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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
運命と使命編
71/136

星導術

「じゃ、ハル、皆に、『星導術』、入門、教えてあげて、」



 ええええ!


 僕が、ですか!!



「だってさぁ、ほら、俺ってさぁ、天才だったから、人に物、教えるの下手じゃん、だから、ハルの方が、教えるの向いてるって、」



 師匠・・・



「スグル!そう言うの、丸投げ、って言うんじゃないの!」


 エミが、僕の代わりに、スグルさんに文句言ってる、



 スグルさんが、慌てて、


「だ、だってさぁ、俺は、『星導術』を、無意識に使えるんだよ、皆に教えるとしたって、こうして、ズバッ、ああして、ドバッ、ってしか言えないし、此の擬音で、皆が分かるのか?」



 ・・・確かに、


 僕は、諦めて、皆に『星導術』を教える事にした。




 4月18日の雷曜日ラィョルヤ


 第二回の放課後自主講座フォールドコーゼで、僕達は、『星の遺跡』に来た、其処で、師匠は、僕とリアを除く、皆が、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』であり、だから、星は、皆に、『星より渡される道具(スターディトゥール)』を渡したと教えてくれた。


 師匠は、僕の事を『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』だと言い、星から使命を託された人だとも言った、


 そして、今度は、皆の事を『星に愛されし民(スタラブルラディ)』と言い、星より、運命を託された人と言っている、



 一体、どう言う事なんだろう?



 師匠も、やっぱり、知らないらしい、



 だから、師匠が出来る事は、皆を鍛える事だと言った、



 師匠!其って!!、僕と同じだ、って、声を出して、言ったら、師匠は、目で、それ以上、話すなって言って、



「そうだ、ハル、そう言う事だ、」


 と、一言だけ、付け加えた、



 師匠は、皆に、『星導術』を教えるんですね!



 師匠!!



 僕と、一緒に、エミやジェミにも、師匠は、『星導術』を教えるんですね!!



 皆は、まだ、『星導術』の凄さを知らない、



 オルは、まだ、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセ

の事を心配していた、


 だから、僕は説明した、『星導術』は、魔導術の肉体強化より優れている事を、


 肉体その物を、変えてしまうのが、『星導術』である事を、



 僕の説明で、皆は納得したので、昼食の後、皆で、師匠から、『星導術』を学ぶ事になった。



 そして、いざ、師匠が、皆に『星導術』を教えようとした時、師匠は、僕に、皆に、『星導術』を教えてくれと言ってきた、




 で、僕が、師匠の代わりに、皆に、『星導術』を教える事になったのが、最初の話し、



 僕は、僕なりの『星導術』の、訓練の方法を、皆に話し始めた。


「まず、一番、大切な事は、自分の体の中に有る、『星の力』を、感じる事。」



 ダンが、不思議そうに、


「『星の力』を、・・・感じるのか?」



 僕は、頷きながら、


「そう、目を閉じて、自分の中を覗く感じ、そして、体の中に有る、明るい、光り、其が、『星の力』」



 ダンは、じーっと目を閉じて、動かない、


 他の皆も、真似して、目を閉じた。



 『星の遺跡』に、再び静寂が訪れ、聞こえて来るのは、風になびく草の音、魔虫アウル・バーズも大人しくなり、動かなくなった。



 最初に、口を開いたのは、やっぱり、ダンで、


「ハル、確かに、何か、感じる、・・・」


挿絵(By みてみん)


 僕は、ダンに、教える、


「じゃ、其を、イメージで、目に持って行くんだ、そしたら、見ている世界が変わる、」



 ダンが、汗をかきながら、


「此を、目にか、ちょっと待て・・・確かに・・・動かせる、ような・・・気がする、」



 僕は、ダンにアドバイスをする、


「ダン、最初は、ゆっくりとしか、動かせないけど、慣れてきたら、早く動かせるし、全身に広げる事も、出来るんだ、」



 ダンは、苦しそうに、


「そっ、そうなのかって、うぉー!!」


 ダンが、奇声を上げた。


「世界が、世界が止まって見えた!!」


 僕は、ダンに笑いながら、


「あはは、良かったね、其が、『星の力』だよ、ダン。」



 師匠も、笑いながら、


「ハル、正式には、『星の瞳(スタービュー)』って言って、訓練すれば、色んな物が見えるようになるんだ。」



 えっ!!


 そうだったんですか!



 師匠!!



「師匠!じゃ、僕に、その『星の瞳(スタービュー)』を、教えてください!」



 師匠は、慌てて、


「いや、ハル、ほら、ハルは、『星の力』が少ないから、直ぐに、大技は、危険過ぎる、また、ぶっ倒れたら、大変だし、な、焦らず、ゆっくりな、」



 ・・・そうか、師匠は、僕の体を心配して、



 確かに、焦っても、しょうがないし、


 その時、オルも、ジェミも、一瞬、時が止まって見えた、と言い、その後、アンリ、エミと、続いて、『星の瞳(スタービュー)』が出来るようになった、



 其処で、僕達は、一つの実験をする事になった。


 僕は、リアに、


「ねぇ、リア、リアは本当は、肉体強化の魔導術を使えるんじゃないの、」



 リアは、暫く口ごもった後、


「あまり得意では、ありませんけど、一応、出来ます。」


 アンリが心配して、


「お嬢様、」、と声を掛けた。



 リアは、魔導術の天才だ、だが、不思議な事に、彼女は、あまり、自分が魔導術が得意で有る事を、言いたがらない、何でも、普通の生活に憧れているんだとか、



 本当に変わっている。



 僕は、リアにお願いをした、


「いやーぁ、リアには、たぶん簡単な事だと思うんだけど、肉体教化の魔導術、『』を使った場合、『星の瞳(スタービュー)』で、どう見えるかを、皆に、教えたいんだ。」



 リアは、考えて、


「・・・分かりました、やってみます、ハルさん」


「有難う、リア」



 こうして、僕達は、リアが肉体教化の魔導術を使ったら、『星の瞳(スタービュー)』でリアを見る事になった。


「じゃ、皆、さっきの要領で、『星の瞳(スタービュー)』を発動してみて、」


 ダンが、嬉しそうに、


「確かに、ハルの言う通り、『星の力』は、さっきより、動かしやすい。」


 オルが、


「そうだな、少し、滑りが良くなったようだ。」


 エミは、


「そうかな、やっぱり、重いような、」


 アンリは、無言、


 ジェミは、簡単に、


「準備、オッケー、ハル」



 僕は、頷きながら、


「皆、準備は、大丈夫?・・・じゃ、リア、肉体強化魔導術をやってみて、」


 リアも、頷きながら、


「分かりました、ハルさん」


 と言った時、



 ジェミが、驚いて、


「えっ、ええええ!ストップ!ストップ!ストップ!リア!!魔導術、止めて!!!」



 えっ、一体、何が起きたの?



 ジェミは、真っ赤な、顔で、


「ヤバイ、ヤバイ、ハル、此は、ヤバイって」



 僕は、びっくりして、


「ヤバイって、ジェミ、何が、ヤバイの?」


 ジェミは、更に、真っ赤な顔で、


「そ、其は、・・・兎に角、ヤバイって!」


 リアも、興味を、示して、


「そうですよ、何がヤバイんですか?ジェミ、」


 ジェミは、余計、困って、


「えっ、リア、その」


 その時、アンリが、


「お嬢様、その、私、お嬢様が、薄い、光る紫の下着を着ているように見えました。」



 えっ!



 ええええええええええ!!!



 エミは、不思議そうに、


「えっ、そうなの、私、リアが、紫の光りの神様に見えたけど?」


 えっ?


 神様?


 オルも、考えながら、


「私は、リアの回りに、紫の細い線が、幾重にも見えた、」


 ダンが、


「私は、リアが、紫に塗り潰されたように見えた。」



 皆、見え方が違う!


 此れって、一体、・・・僕は、師匠に聞いてみた。



「ん?見え方が違う事、まぁたぶん、個人の個性が影響してんのかな、俺も専門家じゃないから、詳しい事は、知らないが、そう言えば、昔、天皇星の大賢者(ウラノスター)が言ってたなぁ、」


 師匠は、少し考えながら、


「確か、『星の瞳(スタービュー)』は、星の力で物事を見る『星導術』なんだが、時に、星はお節介だから、本人が見たいと思っている物も見せる事が有るってな、」 


 ジェミは、びっくりして、


「えっ!!!」


 師匠は、笑っていた、



 ジェミが見たいもの?



 リアが、ジェミに詰め寄る、


「ジェミ、貴方、何を見たんですか!」


「いや、いや、リア、ち、違うって!」



 ・・・こんなに、狼狽する、ジェミを初めて見た、エミも驚いている、


 師匠は、更に、笑ってる、隣のメルティスト先生は、そんな師匠に呆れている、


「何が、違うんですか!ジェミオ・バレットス」


 ジェミは、焦って、


「態とじゃないんだ、君の裸が見えて!」



 えっ!!!



 リアの裸!!!



 皆、びっくりして、沈黙!!


 師匠も、沈黙!



 リアはにっこりして、


「そう言う事ですか、じゃ、責任取って下さいね!ジェミ!!」



 アンリは、慌てて、


「お嬢様!!」



 其処で、ダンが、気を効かして、咳をしながら、


「コホン、えーと、ハル、『星の瞳(スタービュー)』の訓練は此処までにして、他にないのか?」



 僕も、慌てて、


「あっ、そうだね、ダン、例えば、『星の力』を、足に持って行くと、」


 ダンは、すっかり『星の力』が気に入って、僕の話しの途中で、


「足か、分かった、ハル!」


「えっ、ちょっと待って、ダン」



 バーン



 ドッシャン!ガラガラガラゴロン!!



 ダンは、5メータ先の地面にめり込んでいた、



「あぁ、やっちゃった、」



 オルが、びっくりして、


「ハル!一体、何が起きたんだ?」



 ダンが顔中、泥だらけにして立ち上がった、



 僕は、首を振りながら、


「ダンは、足がもつれて転んだんだ。」



 全員が、びっくりして、


 オルは呆れながら、


「転んだって言うより、大地に飛び込んだって感じだぞ」



「だから、注意して、『星の瞳(スタービュー)』を発動してから、実効するように言うつもりだったんだけど、」



 ジェミが、不思議そうに、


「『星の瞳(スタービュー)』と何の関係が有るの、ハル」



 僕は、ジェミに向かって、


「『星の瞳(スタービュー)』を使わないと力のコントロールが出来ないんだ、僕も、結構、あんな状態になった。」



 エミリアは、びっくりして、


「えっ!あんな風に、地面にめり込んで、ハル、大丈夫だったの?」



 僕は、考えながら、


「うん、不思議と怪我はしなかった。」



 其処で、初めて、師匠が口を挟んできた、


「当たり前だ、ハル、『星導術』は『星導術』の使い手に危機が起きると『星の保護(スターガード)』が無意識に発動する、だから、ハルが、今まで怪我をしなかったのは、絶えず、『星導術』が、ハルを守っていたからだ。」



 僕は、驚いた、


 僕が、怪我しなかった理由を知って、


「まぁ、正確には、『スター』だけどな、」 


 

 星が、僕を守っている、


 

「そうだったんですか、だから、全然痛く無かったんだ。」


 ダンが、仮設水栓で、顔を洗った後、話しに加わってきた、



 師匠は、ちょっと怖い顔して、


「ダンバード・グラスタ、だからと言って、『星の保護(スターガード)』は万能じゃ無い、『星導術』は、天界の巨大な『星の力』を使う術だ、もっと、注意して使うように!!」


 師匠は、ダンに厳しく注意し、


 ダンは、素直に、師匠に謝った、



 ふぅ、


 僕は、ため息を付きながら、


『星導術』の、講義を、進め、



 その後は、リアを除いた、皆が、『星導術』を使って、ゆっくりと歩く練習をする事で、




 その日の、放課後自主講座フォールドコーゼは終わった。

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