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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
運命と使命編
64/136

前夜

「えっ、発掘品ですか?」


 ダン君が驚いている、


「そう、発掘品、つまり遺物、但し、発掘と言っても、土の中に埋まっている品を探せって事じゃ無く、もし、何か変わってる物が落ちてたら、拾ってって事、」


 オル君が、考えながら、


「其は、先生の研究の為ですか?」


 メルティスト先生は、笑いながら、


「其もあるけど、貴方達の活動資金でもあるのよ。」


 全員が、口を揃えて、


「活動資金!!!」


 俺も、驚いた、活動資金って、・・・この講座コーゼって、資金がいるの?




 俺は、とある事情から、ダンバード・グラスタをリーダとする、ツェ組の7人に『星の遺跡』へ通じる『何処どこでも扉』をける約束をした。


 約束は、守らなくちゃいけない、


 其処で、俺は、魔導考古学の教師、メルティスト先生を巻き込んで、放課後自主講座フォールドコーゼを開設する事にした、


 此で、彼等の活動は、学校が正式に許可した活動になる、


 そして、その、講座コーゼの名前は、



 『星に愛されし民(スタラブルラディ)



 その意味は、星に運命を託された人々、


 此は、世界が俺に対して、皮肉を言っているのか、


 俺は、その名前に唖然とした、


 先生は、俺の気持ちに関係無く、話しを続けて、彼女は、生徒達に、発掘品を探す協力をしてくれと言った。


 彼女は、その理由を、研究と、講座コーゼの活動資金だと、説明し、


 更に、メルティスト先生は、


「考えてもみてよ、貴方達、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセって、最後には公都に行くんでしょ、その旅費や、滞在費はどうするの、この学校からは出ないわよ、親に頼るの?」



 ・・・考えて無かった、



 ダン君が、苦しそうに、


「其は、働いて、」



 メルティスト先生は、首を振りながら、


「放課後練習して、他は、働く、貴方、じゃあ、勉強は何時いつするの?そんなの、許可出来るわけ、ないじゃない!」



 メ、メルティスト先生がマトモな事、言ってる!!



「ねぇ、スグル、ちょっと、失礼な事、考えてない、」


 先生は、俺が驚いた、顔をしたんで、俺の考えた事に気付いたようだ、


「いや、ちょっと、先生が先生ぽい事、言うから、」


 何時も、俺の事、バカバカ、言うし、



「あのねぇー、私も一応、教師よ、だいたい、スグルは、なんで、この学校の先生達が、放課後自主講座フォールドコーゼを開かないか、知ってんの!」


 メルティスト先生、少し、怒ってる、俺は誤魔化すように、



「めんどくさいから?」



 先生、更に、怒って、



「スグル!貴方、本当にバカ!!」



 俺は、慌てて、

 

「違うの?」


 先生は、首を振りながら、


「違うわよ!! 良い、東の辺境の田舎者のスグル君!君は、この国の教育制度が特殊な事を、知ってますか!!!」


 先生が、完全に怒った!!!


「・・・先生、済みません、何が、特殊か知りません。」


 先生は、やっぱりって顔で、


「じゃ、逆に聞くけど、スグルの国は、誰でも、お金を払わなくても、教育を受ける事が出来るの?」


 俺は、スグルの世界の事を思い出し、


「確か・・・義務教育って、9年間は、お金を払わなくても、教育を受けられた、んだが、」


 そう言えば、確かに、この国は特殊だ、


「義務教育でも金を払わない学校は、公立って言って、其とは別に、金を払って行く、私立って言う学校もあった。」


 正確には、更に、塾ってのもあった、


 先生は、その仕組みを理解しているようで、


「ねぇ、スグル、そのお金を払って行く学校の生徒は、たぶん、親が、その資金を出す事が出来るわけだから、貧乏な家庭って事じゃないわよね、」


 そうだ、義務教育の小、中学生の生徒が、借金して迄、私学には行かない、貧乏人には無理だ。



 ・・・そう言う事か、



「気が付いたようね、この国の子供達の進路は、その子達の才能によって決まるの、子供達にも親にも選択権は無いし、裏を返せば、全ての階層の子供達が等しく教育を受けてるのよ。」


 つまり、この学校には、金持ちも、貧乏人もいる、


「世の中、何かをする事は、必ず、お金が掛かるの、放課後自主講座フォールドコーゼも同じ、教材、資料代、どっか行けば、交通費、きりがないのよ、」



 確かに、そうだ、



 先生は、話しを続ける、


「そうなると、其が出来る子供達だけが集まり、そうじゃ無い子供達は、諦めるか、ダン君のように、無理するでしょ、だから、先生達は、夏季自主講座サァルドコーゼを優先して、放課後自主講座フォールドコーゼは開催しないようにしてる、」



 そうだったのか、



「教育の不平等は、この国の教育理念に反するでしょ、だから、先生達は、ちゃんと子供達の事を考えて、そう言う事にしたの、分かった、スグル!」


 俺は、素直に、メルティスト先生に謝った。



 皆が、メルティスト先生の説明に納得していた時、ジェミオ・バレットスが、魔石アウル・オーダを見ながら、


「じゃ、メルティスト先生、この、魔石アウル・オーダを売るってのは?」


 先生は、首を振りながら、


「其って、ただの、魔鉱石マーテルよ、価値は無いわ、」



 えっ!



 この、魔石アウル・オーダって、魔鉱石マーテルなの、


 魔鉱石マーテルって、『魔神のアカ石(グゥストゥタァ)』だよね、


 じゃ、『魔神のアカ石(グゥストゥタァ)』に、『星の力』が入ってるって事、



 そんな事が、可能なのか?



 出来るとしたら、


 天皇星の大賢者(ウラノスター)が考えて、金星の錬金士(アフロスター)にやらせたって事、



 ジェミは、納得した顔で、


「へぇ、此れ、石ころ(マーテル)なんだ、先生が、()()したなら、間違いないね、」


 

 「鑑定!!!」



 ジェミオと俺以外の全員が驚いた。


 俺は、何、其って感じ、



 『鑑定の魔導術』



 此れは、後で、知ったんだが、 『鑑定の魔導術』は、物の本質を知る魔導術で、『』、『ライ』、『コウ』、の3つの魔導術を合成して出来る魔導術であり、かなりの高度な技術らしい、出来る人も少なく、


 ようは、スグルの世界のスキャナーと計測器を合わせたような魔導術なんだとか、



 メルティスト先生は、目を細目て、


「ふーん、確か、君、ジェミオ・バレットス君よね、君は、私が、『鑑定』の魔導術を使える事を、知ってんだ。」


 ジェミは、ちょっと、含羞はにかみながら、


「知ってますよ、だって、先生、先生の世界じゃ、先生は、有名人じゃないですか。」



 おぃ、ジェミ!


 また、お前!


 一体、なんなんだ!!


 その、先生の世界って!!!


 魔導考古学界の事か?



 だいたい、俺が、こんな約束して、大変な事になったのも、ジェミ、お前の所為せいだ!



 まぁ、八つ当たりだけどね、



 しかし、俺は驚いた、見かけは、ぱっとしない、なんか、ハルの引き立て役、または、一般大衆モブなのに、


 なんか、此処って時に、


 ジェミオは、ズバッと、情報、出して来る!


 俺は、彼の事を、低く見すぎていたのか?




 もしかして、コイツ、とんでもない奴だったとか、


 リアちゃんも、ちょっと熱い視線を送ってる気が、


 ・・・いゃ、気のせいだな、


 先生も、誤魔化すように、


「兎に角、発掘品は、私が鑑定するし、売っても良い物なら、貴方達の活動資金に還元します、忘れないでね。」


 と、場を締めくくった。


 後、リアちゃんが、俺にも、魔導防護服アウルプロセルを勧めてきたが、俺は、キッパリと、断った。



 そして、ダン君と話し合い、放課後自主講座フォールドコーゼの開始日を、明後日あさって、16日の磁曜日ジィョルヤに決め、


 その日は、其で、解散となった。




 早速、次の日、ロートス社から、メルティスト先生宛に、魔導防護服アウルプロセルが、届いたのだが、


 先生は、夏季自主講座サァルドコーゼについて、学長と最終の打ち合わせで忙しく、


 どんな、魔導防護服アウルプロセルなのか確認してないらしい、


 更に、先生は放課後自主講座フォールドコーゼの活動が楽しみらしく、


 明日は仕事にならない可能性があるから、今日中に加筆、修正して、教魔省に提出すると言っていた。


 

 たぶん、今日も、先生は、徹夜だ。


 先生を、放課後自主講座フォールドコーゼに誘って、良かったんだろうか、



 俺は、ちょっぴり、心配になった。



 明日は、もう一度、『星の門(スターゲート)』を開く、前回は、俺の『星の力』が切れたので、自然に閉じた、


 今回は、行き、帰り、2回開く必要が有る、


 今の俺には、ちょっと大変、


 ケティちゃんの『星の門(スターゲート)』を閉じれば、更に、常時発動している『星隠し(ダークスター)』を止めれば、軽く、余裕なんだが、


 勿論、そう言う訳にはいかない、



 幾ら収穫しても、次の日には、沢山のを付けている、パンの木(デゥ)から、『星に祝福されし穀物(スタラブルフー)』を、今日は多目に採集して、


 明日の、御弁当の準備をする事にした、まぁ、俺一人、食べるわけいかないから、9人分、必要なわけで、



 考えてみると、けっこうな量だ、



 ・・・うーん、やっぱ、料理用魔導機、買うか、



 俺は、放課後、あのガチムチの魔導機屋に行った。


 最初に、行ったのが、3月24日、今日は4月16日、まだ一月はたって無い、


 なのに、何か、すっーごーく、懐かしい、あの時は、店の名前も知らなかった、今は、エルさんから聞いて知っている、


 確か、此方の言葉で、


 ブータレゲール、


 スグルの世界の言葉で訳すと、『お洒落亭』って意味らしい、


 まじ、笑いそうになった。


 あの、店主で、『お洒落亭』って、


 俺は、ウソ!!!って思ったし、


 エルさんが、最初に、ブータレゲールって言ったから、店主見た時、店主の名前だと思って、つい、


 俺の事、ブーたないでね! ゲーらないでね!って思った、



 まぁ、つまらない、洒落だ。



 あの店主の名前は、


 ミゲール・トレコロフ


 って言うらしい、



 相変わらず店の格好は古い道具屋か、古物商のようで、店先や、店の中にはガラクタのような物で、溢れ返っていた。


 俺が、店に入ると、俺以外、誰もいないし、


 この店、儲かってんのか、と心配になる、


 カウンタの上に置かれている、円柱の筒が光って、奥から、


「いれえっしぇ、何の御用で、」


 と、野太い声のミゲールが、何時もの軍人さん刈り(ガンドゥト)に、筋骨隆々の体で出てきた、


「いやぁ、ミゲールさん、お久しぶりです。」


 一応、年上だから、敬語で丁寧にが、俺のモット。


 ミゲールは、体付きとは、反対に愛想よく、


「こりゃ、スグルの旦那じゃねぇか、今日は、何のご用で?」


「うん、ちょっとね、料理用の魔導機を買おうと思って、」


 「料理ですか?」


 って、ミゲールは、あんた、食べるだけの人でしょ、その体付き、ってな事言ってるような、とっても

失礼な顔をした、


 ミゲール、俺は喰う専じゃあ、無いのだよ、ちゃんと、自分で作るんだからね、


 って、心の中で、反論した。



 しかし、俺が思っているより、ミゲールは、俺に丁寧に、料理用の魔導機の事を説明してくれた。


 プロとして、料理を作る人は、魔導術を使える人が多いので、そんなに複雑な料理の魔導機を必要としないんだとか、


 確かに、エミちゃんは、器用に魔導術を使って料理を作ってた。


 需要は、やっぱり、家庭用で、魔導術を使わない人達、そう言う人達は、安い魔導機を、大きな魔導機販売店で買うそうだ、


 つまり、此方の世界でも、スグルの世界と同じように、○○電機のような店は有る、


 実際、家庭用なら、パルトン本店でも売ってるらしい、


 そして、この店に、置いてあったのは、ちょっと大型の『魔導オーブンコンロ(アウルコゥル・デコ)』だった。


 勿論、業務用で、安宿パルドン

等、料理店じゃ無い店で、魔導術が使えない料理人が、簡単な料理を客に出す為の料理機具、


 上に、3つのコンロ、下に2つのオーブンがあり、特に、スグルの世界と違うのは、炎の魔導術の熱変換に対応している為、焼く、蒸す、煮る、冷す、凍らせる、の全てに対応している処だ、


 俺は、其を、すっーごーく気に入って、買う事にした、値段は、30万RG(リージェン)した、勿論、魔導本アウル・バーデで払った、


 遺跡で10万RGリージェン使ったので、俺の魔導本貯金は、460万RG(リージェン)になった、


 あと、飲食酒場レンドラで見た、ボルがあった、此れも、魔導機で、ボルに入れた物を暖めたり、冷す事が出来る、優れものだ、


 此のボル、欲しいって言ったら、ミゲールが、サービスだと言って、ボルを俺に呉れた。


 うーん、実に良い店だ、店主のミゲールも顔に、似合わず、サービス精神旺盛だし、


 更に、ミゲールは、俺と『魔導オーブンコンロ(アウルコゥル・デコ)』とボル魔導三輪車(モーグアルク)に載せて、俺の宿舎迄、運び、


 そして、魔導機、『魔導オーブンコンロ(アウルコゥル・デコ)』を設置してくれた。


挿絵(By みてみん)



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