表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
魔導高校編
50/136

師弟関係

「僕は、僕は、・・・此れから・・・どうしたら、・・どうしたら良いんですか!」


 俺は、星が、ハル君に力を授けた理由を話し、


 そして、ハル君は、俺の話しを信じる事に決め、此れから、何をしたら良いか、俺に聞いてきた。



 で、俺としては、



 ・・・さてと、どうしたら良いんだ、


 はっきり言って、俺もどうしたら良いか分からない。


 だいたい、俺は人に物を教えた事が無い、幾多の、『力無き世界』で死んで、また何度も生まれ変わって、いろんな職に就いてきたけど、教師だけは、やった事は無かった。


 其に、俺は何時も、何かと闘ってたし、結果、負けてばっかだったけど、頭、使って勝つなんてのも無かったし、あまり、頭、良くないから、人に教えるのは苦手なんだよなぁ。



 まぁ、適当にやっかな。



「あのー、スグルさん?」



 俺が、黙っているので、ハル君が心配し始めた。



「コホン、じゃ、明日ね、明日から、特訓、始めっか。」



「えっ!特訓?」



 ん?


 ここ、驚くとこ?



「えーと、普通、此の流れだと、ハル君は俺の特訓を受けて、成長するんじゃないのか?」



「えっ、そうなんですか?」



 いや、スグルの世界の少年漫画の定番は、だいたいそうだし、



 あっ、その前に、こう言う時は、だいたい、流派とか、流儀とか、格好いい名前があったよなぁ、


「なぁ、ハル君、毎回、『星の力』って言うのも、何か、変だし、俺とハル君とで、名前を決めよう。」


 ハル君が、ちょっと興味を持ったようだ。


「うーん、力の名前ですね、『魔導術』は一般的ですから、其にちなんで、『星導術』、ってのはどうでしょう。」


 えっ、『星導術』!


 ちょっと、格好、良くねぇ!!


 『星導術』かぁ、良いねぇ。


「じゃ、ハル君。明日から、『星導術』の特訓だ!」



「はい、スグルさん!」


 ・・・


「ハル君、其処は、『はい、師匠!』だろ。」



「・・・スグルさん、『師匠』って何ですか?」



 うん、師匠って言っても知る分けねぇよなぁ。


 まぁ、普通はそうだよ異世界だし、あっ、そう言えば、俺が普通にしている事を、其らしく、教えれば良いんじゃねぇの?



「なぁ、ハル君、『星波せいは』を指先に出して、俺に見せてくれないか。」


 また、ハル君が不思議そうに、


星波せいは?」


「あぁ、『星の光』の事、此も、毎回、『星の光』って言ってたら、長いから、『星波せいは』って呼ぶ事に決めた、格好悪いか?」


 ハル君は、嬉そうに、


「いえ、格好いいです、そうか、『星波せいは』か、なんだか、凄く、其らしくなって来ましたね、スグルさん、」


 俺も、ちょっと嬉しくなって、


「そっ、そうだろ、そうだろ、技に、名前付くと格好かっちょいいんだよ!」


 スグルの世界の少年漫画も、だいたい、カメ○○波とか波○法とか、結構、波って使うし、後、ガンとか、羅○丸とか、いけねぇ、楽しくなってきた!



 うん、何か、形になってきた、



 あと、スグルさんって呼び方はダメだ、ムードが台無しだ。


「其とな、さっきの続き、お互いの呼び方な、俺は、ハル君の先生だから、君は、俺の事、『師匠』って呼ぶの、で俺は、君の事、ハルって呼ぶから、良い、分かった。」


 ハルも、理解して、


「はい、分かりました、師匠!!」



 ・・・なんか、良くねぇ!


 良いよ、良いよ、この感じ!!


 俺、師匠って呼ばれてるよ!


 まぁ、男の子にだけどね、


 スグルの世界の漫画やアニメ、ゲームだと、ここは、だいたい、美少女を育成して、



「・・・師匠?」



いけねぇ、いけねぇ、煩悩退散、煩悩退散!


「コホン、じゃ、最初から、ハル、右手の人指し指に『星波せいは』出して見て、」


「はい!師匠!!」


 うん、元気があって宜しい。


 ハル君は、右手を上げて、人指し指を、ほんの僅か、翠光りょくこうに光らせた。


「うん、良いよ、良いよ、じゃ、もっと、光らせて、」


「えっ、もっとですか!」


「そうだよ、出来んだろ?」


「まぁ、出来ますけど、」


「やって、やって、ぱっと、派手に!」


「えっ、派手にですか、」


「そう、派手に!明るく!!」


「はい!」


挿絵(By みてみん)


「おっ、良いねぇ!良いねぇ、ってハル?」


 ドサッ!!


「えっ、ハル、ハル!なんで倒れたたの?なんで??」


 ハルは、口を動かす事は、出来るようで、



「師匠、・・・あまり、星波せいはを使い過ぎると・・・僕、・・・動け無くなっちゃうんです。」



 えっ!そうなの!!



 俺は、慌てて、ハルに『星に祝福されし穀物(スタラブルフー)』で作った、お茶を飲ませた。


 暫くすると、動けるようになったハルは、俺に事情を詳しく説明した、


 ハルが、あのショボイ星の力を使えるのは、だいたい5分、其も、一日、三回が限度なんだとか、



 ・・・



 一体、どう言う事だ?


 かっての『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』だったら、『星の慶事(スターコメット)』をけた段階で、『星の力』を半日ぐらいは余裕で使えた筈なんだが?


 其も、だいたいが、小学校デ・ハウゼだった。


 高校生パールバウゼのハルだったら余裕だと思っていたんだけど、


 何が、原因なんだ?



 ・・・



 考えられる事は、


「なぁ、ハル、此は、俺の友達で、すっげぇ頭が良かった、天皇星の大賢者(ウラノスター)って奴が、言ってた事なんだが、」


 俺は、彼が言ってた事を思い出しながら、


「『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』には、『星の力』を体に取り込む為の『ホール』、まぁ、穴みたいなもんだな、が有るんだそうだ」


 ハル君は、真剣に俺の話しを聞き出した。



「『ホール』ですか?」


「そっ、『星の扉(スターホール)』、で、『星に愛されし子供(スタラブルチャー)』になった時、普通で、三扉が開くと言ってた。」


 ハルは、不思議そうに、


「三扉ですか?」


「ああ、お腹当たりにある、『地星の星扉(アーススターホール)』、右の胸当たりの『右星の扉(ライトスターホール)』、左の胸当たりに有るのが、『左星の扉(レフトスターホール)』、此を三扉と呼ぶらしい。」


 ハルは、自分の体を触って、


「そんなの、有る気がしませんけど、師匠?」


 俺は、首を振りながら、


「自分じゃ、わからねぇよ、此は、あくまでも、天皇星の大賢者(ウラノスター)の仮説だ、」


 俺は、話しを続けた、


「でな、彼が言うには、俺くらいになると、更に、胸の中央の、『空星の星扉(スカイスターホール)』、そして、額に有る、『天星の星扉(オールスターホール)』まで、開いているから、俺はとてつもない、力を使う事が出来る、其が彼の仮説」


 ハルは不思議そうに、


「其で、僕は、どうなんでしょう、師匠」


 俺は、考えながら、


「俺が思うに、ハルは、たぶん、最低限の『地星の星扉(アーススターホール)』しか開いてねぇんじゃないの?」


 ハルが、直ぐに、


「仮に、僕がその、『地星の星扉(アーススターホール)』しか開いてなかったとしても、師匠なら、残りの僕の『扉』を、開ける事は可能なんでしょ。」


 いや、ダメなんだよ、ハル、


「そのな、ハル、ほら、まさか、こんな事になるって、思って無いじゃん、だから、当時の俺は、何、アホな事、言ってんだと天皇星の大賢者(ウラノスター)の事、思っていたから、此の話しを真剣に聞いて無かった。」


 ハルは、まさかってな顔で、


「と、言うことは、」


「つまりな、」


「つまり?」


「俺なぁ、彼から、『扉』の開け方聞いてねぇし、だから、俺は、ハルの、その、『星の扉(スターホール)』の開け方、知らねぇんだよ。」


「えっ!」


「まぁ、そう言う事だ、ハル」


 ハルは、ちょっと怒って、


「駄目じゃないっすか!師匠!!」



 ハルは、俺を呆れたような目で見た、


 やばい、俺の師匠としての威厳が危機、


 まぁしゃねぇ、此も、本当の事、ハルに言ってみっか、


 俺は、『星の扉(スターホール)』について、もう少し、説明する事にした、


「なぁ、ハル、俺が知らなかったのは、良い事だったんだと思うよ。」



「はぁ?」



 ハルが、何、言ってんのって表情してる、


「俺が何故、此の事を覚えていたのかは、当時、俺に憧れて無理した奴らが、『星の力』を喪った事件が起きてな、」



 ハルは、驚いて、


「えっ、『星の力』って失われるんですか?」



「ああ、其の事件を調べていたのが天皇星の大賢者(ウラノスター)なんだ、其で、俺も彼に協力して、彼は『星の扉(スターホール)』を発見した。」


「で、『星の力』を喪った奴等の共通点が、『星の扉(スターホール)』の『扉』を、禁断の『星の力』、まぁ、星導術だな、其を使って、無理にじ開けようとしたからなんだ、其が原因で、『扉』が破壊されて、『星の力』を喪ったらしい。」



 ハルは、愕然とした、顔で、


「ほ、本当なんですか!師匠!!」



 俺は頷きながら、


「こんな話しに、嘘、言ってもしょうが無いだろ、当時、簡単に強くなる禁断の『星導術』が流行ったんだ、」


「俺は毎日、何万回、『星剣』を振るだけで、強くなったからその『星導術』に興味無かったけど、たぶん、興味があっても、」


 俺は、ハルにはっきりと言った。


天皇星の大賢者(ウラノスター)は、俺には必要無かったから俺には教えなかった筈だし、彼が、その方法を他の奴に教えたとも聞いて無い、」


「其にな、ハル、例え、『扉』を開ける方法を知っていたとしても、ハルには教えない!」


 「えっ!」


 ハルは、ビックリしてる。


 俺は、ハルに、俺の考えを話す、その考えが、古くて、時代遅れでも、


「なぁ、ハル、力ってもんは、簡単に手に入る力は、色んな意味で危険なんだと思うよ、しかし、自分が努力して、手に入れた力は、絶対、本物だ。」


「俺が思うに、ハルの『星の扉(スターホール)』が『地星の星扉(アーススターホール)』しか開いてないのは、何か意味が有る事だと思うし、其を無視して、無理矢理()じ開ける事って良い事とは、思えねぇなぁ、」


 ハルは、再び、俺を尊敬する瞳で、俺を見ている、


「だから、たぶん、ハルも、俺に及ばなくても、ハルが、ハルなりに努力すれば、その時、自然に、『扉』が、開くんじゃねぇの、ハル」


 と、励ましてるのか、自分の自慢してるのか、分からない内容で、此の話しを、俺は、打ち切った。



「じゃ、最初からな、右手の人指し指に、『星波せいは』を出して、今度は、針の先位で良いから。」


 ハルは元気良く、


「はい!」


 本当に、針の先程の光が灯り、


「どう、調子は?」


 ハルは、


「はい、大丈夫です!」


 と、元気良く返事、


「そうか、まぁ、無理すんなよ。」


「はい!」



 ・・・此なら、大丈夫か、


「じゃ、星波せいはを出しながら、その光を隠してみるんだ。」


 ハルは、驚いて、


「えっ、光を隠すんですか?」


 俺は、はっきりと、ハルに言った、


「そうだ、光を隠すんだ!」


 ハルは、暫く試行錯誤して、少しづつコツをつかんだのか、指先の光は徐々に暗くなり、やがて完全に消えた。


 「どうだ、ハル、感じは?」


 ハルは、額に汗を浮かべながら、


星波せいはを使う量は、僅かですけど、何か凄く、重く感じるんですけど、」


 良し、俺の狙い通りだ、


 俺は、ニヤケながら、


「そうだ、ハル、其で、良いんだ、其が、星波せいはを隠す技、『星隠し(ダークスター)』だ!」


 ハルは、嬉そうに、


「『星隠し(ダークスター)』!」


 うん、子供が、一つ、知識を得て喜んでる感じだ。


「其で、ハル、其の状態を、今日は一時間、明日は二時間、と一日、一時間ずつ増やして、最終的に二十四時間、出来るようにするんだ。」


「分かりました!」


 後、忠告だ、


「但し、無理だけはするな!出来ないと思ったら、直ぐに中止するんだ!大切な事は、自分自身、分かったな!」


「はい!」


 ってな感じで、



 俺と、ハルチカは、



 美しい師弟関係で、


 

 結ばれた!



 言っとくけど、



 師弟関係な!






 てな、おとぼけを二人でしていると、外が騒がしくなってきて、俺は『星の瞳(スタービュー)』で、騒がしい外を、見た。




「此処等辺よ!絶対、此処等辺にるはず!!」


 ん?ありゃ、エミちゃんの声?


「エミ、此処は、僕達もさんざん、探したけど、見付からなかった場所だよ?」


「ジェミ!其の時はスグルさんが貴方達に会いたくないから、魔導術で姿、隠してたのよ!」


 エミちゃんが、ちょっと怒りぎみ、


るんでしょ!スグルさん!!返事しなさいよ!!!」


 マジ、エミちゃん怒ってる、


「あの、もっと、尊敬して呼ばれた方が宜しいかと、そのスグルさんと言う方、もしかして、偉大な方じゃないかしら、」


 おっ、確か、あれは、コーネリア嬢、良い事言うねぇ。


「偉大なんて、絶対ないわ、只の、変態大人よ!!」


 うん、どうも、エミちゃんとの、初対面の印象が悪すぎた。


「しかし、エミリアさんも、確かに心配するのは、分かる、ハルチカ君が一向に戻らないし。」


 うん、彼は、確か、ツェ組のクラスリーダ、ダンバード・グラスタ、


「確率的に、彼は、既に帰宅した可能性は無いのかい?エミリアさん。」


 あいつは、秀才だが、実技が下手で、有名な、オルダンス・ホールス。


 エミちゃんが、思いっきり、首を振りながら、


「絶対に無い!ハルが、私を置いて、一人で帰る事は無い!!約束したんだから!!!」


 コーネリア嬢が心配そうに、


「どう、アンリー、」


「確かに、エミリアさんが言ってるように、気配は二つ確認出来ます。」


 えっ!気配って、彼女、確かアンリー・スウィート嬢、俺とハルの事が分かるって、彼女は、スグルの世界で言う忍者か何か?


「そうでしょ!出てこい!!スグル!!」


 俺が、黙っているので、ハルが心配して、


「どうしたんです、スグルさん。」


「うん、どうやら、君の友達が、君を迎えに来た。」


 そう言いながら、俺は、『星隠し(ダークスター)』を広げ、


 彼等を、『星隠し(ダークスター)』の中に入れた、


 その瞬間、


「えっ!」


「わっ!」


「まぁ!」


「・・・」


「おぃ!」


「あっ!」



 全員が、突如、現れた、俺の宿舎に感動してくれた。




 まぁ、驚いたって事かな。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ