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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
運命と使命編
58/136

村長

 俺と、メルティスト先生は、


4月11日の雷曜日ラィョルヤ


 スグルの世界で言う、土曜日に、『星の遺跡』を視察する為に、『星の遺跡』のムーダコレステリラ行きの、魔導船バルガアーレに乗った。


 メルティスト先生は、夏季休暇に開催する、夏季自主講座サァルドコーゼの企画書を教魔省に来週中に提出する為、時間を惜しんで、この魔導船バルガアーレに乗っても仕事をしていた。


 先生は、結局、真夜中過ぎ、明け方近くまで、仕事をしていた。


 俺も、この船の不味いお茶を先生に出したりして、結局、真夜中まで付き合い、



 そして、船は予定通り、


 4月12日の光曜日コゥョルヤ


 朝の8時に、



 遺跡のムーダ


 コレステリラ


 に、着いた。


 

 

 コレステリラは回りが山に囲まれた山間部に有る村で、其処から、歩いて一時間程の場所に、『星の遺跡』が有る。


 

 コレステリラムーダについて先生が言うには、


 元々は、小さな村で、僅かな田畑を耕して生活している、閉鎖的な本当に貧乏な村だったらしいんだが、


 3月の終わり頃に、外から沢山の移住者が大勢来て、その移住者の中から村長ムーダ・パーダが選出されてから、


 村は、大きく変わったらしい。



 まず、村長ムーダ・パーダのした仕事は、ムーダに、魔導船発着場バルガアーダァドを作り、魔導船バルガアーレを運航させた事、


 此れは、先生にとっても良い事だった。


 更に、新しい村長ムーダ・パーダは、『星の遺跡』を、観光地として、宣伝し、その結果、多くの人が『星の遺跡』を見る為に、この村に来るようになったんだとか、



 成る程、今日は光曜日コゥョルヤ、此の国の休日、だから、あの魔導船バルガアーレにあんなに人が乗っていたのか。

 


 一応、先生はトンボ帰りする気だから、今日の夜、8時発の魔導船バルガアーレに乗るつもりでいる、


 其で、バルセリアに翌日の16時に着き、17時から取材した資料をまとめるんだとか、


 勿論、帰りの魔導船バルガアーレの中でも仕事はするそうで、



 俺は、マジに、此の先生を、凄いと思うようになっていた。


 俺の事を、バカバカ、言う事を除いては、



 しかし、スグルの世界でも、殆どの遺跡は観光地になっているから、遺跡を観光地にする事、自体は俺にとっては珍しく無い、しかし此の国では遺跡を観光地にする事は、あまり無いのか?


 何か、宗教的な理由が有るのか?


 俺は、メルティスト先生に、その事を聞いてみた、



 先生も、理由は分からないらしい、


 此の世界の遺跡は、殆どが『星の時代』の物で、其々の遺跡には必ず、閉鎖的な村が有り、彼等が『遺跡』を管理している、


 彼等は『守り人(ガールサディア)』と呼ばれ、けっして、よそ者を入れないのが普通だと、俺に教えてくれた。


 だから、何故、此の『星の遺跡』の『守り人(ガールサディア)』は、移民を許し、更に、『星の遺跡』を観光地にする事を許したのか、


 其を知りたくて、此の『星の遺跡』に来たんだそうだ、更に、その鍵を握っている、人物、村長ムーダ・パーダに話しを聞くため、


 彼と、遺跡のふもとで会う事になっていて、俺と先生は、魔導船バルガアーレから降りると、直ぐに、『星の遺跡』に向かい、


 俺と先生が、歩く事、一時間、『星の遺跡』に着いた時、



 村長ムーダ・パーダは約束通り、『遺跡』の手前で、俺達を待っていた。



 彼の名前は、


 コーネル・オリゴン


 と言った。


挿絵(By みてみん)


 彼は、歳は俺に近いと思う、此の国では、よく見る白髪を軍人さん刈り(ガンドゥト)にしていて、そして、珍しいサングラスを掛けている、


 彼は、目が悪いのか?


 彼は、俺達に手を差し出しながら


「え~と、先生ですよね、俺は此のムーダ村長ムーダ・パーダをやってる、コーネル・オリゴンって言いやす。」


 先生も、手を差し出し、


 握手しながら、


「バルセレイ魔導高等学校アウル・バ・ハウゼで、魔導考古学を教えている、メルティスト・ブーレンダです、宜しくお願いします。」


 彼は、俺を見ながら、


「で、此方こっちの方は、先生の彼氏、っすか?」


 先生は、真っ赤な顔して、


「ちっ、違います!彼は、内の、学校作業員ハウゼ・アルパで、スグル・オオエさんです!!」



「スグル?」


 ん?


 彼は、一瞬、俺の名前に、眉をひそめた、

 


 彼は、不思議な顔して、


学校作業員ハウゼ・アルパって?・・・すんません、先生、俺、訳あって、中学校ハウゼも、満足に行ってねぇから、学校の仕組み、良く分かんなくて。」


 先生は、ちょっとビックリして、


「彼は、此の地区の治安が悪いので、私の護衛に、一緒に来てくれた人です。」


 コーネルは、納得した顔で、


「あぁ、用心棒ですね、でも、先生、そいつの仕事はもう無いですよ、此処等辺をシマにしていた、山賊野郎達は、俺達が絞めましたから。」


 ?


 彼は、俺の事を、そいつと呼んだ、


 先生は、おそるおそる、


「あの、コーネルさん、しめる、ってどう言う意味なんですか?」


 コーネルは、ニヤリと笑いながら、


「ああ、カタギの人には、分かりませんね、絞め殺すって意味ですよ。」


 先生は、驚いて、


「殺したんですか!!」


 コーネルは、当然って顔で、


「当たり前でしょ、先生、奴等、山賊すっよ、散々、人殺したり、物、奪ってる奴等ですよ、確か、村長ムーダ・パーダには、じ、え~と、何とか権ってのが有るんでしょ。」


 先生は、引きながら、


「自衛防衛権ですね。」


 彼は、嬉しそうに、


「そう、それそれ、流石、先生だなぁ、難しい事を、良く知ってる。」



 何なんだ、彼は、



 気のせいか、彼の口調は少し乱暴で下品な気がする、何か、スグルの世界のヤがつく人みたいな、喋り方だ。


 こんな、下品な奴が何故、村長ムーダ・パーダになったんだ?



 俺達と、コーネルは、『星の遺跡』に向かい、


 先生も彼のような人物が村長ムーダ・パーダになった事が気になり、歩きながら、彼にその事を、聞いた。


「俺が、村長ムーダ・パーダになった理由わけですか、まぁ、俺が偉大な魔導士だからっすね、」



 えっ、こいつ、魔導士なの?



 先生も、ちょっと驚いていた、



「其に、金儲けも得意だしね、」


 彼は、笑っていた。



 先生は、言葉を選びながら、


「あの、コーネルさん、コーネルさんは魔導士なんですね、やはり、中級魔導士なんですか?」



 コーネルは、少し、恐い顔で、


 「嫌だなぁ、先生、俺りゃ、『超上級』の、魔導士っすよ、見くびらないで下さいね、先生」



 超上級?


 そんなの、あんのか?



 先生は、慌てて、


「すみません、コーネルさん、そう言えば、コーネルさんは、先住者に見えませんが、やはり、移住者なんですか?」


 コーネルは、機嫌を直して、


「そうすっよ、俺りゃ、都会的でしょ、こんな田舎者いなかもんじゃねぇ。」


 先生は、ちょっと安心して、


「じゃ、移住した理由も、『星の遺跡』と関係が有るんですか?」


 コーネルは、首を振りながら、


「無いっすよ、先生、あんな、汚いもん、」


 先生は、奴の、汚いって言葉にビックリしていた、


「じゃ、何故、」


 彼は、当然そうに、


「決まってるじゃ、ないっすか、『魔素エーテル』っすよ、此所ここは、『魔素エーテル』がすっーげえ、濃いんすよ、先生」



 えっ、『魔素エーテル』の濃さって分かるの?


 俺は、メルティスト先生に聞いてみた、


「普通の人には、分からない筈よ、スグル」


 奴は、笑いながら、


「そりゃ、そうっすよ、俺りゃ、超上級の魔導士っすよ、普通とは、訳が違う。」



 ・・・そんな、会話をしていると、俺達は、『星の遺跡』に着いた。


 『星の遺跡』は、石造りの家屋の廃墟群で構成されている都市の遺跡で、二千年前の『星の国』の都市の面影は全然、無かった。



 コーネルは、俺達に向かって、


「さて、此れから、中に入るのには、一人、1万RG(リージェン)っす、どうします?先生」


 先生は、ビックリして、


「お金取るんですか!」


 コーネルは、当然って顔で、


「当たり前っすよ、こっちは先生と違って商売だから、頂きまっすよ。」



 まぁ、観光地なら当然だし、スグルの世界では普通だったから、俺は驚かなかった。


 俺は、メルティスト先生に、


「先生、俺が立て替えましょうか?」


 先生は、黙って、首を縦に振った、



 ・・・先生、やっぱ、金、無いんですね。



 回りを見ると、お揃いのベージュのワンピースを着た、女の子達が、他の観光客の人達に黒い箱を持って、何か説明しながら、お金のやり取りをしていた。


 コーネルが、怒鳴った、


「おいっ!!レイ!!客だ!!此方に来い!!」


 レイと呼ばれた、少女は、ビクッとして、直ぐに、此方を見た後、自分の接客している人を、他の女の子に引き継いで、此方に来た、



 ・・・こう言うところが、こいつ、ヤが付く人っぽい。


 彼女は、紫が入った、長い髪をツインテールにしていて、その瞳は、赤い透明、


 気のせいか、彼女は、震えている、


 彼が、恐いのか?


 コーネルが、俺達に彼女を紹介した、


「こいつ、レイティシア・バリデュワ、前の村長ムーダ・パーダの娘で、一番、遺跡の事、知ってるす。」


 彼女は、おそるおそる、


「御客様?」


 コーネルは笑いながら、


「あぁ、そうだ、其も、俺とは無縁の、学校の先生様だ。」


 彼女は、明るい顔で、


「先生!」


 メルティスト先生も笑顔で、答える、


「バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼで、魔導考古学を教えている、メルティスト・ブーレンダ、宜しくね、レイティシアさん。」



 レイティシア嬢が、俺を見て、



「そちらは?」



「あぁ、俺は、同じく、バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼで、学校作業員ハウゼ・アルパをしている、スグル・オオエです。」



 彼女は、ビックリして、



学校作業員ハウゼ・アルパ!」



 何故、驚く?



「え~と、レイちゃん、って呼んでいい?」


 彼女は、少し嬉しそうに、


「はい!」



 コーネルは、にやついて、


「女の子には、随分、気安いんですねぇ、()()()()()



 ・・・どうやら、奴は、俺が、警戒している事に気付いているようだった。



 コーネルは、レイちゃんに指示をだした、


「じゃ、客人に、説明してやんな、レイ」


 レイちゃんは、俺達に説明を始めた、


「中の『遺跡』に入るのに、一人、1万RG(リージェン)、中には、『魔虫アウル・バーズ』がいる。」


 俺と先生は、驚いて、


魔虫アウル・バーズ!!」


 レイちゃんは、慣れているのか、


「大きさは、犬、程度、害は無いけど、ウザイ、追い払う為の武器は、5000RG(リージェン)、」


 彼女は、棒を、俺達に見せた、


 はっきり言って、只の、木の棒だよね、


「此の武器で、上手く、『魔虫アウル・バーズ』を退治出来れば、『魔石アウル・オーダ』が、手に入る、一個、500RG(リージェン)


 俺と先生は、再び、


「『魔石アウル・オーダ』!!」


 彼女は、手を開いて、キラキラ光る透明な赤い石を見せてくれた、


「色は、いろいろ、有る、皆、お土産で買う。」



 先生は唖然として、


「お土産・・・って」



 まんま、観光地、価格も、観光地単価、其に、何か、スグルの世界に良く有る安物のアトラクションぽい、


 レイちゃんが、話しを続ける、


「あと、魔導防護服アウルプロセルの貸し出しもしてる、5万RG(リージェン)、ガイドは、一時間、3万RG(リージェン)、用心棒は、10万RG(リージェン)


 その時、コーネルが動いた、


「レイ、客人は、わざわざ、バルセリアからおで下さった、先生だ、レイ、お前が、案内しろ、ただで良い、」


 レイちゃん、驚いて、


「えっ!」


 コーネルは、俺の近くに来て、気安く、肩に手を置きながら、


「レイ、此の方は、ものすっげえ、強ぇえ、用心棒の方だ、()()()に案内してやれ、勿論、俺も行く、」



 レイちゃんは、驚いて、


「まさか!」



「そうだよ、アソコだ、お前達が恐れている、彼処あそこだ!」


 と、コーネルは笑いながら、言った。




 ・・・



 で、彼処あそこって、



 何処どこ


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