壊の魔玩、ドルガンギアス、魔炎の玩帝、ズリアドラージの奴等、千の魔玩将(ティトゥサートゥ)を相手にしてた、


 奴とは、俺達が『魔神グゥス』の事で、『星の六大国』に召集された時、



 その時、初めて会った、


 その時、奴が言った言葉は、



ひとの気持ちを、もて遊ぶんじゃねぇ!!!!!』



 だった、



 その意味は、




 当時の俺にも、




 今の俺にも、




 分からなかった。

 

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