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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
運命と使命編
62/136

遺跡からの帰還

 結局、俺が『星の門(スターゲート)』を開く為に必要な、魔虫アウル・バーズは十万匹で、それを狩るのに、十時間以上は掛かり、


 先生も、目を覚まして、上を下への大騒ぎを始め、絶対、此の遺跡を調べると言っている先生を、落ち着かせ、



 まずは、腹ごしらえ、となった。



 俺達は、俺が予備に取っといた、一個の弁当を二人で分けて食べる事にした。


 サンドイッチ(バンデゥタ)は、半分こ、バルセリアフライドチキン、俺が付けた名前な、は一本ずつ、


 飲み物は、俺が残しといた、一本を、二人で飲んだ、


 先生は、何故か、真っ赤な顔して、飲んでいた。


 メルティスト先生は、此処から、帰れるかどうかは、全然、心配はしていなかった、俺を信頼しているのか、廻りに遺跡が在って興奮しているのか、


 たぶん、両方だな、


 飯、食って、俺が荷物を担いで、


「さぁ、帰りましょ、先生」


 と、言った時、始めて、先生は俺の方を見て、


「どうやって帰るの、スグル」


 と、言ったんで、俺は、


「こうやって、」


 と、右手を水平に出し、


星の門よ!開け!!(スターゲートオープン)』と、唱えた瞬間、


 俺の右手の指先から、翠光りょっこうが広がり、


 その、翠光りょっこうは俺達が通れる大きさ、横90センチ、縦2メータで止まった。



 よし、此で、俺の寄宿舎と繋がった筈だ。


 先生は、目を真ん丸にして、口を開け放った状態で、ほうけていて、


 俺は、ほうけているメルティスト先生の手を握り、『星の門(スターゲート)』をくぐろうとした時、


「ちょ、ちょっと、待て!!スグル!!!」


 先生は、大騒ぎしていたが、俺は、全て無視して、先生と一緒に、『星の門(スターゲート)』をくぐった。


挿絵(By みてみん)


 くぐった先は、俺の宿舎の前の森、


 俺の目の前には、宿舎が有る、


 時刻は夕方っぽい、


 俺とメルティスト先生は、俺の宿舎の前に立っていて、


 先生は、唖然あぜんとして、俺の宿舎を見ている、


「師匠!」


「スグルさん!」


「クゥーン、」


 振り向くと、後ろに、ハル、エミ、ケティがいた、


「師匠、『何処どこでも扉』で、帰って来たんですね!」


 俺は、彼等を見て、嬉しくなったのか、自然と笑顔になり、


「あぁ、処で、ハル、今は、何日の何時なんだ?」


 ハル、ちょっと驚いて、


「えっ?はい、今は、4月13日の闇曜日デェョルヤで、17時です、もう、僕達、家に帰ろうと思って、」


 4月13日の闇曜日デェョルヤ、向こうで一日は過ごしたから日付はそんなに違わない、じゃ、向こうが、昼で此方が夕方なのは、時差か?


 エミも、俺を見て、安心したのか、嬉しそうに、


「その前に、スグルさんが、帰ってるかもしれないから、寄ろうってハルに、私が、すすめたんだから、」



 そうか、有難な、エミちゃん、



『寂シカッタデス』


 急な話しで、御免な、ケティ、


 ってな、感じで、再会を喜んでたら、



「せっ、せっ、説明しろ!!!!!スグル!!!!!!」



 と、正気に戻った、メルティスト先生が、癇癪を起こした。



 あっ、俺、先生の事、忘れてた、




 結局、俺は、前に先生にした、定番の、遥か辺境の東の国の話から、その国の魔導術、ハルと決めた、『星導術』の話しをし、その術の一つ、『何処どこでも扉』の説明迄、先生にする事になった、


 其を聞いた先生は、俺にバカ、バカ言いながら、そんなに簡単に帰れるなら、もっと遺跡を調べたかったと言い、


 俺は、


「其は、無理です、メルティスト先生、」


 先生は、えっ、ってな顔で、


「どうして?」


 俺は、先生に、今の俺の状態を説明する事にした、


「先生、俺の『星導術』は、凄く体力を使うんです、実は、あの遺跡でも、魔虫アウル・バーズに襲われないように、『星導術』を使ってました。」


 先生は、ビックリしていた、


 ハルが、


「師匠、それって、『星隠し(ダークスター)』ですか?」


 俺は、ハルの方を向いて、


「ああ、そうだ。」


 ハルは、納得して、


「じゃ、師匠、もしかして、腹ペコなんですか?」


 俺は、頷きながら、


「まぁ、腹ペコより酷い、飢餓状態、」


 此処で、メルティスト先生も、ようやく、俺の状態に気付き、俺が何故、早く帰りたかったか、理解して、一言、


「・・・御免なさい。」


 と、俺に謝った。


「と言う訳で、めしにするんだが・・・ハル、お前も食ってくか?」


 ハルがちょっと、僕も食べさせて、ってな顔してた、


「えっ、良いんですか、・・・でも」


 ハルはちらっとエミちゃんを見る、エミちゃんは仕方ないなぁ、って顔で、


「私は、構わないけど、ちゃんと、ハルが家に送ってくれるなら、」


 ハルは嬉しそうに、


「じゃ、師匠、御馳走になります!」


「よし、じゃ、ステーキで、」


 と、言い掛けた時、


 エミちゃんがいきなり、


「ちょっと待って!料理は、私がする、!」


 えっ、エミちゃんが?


「スグルさんは、パンの木実(デゥタ)を取って来て、」


 俺は、仕切る、エミちゃんに圧倒され、


「はい、」


 そして、横にいた、先生のお腹も、


 グウゥウウウ、


 俺は、先生の方を向いて、


「一緒にどうですか、先生」


 先生は真っ赤な顔で、頷いていた。




 エミちゃんは、コゥール・ドンを作ると俺達に言い、ハルと先生は、どんなのか知ってるから、喜んでいた、


 俺は、


黒い炭酸飲料(コーラ)がどん?」


 エミちゃんは、俺のボケに慣れたのか、


「見て、驚け、スグル!」


 と、笑いながら、一言。




 そして、俺はエミちゃんが作った料理に驚いた、此は、フランス料理の、



 ロティ・ロティール!!!



 つまり、オーブンで焼いた料理、


 オーブンで焼いた、『アルスパイナ』の肉の上には『星に祝福されし穀物(スタラブルフー)』の野菜が細かく刻んだ(タルタル)状態で添えて有り、全体に白いソースが上から掛かっている。



 勿論、俺の宿舎にはオーブンは無い、


 と言う事は、エミちゃんは、魔導術でオーブン料理を作った事になる、


 すっげえ!


 エミちゃんが、言うには、魔導術を使える人が、料理すると此くらいは出来ると言い、


 俺はハルに、本当なの、と聞くと、


 ハルは、自分は出来ないと首を振り、先生も、無理と言っていた、


 ハルが言うには、エミちゃんは昔から料理は上手だったらしい、


 確かに、出会った時の、エミちゃんが作った、サンドイッチ(バンデゥタ)も、旨かった。



 此のオーブン料理は、魔導術の『りき』で、見えない壁を作り、その中に熱を入れて、蒸し焼きにしたんだとか、


 だから、中まで、火が通って、熱々のジュウ、ジュウで、実に旨い!!!



 俺は、また一つ、生活をより楽しくする料理を知った、ハルは、魔導術を使えない人の為に、オーブンの魔導機が売ってる事も、俺に、教えてくれた。


 メルティスト先生も、小型のオーブン魔導機を持ってるんだとか。


 よし、俺も買おう、そう決意しながら、エミちゃんの料理を食べた。




 その日は、帰りが遅くなるので、食事が終わると、ハルもエミちゃんも、直ぐに帰った。


 メルティスト先生も、夏季自主講座サァルドコーゼの資料をまとめる為に、宿舎に帰って行った。


 先生は、自分が死にそうになったとは、思っていない、だから、まだ『星の遺跡』の研究の為の夏季自主講座サァルドコーゼは開催するつもりだ、


 勿論、先生は、その夏季自主講座サァルドコーゼに俺も参加する事で企画を変更すると言っていた、



 俺は、へいへい、と軽く答え、



 先生は、バァーか、と笑いながら言って帰って行った。




 その夜、『星の遺跡』に通じる『星の門(スターゲート)』を見ながら、俺は、考えていた。


 明日には、ダンが来て、この『星の門(スターゲート)』をくぐらせろ、と騒ぐ筈だ。


 たぶん、あの最新型の魔導防護服アウルプロセルを着用していたら、あの程度の『遺跡』に居る魔虫アウル・バーズに対して、安全な筈、


 問題無い、・・・と、思いたい。



 俺は、メルティスト先生の事で、弱きになっていた、生徒の安全性は最重要事項だ。



 彼等に、何かあったら、彼等に、もしもの事があったら、彼等には、親や兄弟、愛する家族がいる、



 俺とは、違う、



 しかし、ハルチカは、『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』だ、星は、彼に過酷な運命を強要する、


 その運命に耐えられるように、俺は彼を鍛えなくちゃならない、


 その運命に、他の六名を巻き込んで良いのか?



 駄目だ、関係ない人々を、『星託し定め(スターフェ)』に巻き込んではいけない、


 此は、俺とハルの問題だ、



 ・・・



 しかし、もし、



 彼等が、『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』だったら、



 話しは、変わってくる、



 一体、この世界に、何人の、『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』がいるんだ?



 確かめる必要がある、


 どうやって?



 俺は、ズボンのポケットから、10個の魔石アウル・オーダを取り出した、


 この、魔石アウル・オーダは、今、俺の体に星力として、吸収されないように『星隠し(ダークスター)』で包んでいる。


 此を、明日、彼等に渡した時、俺は、保護している『星隠し(ダークスター)』をはずす、


 その時、体に吸収されたなら、その生徒は、『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』だ。


 『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』は、ハルと一緒に、『星の遺跡』の最奥迄、連れて行く、



 じゃ無かったら、この階層の『星の遺跡』までだ、どっちみち、彼等は、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセが終われば、『星の遺跡』は関係無くなる。



 と言う事は、ハルと本格的に、この『星の遺跡』を攻略するのは、夏以降、早くて、夏季休暇の後半になる、



 まぁ、焦っても、しょうがない、



 俺は、そう、自分に納得させて、



 『星の門(スターゲート)』を離れた。



 全てを知っている星々(ほしぼし)は、俺には、何も語ってはくれない、




 只、星界で、美しく、瞬く、だけだった、




 美しく、

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