星に愛されし民
魔導歴2035年4月16日の磁曜日、スグルの世界で言う、木曜日、俺が此の世界に来て25日、
俺は、再び、『星の遺跡』に繋がる、『星の門』を開き、その『星の遺跡』でダンバード・グラスタが率いる、C組のメンバが、魔導格闘技大会で勝利する為に、魔導格闘技の練習を始めた、
結果は、散々で、彼等の実力では、『星の遺跡』の魔虫を処理する事は、出来なかった、
俺も、メルティスト先生も、やはり、魔導格闘技の専門の先生が必要な事を実感したのだが、
直ぐに、該当する先生の心当たりも無く、取り合えず、俺は、ハルに、『星の力』で武器を作る方法を教えた。
ハルは、俺の教えから、『星のナイフ』を作る事が出来た、
処が、俺とハルの話しを聞いていた、ジェミオ・バレットスが、試しに、自分もやってみっかと思い、
真似したら、彼は、『星の指環』を作る事が出来た、と俺に言った。
ええええええ!
俺は、驚いた、
彼は、『星に愛されし子供』じゃ無い、それなのに、何故、『星具』を作る事が出来るんだ!
此の、『星の遺跡』の力か?
此の、『星の力の訓練所』の力か?
ジェミは、右手の『星の指環』を見ながら、
「此れは、武器じゃ無いみたいですよ、スグルさん、・・・えい!」
ジェミが、空中に、手を差し込むような、動作をした時、
えっ?
ジェミを見ていた、全員が、
「ほぇ!」
「えっ!」
「まぁ!」
「・・・」
「おぃ!」
「あっ!」
驚いていた、
ジェミの手が空中に消えた、
俺は、遥か昔の事を思い出した、かって、天皇星の大賢者が持っていた、星の秘蔵庫、
彼は、今のジェミのように、良く、空中に手を出し入れしては、いろんな物を出し入れしていた、
彼が、昔、俺に教えてくれたのは、『星の門』も、『星の秘蔵庫』も、同じ、『星の穴』だと、言っていた、
前者は、二つの穴が繋がっていて、後者は閉じているんだとか、
当時の俺は、その考え方が良く理解出来なかった。
穴の世界には、時間が存在しないと言う事も、
俺は、簡単にジェミに、その事を説明し、
「へぇ、『星の秘蔵庫』かぁ、凄い、一体、何れくらい入るんだろう?」
ジェミは、嬉しそうだった。
其を見ていた、ダンが、俺に近寄って、
「スグルさん、もしかして、俺達も、其、スグルさんが言う、『星導術』って言うの、出来るんじゃないんですか!」
・・・出来るのか?
だが、彼等の体から、『星の力』が感じられ無い、
其なのに、ジェミは、『星具』を作る事が出来た、
何故だ?
たぶん、天皇星の大賢者なら、分かる筈だ、
だが、俺は彼じゃ無い、事実を受け入れるだけだ、俺は、彼に簡単に言った、
「やって、みるか、ダン、」
ダンは、意を決した表情で、
「はい、!!!」
俺は、彼に言った、心の奥深く有る力を探せ、そして、その力を使って、自分の本能が望物を、形にしろと、
数分と言う、時間が過ぎ、
彼の両手には、
此れは、
『月下の秘剣』
かって、ルーナに見せて貰った、持ち手の力量により、その姿、力が、大きく変わる、月の星大国の秘宝!!
俺は、愕然とした、
その、秘剣は、まだ、刃が無い、新月の状態だが、満月の大剣となった時、山をも、切ると言われていた。
刃の無い、柄だけの剣を見て、ガッカリしているダンに、今の事を俺は説明した、
横で、メルティスト先生が、俺を睨んでいたが、首を振って、何も言わなかった。
次は、オルダス・ホールス、彼も、俺の指導のもと、『星具』に挑戦し、彼が手にしたのは、
『水星の片眼鏡』
かって、『七人の星の使途』の一人、『水星の狩人』が、使っていた『星具』、一度、彼が、『水星の片眼鏡』を装着した時、
見えない物を、見る事が出来、彼の手には、我々には見えない、水の投げ矢が握られ、その投げ矢は、彼の力が増せば増す程に、弓から大弓へと進化した事を覚えている、
彼は、それらの全てが、『水星の片眼鏡』の力だと、俺に言っていた。
オルは、早速、眼鏡を掛けてみた、確かに、遠く迄、見る事が出来るようで、右手を見ると投げ矢を持っていると、彼は言い、
俺は、じゃあ、投げてみろと言ったら、
直ぐに彼は実行し、投げる動作をして、十メータ先の、魔虫を狙ったらしく、
ヒューン!!!
音と共に、オルの右手から、水鉄砲のような水線が走って、
プチ!!!
あっ!・・・潰れた!
オルがゆっくりと、左手を開けると、手の中には、魔石があった。
「やったな!オル、流石、オルだ!!」
ダンが嬉しそうに、オルの肩を叩いて、いた。
俺の、横にいる、メルティスト先生が、俺に、
「スグル!私が、鑑定をしても、あれが、『星の六大国』の遺物ってこと迄は、分かる、でも、どう言う機能があって、どう言う使われ方をするか迄は、分からない!」
俺は、彼女の方を、見た、
「何故、知ってる!あの未知の遺物の品を!スグル!!」
先生の疑問は、もっともだ、だから、俺は答える、
「先生、はっきり言って、俺も、驚いています、今、ハル以外の三人が手にしている道具は、俺の国の魔導術である、『星導術』で作られた道具じゃ無いんです。」
先生は、驚いて、
「其って、どう言う意味なの、スグル!」
俺は、喜んでる、ジェミ、ダン、オルを見ながら、
「先生、あれは、かって、俺の国を救った、伝説の七人の英雄が持っていた、『星より渡される道具』です。」
先生は、瞳を見開き、
「伝説の七人・・・『星より渡される道具』!」
先生は、それ以上、俺に質問をする事は無かった、
ただ、次に試した、コーネリア・ロンディーヌ嬢には、何も現れなかった、
彼女は、その事を気にしている様子も無く、
そして、次にアンリー・スウィート嬢が、試した時、彼女の手には、
狼の牙のような、双剣を手にしていた、
全員が、驚き、
俺は、その瞬間、確かに、狼の幻影を見た。
俺は、此の、双剣を知らない、しかし、アンリは此の双剣を知っているようで、
「お嬢様、此れは!!」
リアは、笑顔を浮かべて、
「良かったわね、アンリ、其は、貴女の物よ、その双剣が貴女の元に現れた事は、その武器が貴女を認めたって事なのかしらね、クスッ」
そう言う、会話をして、何か、皆を納得させてしまった。
その時、メルティスト先生が、俺が双剣を見ても驚かないので、
「スグル、貴方は、本当に何も知らないのね、」
えっ、何を?
先生は語る、
「魔導歴の始まりの時代、魔素の発見者であり、魔導の始祖ゲルニスト・オーデルが、世界に魔素の素晴らしさを説いて回った、その時必ず、双剣を持つ従者がいた事を、」
先生は魔導歴の時代の事を俺が知らないので、俺に説明し始めた、
「その従者の双剣のデザインは、狼の牙に似ていた、と言われているのよ。」
狼の牙って、
「じゃ、先生、あれは、」
先生は、首を縦に振りながら、
「そう、私の、『鑑定』の魔導術は、あの双剣が二千年前の物で、その名前は『星狼の双剣』と教えてくれているの、スグル、貴方は信じる、此の話し、」
魔導歴の時代の事を、俺は知らないから、信じる事は簡単だ、だから、俺は先生に、
「まぁ、専門家の先生が言うんだから、あの双剣は、本物って事なんでしょ。」
先生は、ため息を付きながら、
「はぁ、本当にバカなスグル、本物なら、その価値は、一億RG以上の価値があるって事なの、」
えっ?
ええええええええ!
すっげえ、ビックリした。
最後に、試したのは、エミリア・ドルネッサ嬢、
彼女が、手にしたのは、
星時計盤ウルテサイマー!!!
我が盟友、土星の時魔士の、『星より渡される道具』!
勿論、土星の時魔士が持っていた物よりも、杖頭の時計は小さく、五分しか表示されて無かった。
もう、此処まで来ると、俺は、驚かなかった、エミちゃんには、時を五分進めるか、戻せるんだよ、って説明したら、目を真ん丸にして、驚いていた。
メルティスト先生が、
「もう、時間よ、戻りましょう、」
と、俺に帰還を促し、
俺は、バックから、サンドイッチを取り出し、
「先生、まずは、腹拵えしなくちゃ、元気が出ません!」
先生、何、此のデブってな顔したので、
「ちゃーんと、皆の分も有りますよ。」
って言ったら、皆、嬉しそうな顔して、特に、ハルが、
「助かります、師匠、もう、お腹が空いて、空いて、」
結局、俺達は『星の遺跡』で、座りながら、俺が作ったベーコンのサンドイッチを、美味しそうに食べた。
俺と、ハルは二個、他の人は、一個ずつ、エミちゃんはベーコンに、すっごーく興味を持って、俺は、エミちゃんに薫製の蘊蓄をいろいろ教えて上げて、
元気になった、俺は、再び、『星の門』を開き、
俺達は、学校に帰還した、
彼等が、今日、手にした、『星具』は、『星の遺跡』から出ても消える事無く、
もし、これらが、本当に、彼等の『星具』なら、自分の体に仕舞える筈だと、俺は思い、
彼等に、隠すように、してみて、と言ったら、
彼等の『星具』は消えた。
彼等は、『星具』の出し入れをして、『星具』が、自分の物で有る事を、何回も確認した。
ダンとは、次の放課後自主講座は、明後日、4月18日の雷曜日に開催する事を決めた。
そして、その夜、俺は、満天の夜空の星々に話し掛ける、
今日の星達は、何か、嬉しいのか、何時もより饒舌だった、
俺は、星に聞く、彼等は、何故、『星より渡される道具』を、手にしたのかと、
星は、嬉しそうに答えた、
『星』『愛され』『し民』『し民』『星』『愛され』『愛され』『星』『し民』『星』『愛され』『星』『し民』『愛され』『し民』『愛され』『愛され』『『星』『し民』『星』『し民』『愛され』『『星』『し民』『星』『星』『星』『し民』『愛され』
『星』『愛され』『し民』『し民』『星』『愛され』『愛され』『星』『し民』『星』『愛され』『星』『し民』『愛され』『し民』『愛され』『愛され』『『星』『し民』『星』『し民』『愛され』『『星』『し民』『星』『星』『星』『し民』『愛され』
・・・
『星に愛されし民』!!!
・・・
星に、運命を託された人々
俺は、叫んでいた!
「お前達は、子供達に、一体、何をさせる気だ!!!」
星は語る、
『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、『行ク』、
行くって?
一体、何処へ、行けって言うんだ?
『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、
『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、『先』、
・・・
その先、
遺跡の、
その先!
その先、