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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
運命と使命編
51/136

集いし仲間

「星導術?」


「そうなんだよ、エミ、僕はスグルさんから、『星導術』を学ぶ事にしたんだ!」


 エミちゃんは、胡散臭うさんくそそうに俺を見て、


「スグルさん!人が良いハルを、変な事に巻き込んでない?」


 エミちゃん、


 俺を、メチャクチャ疑ってるよ、


「大丈夫だって、エミちゃん、只、ちょっと高価な壺を、ハル君に買って貰うだけだって、ウヒヒヒヒ、」


 ハルの友達の、ジェミオが、


「スグルさん、その冗談ヤバイって!!」


「えっ?」


 エミちゃんは、真っ赤に怒った顔で、


「スグルさん!!!!」


 その後、俺は、エミちゃんにさんざん怒られ、横で、ジェミオが、エミは、ハルの事になると、冗談が通じないと、俺に言っていた、


 ・・・早く言ってよ!






 俺は、結局、彼等を俺の宿舎に招き入れた。


 彼等は、試合が終わり、戻って来ないハルを心配して、俺の所に、探しに来たんだそうだ、


 ハルも、俺も、『星導術』に夢中になっていて、すっかり、彼等の事を忘れていた。


 エミちゃんが、心配して、一体、何してたのって、ハルに詰め寄るから、ハルも、俺の正体以外の事をれ、然々(しかじか)とエミちゃんに説明したら、


 最初の展開になって、


 冗談、冗談と説明するのに、30分が経過してしまった。


 俺は、真面目まじめに、


「大丈夫だよ、エミちゃん、俺は、ハルに、正しい『星導術』の使い方を、毎日、放課後、一、二時間、教えるだけだって。」


 エミちゃんを、何とか説得したんだが、


「じゃ、スグルさん!私にも、その『星導術』って奴、教えて!」


 えっ!


 コーネリア嬢も、興味深く、


「あのー、私にも、その『星導術』を教えて頂けませんか。」


 ええええ!


 無理だって!


 君達、


 『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』じゃねぇし、


「スグルさん、僕には、その『星導術』の理論を教えて欲しい。」


 と、秀才のオルダンス・ホールス、


 理論なんてねぇよ!


「皆、聞いてくれ、団体戦の出場が決まっている僕らには、そんな『星導術』とかで、遊んでいる余裕は無い!」


 と、クラスリーダのダンバード・グラスタが助け船、


 まぁ、遊びじゃねぇけど、



「そう言えば、試合どうなったの?」


 ハルが、ハルの友達、ジェミオ事、ジェミに聞いている。


「そうか、ハルは知らないんだっけ、一位は『皇帝』、ガルホール・スターゲス、二位は同じく組の『冷姫れいひ』、フェルデシア・フレーガン、三位も、組の『光王こうおう』、カーストル・グランドール


 ・・・何、その中二的な、二つ名!


 ちょっと格好いいけど、言ってて、恥ずかしくないのか?



 ハルは、ちょっと寂しそうに、


「そうか、ガルが優勝したのか・・・」


 ジェミが、気を使って、ハルの肩を叩きながら、


「ハル、君は頑張ってたって、奴に一発食らわしたんだし、気さえ失わなければ、ガルに勝ってたって!」


 コーネリア嬢も、優しく、


「そうですよ、ハルさん、あの試合は、ハルさんの勝ちです。」


「でも、負けは、負けよ、ハル、良いんじゃない、ハルは其で、満足してんでしょ。」


 きびしい、エミちゃんは、ハルを励まさない、しかし、エミちゃんが、一番、ハル君の気持ちを理解しているようだ、ハルも、笑顔を、エミちゃんに向けて、


「まぁね、あまり、勝ち負けは気にしてないし、あれが、今の僕の限界だし、」


「じゃ、その限界を、クラスの為に上げてくれ、ハル君、」


「えっ?」


 ダンバード、ことダン君が、ハルに説明を始めた、


「私はね、団体戦のチームメンバは、此のチームが良いと思っているんだよ。」


 皆がビックリしている、


「例えば、チームのメンバの男女比は、4対3、もしくは、3対4のどちらかだから、ピッタリだし、」


 ダン君は、コーネリア嬢とエミちゃんを見ながら、


「女子は、友達だし、気心が知れている、其に、今回は、実力をわざと出さなかったようだけど、リア、アンリ、君達は、たぶん、ガルより強いんだろう。」


 えっ、そうなの、俺は、ビックリしたが、直ぐに、コーネリア嬢こと、リアちゃんが否定した、


「済みません、たぶん、アンリは、格闘術は、得意だと思いますけど、私は、闘うのは苦手で、」


 ダン君は、頷きながら、


「でも、団体戦なら、魔導術が上級のリアなら、守り手だけでも、充分な戦力になる、其に、」


 ダン君は、ハルの方を向いて、


「今回の大会で、『皇帝』、ガルに一撃を入れる事が出来たのは、ハル君だけだ、実際、私達は、君が『皇帝』を殺すんじゃないかと思ったぐらい、凄かった、だから、」


 ダン君が、言葉を止め、ハルが、


「でも、僕はガルに負けた、」


 ダン君は、笑いながら、


「分かってる、だから、地区予選が始まる、二ヶ月間、頑張ろうと言っている、そして、君が、キィオとして、チームを比っ張るんだ!ハル!!」


 俺は驚いた、此のイケメン、随分、人間が出来ている、


 彼は、ハルの重要性を理解して、重要な役を敢えて、自分では引き受けないように宣言している。


「勿論、君をサポートする為に、私も、ジェミオ、オルダンスも出る!」


「えっ、僕も!」とジェミ、


「断る!」とオル、


 ダンは、オルに向かって、


「ダメだ、オル、君の冷静な判断力と、分析力は、狙撃手として必要だ、絶対に出てくれ!!」


 オル君が、不満そうに、


「其は、友達としての言葉か、其とも、クラスリーダとしての意見、どっちなんだ。」

 

 また、ダン君は笑いながら、


「両方だ、頼む、オル、私には、君が必要だ。」



 なんだ、此の、格好いい会話は、イケメン二人が、絵になる会話してやがる、


 結局、オル君も、説得されて、団体戦のメンバに成った。



 

「師匠、どうしたら、良いんでしょうか?」


 ハルが、俺に聞いてきた。


「ん、良いんじゃねぇの、そのキィオで、出りゃ。」


 ハルが、不安そうに、


「でも、また、あんな事があったら、」


「その為に俺がいるし、その為の『星導術』だろ、大丈夫だ、二ヶ月ありゃ、ハルなら、力をもっと使いこなせると、俺は、思ってる。」


 ハルは嬉そうに、


「師匠!分かりました、僕、やってみます!!」


 もし、此れが、『星の導き』なら、ハルが、その大会に出る事は、()()()()()事だし、


 エミちゃんが、むくれて、


「何か、その関係ずるい!ハルばっかりズルイ!!やっばり、私にも教えて!スグルさん!!」


 エミちゃんが、だだっ子になり、俺は、キッバリと、


「エミちゃんには、無理!!!」


 と、断言して、また大騒ぎ、


 やれやれ、




 ゴトン!


 あっ、三つの口に焼けたカモシカちゃんをくわえたケティちゃんが、狩りから戻って来た!



「えええっ!」


「きゃあああ!!」


「わあああっ!」


「!!!」


「・・・!!!」


「うぉおぃ!」


「えっあっ!」



 まぁ、彼女を見れば、皆、驚くよなぁ、


『失礼デス』


 うん、可愛いからね、


 俺は、ケティを撫でながら、


「皆、聞いてくれ、彼女は、俺の同居人で、名前はケティちゃんだ、一応、女性だから、まぁ、宜しくな。」


 ハルが、驚いて、


「そっ、そうなんですか、凄い!師匠は、『魔導獣』の知り合いもいるんですね!」


「まぁね、ひょんな事から知り合った。」


 俺は、気無げなく、皆にケティを紹介したんだが、皆の様子が、今一、穏やかじゃない、


 その内、リア嬢が、


「スグルさん、あの、失礼ですが、ポワジューレでは、『魔導獣』を、私的に飼う事は禁止されています、この国では、違うのですか?」



 えっ!


 そうなの?



 ダンが、直ぐに答えた、


「いや、我が国でも、禁止されている、理由は、危険過ぎる事と、貴重種だから、スグルさんは異国の人だから、知らなかったんだ、リア」



 オルが、更に説明する、


「一応、研究目的なら、飼育可能ですけど、『魔導省』の許可が必要ですし、許可は、相当な飼育実績が無いと降りないと思いますよ。」


 エミちゃんが、済まなさそうに、


「スグルさん、その、私達、もし、国が管理していない、『魔導獣』を見付けたら、『魔導省』に報告する義務が有るの、だから、」



 エミちゃんは、最後迄、言わなかった、


 けど、俺は、エミちゃんの言ってる言葉の意味を理解していた、


 つまり、『魔導獣』を、ケティを、()()()()()()()、義務が有る事を、



 なる程、


 そう言う事か、


 ケティ、君は、どっかの研究機関から逃げて来たの?



『・・・』



 まぁ、良いよ、言いたくなかったら、



 さてと、どうするかだ、


 まぁ、結論は出てる、


「皆、聞いてくれ、実は、ケティは、この国の『魔導獣』じゃない、」


 皆は、えってな顔をした、


「見てくれ、あれが、彼女の故郷の出入口の門、『何処どこでも扉』だ!」


 俺は、庭に有る『星の門(スターゲート)』を指差しながら、


 皆に『星の門(スターゲート)』を見えるようにした、瞬間、


挿絵(By みてみん)


「ほぇ!」


「えっ!」


「わっ!」


「まぁ!」


「・・・」


「おぃ!」


「あっ!」



 まぁ、ハル意外は、驚き方が同じだし、さぁてと、説明、説明、



「あれは、『星導術』により作られた、何処どこにでも行く事が出来る、扉!」


「つまり、『何処どこでも扉』だ!」


 説明にスグルの世界の有名な、漫画のアイテムを借りた、


 ハルは嬉そうに、


「凄いです、師匠、其って、僕にもその『何処どこでも扉』って言う、『星導術』出来ますか!!」


「出来るとも、千年修行したらな、」


「ええ、それは出来ないって事じゃないですか!」



 まぁ、そうとも、言うな、

 


 俺は、話しを戻した、



「兎に角、彼女には知性が有るから、俺があの扉で、彼女の国に行った時、知り合って、遊びに来てくれている、それだけだ、だから心配する事は何もない。」


 さぁ、ケティ、『星の門(スターゲート)』を、行って戻ってきてくれ、



 このデモンストレーションが、皆の気持ちをやわらげ、


 更に、ジェミが、ケティが持ってきた、カモシカもどきを見て、


「スグルさん、此れって、『アルスパイナ』だよね!」


 エミちゃんが、不思議そうに、


「歩くスパナー?」


 エミちゃん、其、俺がするボケだから、


 オル君も、


「ジェミ、君も気付いたか、確かに、此れは、『暗黒大陸』に生息していると言われている『アルスパイナ』だ。」


 ジェミを除いた全員が同時に、


「暗黒大陸!!!」


 暗黒大陸?


 何、それ?


 俺は、ハルに聞いた、


 ハルが言うには、この大陸の遥か西に有り、大陸全体が切り立つ断崖絶壁におおわれ、更に、空は、魔導雲の嵐で、魔導船も近付く事が出来ない、未開の大陸なんだとか、


 えっ、


 じゃ、俺の、『星の門(スターゲート)』って、そんな危ない場所と繋がってたの!


 大丈夫なの、ケティ、


『大丈夫』


 そうなんだ、でも、そうなると、彼等、自分達も、其処に行きたいって言うよなぁ、


 ジェミが、


「ねぇ、スグルさん、此の、『何処どこでも扉』って、僕達も通れるんですか?」


 ほら、聞いてきたよ、好奇心旺盛だな、


「ダメだ、此の扉は、ケティ専門の扉だから、君達には、使えない。」


 次にオル君が、考えながら、


「じゃ、例えば、僕達用の扉を作って頂くとかは?」


 俺は、首を振りながら、


「無理だ、此の扉は、偶然、ケティの故郷と繋がった扉だ、二度と作れない。」


 全員が、ガッカリした顔をしている。


 勿論、此の話しは、嘘だ、一度繋がった場所なら、何時でも、『星の門(スターゲート)』は開けるし、彼等を通す事も可能だ、でも、そう言ったら、彼等は、絶対に『星の門(スターゲート)』で、『暗黒大陸』に行きたがる。


 今の俺は、一応、此の学校の職員だし、生徒である彼等を危険な事に巻き込む訳にはいかない。


 だから、俺は、嘘を付き、


 彼等は、全員、ガッカリした顔をした。


 いや、一人を除いてか、


 ジェミは、直ぐに、


「じゃ、スグルさん、その、焼けた『アルスパイナ』の肉をちょっと、食べさせてくれるのは、どう。」


 ん?


「何でも、『暗黒大陸』に行った冒険家が言うには、『アルスパイナ』の肉は、珍味で、美味しいらしいんだけど。」


 えっ、そうなの?


 まぁ、確かに、美味しかったけど、旨さなら、上級牛肉バ・モウの方が上だと思うんだが、


 オル君が、


「ジェミ、其は、何処どこの情報なんだい?」


 ジェミ君は、笑いながら、


「『オスマン・コーゼスの暗黒大陸見聞録』、2百年前の古書さ。」


「なる程、其じゃ、僕は分からない訳だ。」


 てなやり取りを、二人が始めて、他の生徒達は、期待している瞳で俺を見ている。


 しゃねぇなぁ、


「分かった、分かった、その肉は、ケティが食べる肉だし、血抜きしない肉は、生臭くて旨くない、ちゃんと血抜きして、熟成している肉が倉庫に有るから、その肉を君達に御馳走しよう!」


 その瞬間、


 ワアアアアアアアアアア!!!


 ・・・


 君達、お腹空いてたのね。


 まあ、仕方ないか、今日は、沢山、魔導術を使ったし、育ち盛りだから、




 こうして、その日の、俺の宿舎は、2年(ツェ)組、ハルの友達達ともだちたちと、焼肉パーティで、大いに盛り上がった。




 勿論、俺が作っている、野菜やパンの木実(デゥタ)も御馳走した。


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