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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の子供達編
134/136

星の子供達

 ダンバード・グラスタは、『暗殺者』、バルド・レェーゲンダと対峙し、彼は、バルドと互角以上の実力で、バルドを圧倒していた、


 自分の不利を悟った、バルドは、『魔剣グゥスソー』の力で、10体の死瘴騎士団を呼んだ、


 その実力は、バルドに匹敵する10体、ダンバードは、無駄に動くと、自分が、彼等に殺される事を、瞬時に判断し、彼は動きを止めた、


 その様子を見た、バルドは、自身の勝利を確信し、



 笑った、



 その瞬間、



 スパッ!スパッ!スパッ!



 風が、疾風の如く、吹き上がった瞬間、



 死瘴騎士団の首が、空に舞い上がり、



 バガン!バガン!バガン!



 舞い上がった三体の首は、空で砕け散った。


 バルド・レェーゲンダは、何が起こったか理解が追い付かず、更に、


 スパッ!スパッ!スパッ!


 バガン!バガン!バガン!


 三体の首が、飛んで爆発した時、彼は、自分を凌駕する存在に気付き、直ぐに、自分の周りを、残り4体の、死瘴騎士団で固めた、


 その時、彼は、気付いた、自分が殺そうとした、あの銀髪の少女の前に、一人の少女が、彼女を守るように立っているのを、


 その者は、瞳を、輝かせ、その紫の髪は、光り、なびかせながら、両手には、獣の牙を思わせる、銀の双剣を握り、構えながら、毅然とした態度で立っていた。



 リディアは突如、現れた少女に驚き、彼女は、その少女に声を掛けた、


「貴女は!」


 少女は、無表情に、


「アンリー・スウィート、貴女の護衛、ルーナ殿下に頼まれた、」


 リディアは、驚き、


「姉様が!」






 バルドは、更に、片眼鏡を掛けた、黒い髪の若者が、右手をウォータブルーに輝かせながら、あの魔導省の上級魔道士のガキに近付いていくのを見た、


 奴等は、一体、何なんだ!!


 バルドは、混乱していた。






 オルダス・ホールスは、右足を切断され、泣きながら、転げ回っている、アルベスト・デューレエードに声を掛けた、


「大丈夫か、アル!」


 その時、初めて、アルベストは、オルダスの存在に気付き、かすれた声で、


「オルダス・・・先輩、」


 そして、気付く、彼も、また、ダンバードと同じオーラをまといながら、自分に近付いて来た事を、


 何なんだ、一体!!!


 自分は、自分は、選ばれた、エリートなんだ!


 彼は、わめいていた、


 オルダスは、そんな混乱している、アルベストに、同情しながらも、目は、あの得体の知れない、危険な、骸骨面を被った男を見ていた、





 バルドは、魔導省の小僧に近付いた、あの黒髪の男が、何者かを知る為、死瘴騎士団を、一体、奴に向かわせた、


 瞬間、


 ズバーンンン!!!


 奴に、3歩、向かっただけで、その死瘴騎士団の上半身は、吹き飛び、


 その、片眼鏡をした男は、ウォータブルーをかざした右手を此方こちらに向けていた。





 オルダスは、大声で言った、


「動くな!!動けば、お前を処理する、私達は、ルーナ殿下より、その権限を委譲されている!!!」


 そして、オルダスは、小声で、


「アル、リディア殿下を殺そうとした、奴は、一体、何者なんだ、」


 アルベストは、その静かな、そして落ち着いた、冷静な声を聞いて、自身も気持ちが、幾分か落ち着き、ようやく、声が出るようになったことに気付き、彼は慌てて、


「分からない!分からないんだ!奴は、奴は、僕をバレットス先輩か、って、もの凄い殺気で聞いてきて、其れで、リナ先輩が、」


 オルダスは、かすれた声で喋る、アルベストの言っている内容の意味が分からず、


「バレットス?ジェミのことか?リナ先輩って誰だ?」


 分からないと言われたアルベストだが、彼は、やはり同じ事を繰り返し、説明しようとするだけで、


 其れ以上の説明は、今のアルベストには無理だと理解したオルダスは、


「もう大丈夫だ、アル、奴は、私と、ダン、アンリで包囲した、其れに、」


 オルダスは、何を考えてるか分からない、今は、大人しくしている、骸骨面を被った、あの男を見ながら、


「もう直ぐ、ハルが此方に来る、そうしたら、奴は終わりだ、」



 アルベストは、驚愕し、言った、


「ハル?」


 その時、世界の星が、動いた!!!





 バルドは、考えていた、静かに、


 コイツ等は、厄介だ、今、此処で処分するべきかどうかを、


 死瘴騎士団は、あの男から10体、貰った、だが、自分は、『魔剣グゥスソー』を、『魔神グゥス』から頂いた、


 だから、今、自分は、500体の死瘴騎士団を召喚出来る事も、分かっていた、



 バルドは、考えていた、奴等は、確かに強い、だが、数では、たった三人、奴等の速さを圧倒する数の暴力で、一気に押し切れば、


 彼の、今迄の経験が、彼に答えていた、


 奴等を、殺せると、



 ならば、まずは、百体、



 バルドは、『魔剣グゥスソー』を、高くかざしたその時、



 天空がかすかに震えたその後、



 ズゥウウウウウウウウンン!!!



 大地が震え、星界が震えた!!!



 ズシン!!!



 彼は、戻って来た!!!



 此の、世界の運命を賭けた、負ける事を、許されない、戦いに勝つ為に!!!


 その男は、


 全身に、『星』のオーラをまとい、


 髪をなびかせ、その瞳は、透明なコールドブルー、



 バルド・レェーゲンダは、絶叫していた、



 そのオーラ!!



 その面影!!



 正しく、フレデリック・サィファ!!



 震える、バルドは、叫んだ!!


『奴!奴コソガ!!ジェミオ・バレットス!!!』


 バルドは、一気に、『魔剣グゥスソー』を振った!!!



 ズゥウウウウウウウウウウウウ!!!



 地より湧き上がるは、500体の、死瘴騎士団!!!


 その、恐怖の光景に、震えるリディアに、


「殿下!此方へ!!」


 彼女の横に、赤毛をツインテールでまとめた、自分と同い年に見える少女が、彼女の手を引っ張り、


 リディアは、驚いて、


「貴女は!!」


 手を引っ張る少女は、リディアを導くように、


「私、エミリア・ドルネッサ!殿下が此処にいたら、皆が戦えないって、だから、此方こっちへ!!」


 彼女は、引っ張られた、瞬間、


 世界は、変わる、


 世界は、神殿に囲まれた、遺跡、


「えっ、」


 彼女は、驚き、愕然として、


「ここは!!!」


「此処は、『星の遺跡・神殿』だ、リィディ、」


 その声は、優しい、ハスキーボイス、


 その人は、長いオンブレ・プラチナの金髪ブロンドへアなびかせ、気高く、上品な顔立ちと、優しく涼しげなコールドブルーの瞳を、此方こちらに向けて、


「ルーナ姉様!!!」


 その時、リィデリィア・ウェルドは、泣いていた。





「リィデリィア殿下も、助けてくれたんですね、ジェミ先輩、」


 ジェミオ・バレットスは、アルベスト・デューレエードを担いで、自ら作った、『何処どこでも扉』を潜った、


 500体の死瘴騎士団が現れた時、ジェミオは、オルダスの代わりに、アルベストを保護しようと、直ぐにオルダスのいる場所に向かった、アルベストは、急に現れたジェミオに驚いたが、彼と一緒に『星の遺跡・神殿』に移動した時は冷静で、


「もう、先輩達の奇跡に、僕は、驚きませんから、」


 と、一言、


 ジェミは、そんな状態のアルベストを、コーネリア・ロンディーヌの執事、エリンデゥナ・ウォルデュースに渡した、


「だいたい、先輩!先輩達は、可笑しいですよ!!何で、あんな化物!!相手、出来んだよ、僕は!僕は上級魔道士!うっ、」


 しかし、混乱しているアルベストは、騒いで、暴れようとし、エリンデゥナはアルベストに、『ライ』で強制的に失神させ、失神した彼を、かかえて宿泊用魔導四輪車(ルドン・モーグコルク)に連れて行った。



 ジェミは、そんなアルベストを見ながら、コーネリアに聞いた、


「彼の足、治せる、リア、」


 コーネリアは、首を振って、


「今の私には、無理、・・・たぶん・・大爺様なら、出来るかも知れないけど、もう、大爺様は、目を覚ますのは、三年先だと思う、」


 ジェミは、少し考えた後、


 聞きたい事も、敢えて、聞かず、


「そうか、取り敢えず、あの、戦いを、終わらせるのが、先だね、」


 そう言った後、彼は、『何処どこでも扉』の向こう側で、行われている、壮絶な戦いに、目を向け、


 更に、彼の目は、得体の知れない、骸骨ドクロ面を被った男が手にする、赤黒い禍々しき剣を、



魔剣グゥスソー』を、見ていた。





 戦いは、想像を超えていた、500体の、上級魔道士を超える、死瘴騎士団なら、幾ら超上級の奴等とて、かなう筈がない、バルドは、そう考えていた、


 事実、高速で襲いかかる、数十体の死瘴騎士団に、ダンバードは、アンリーは、部位破壊をする事は出来ても、致命的な破壊をする事は、出来ず、


 死瘴騎士団も、一部破壊されると、後方に戻り、復元してまた参戦する事を繰り返し、


 きりのない戦いを繰り広げていた、


 ダンバードと、アンリーの攻撃を回潜かいくぐった死瘴騎士団は、ハルチカに向かうが、オルダスの射撃に仕留められ、


 ハルチカ・コーデルに近付く事は、出来なかった。



 バルド・レェーゲンダは、その戦いを冷静に観察し、あの男が、かって、自分が戦い、敗北した、フレデリック・サィファと違う事に気付く、


 何故、あの男は、『スター』を落とさない?


 バルドは、気付く、


 あの男は、サィファじゃない、



 奴は、『スター』を落とせない!!!


 バルドが、その事に気付いた時、



 彼は再び、自らの勝利を、確信した、



 その時、



 ズダダダダダダダダダダダアアアンン!!



 50体の死瘴騎士団が粉となり、


 バルドは、驚愕する!


 更に、


 ピタッ!!!!!!!!!!!!


 30体の死瘴騎士団が、止まった瞬間、


 スバァアアアアアアアアアアンンン!


 その、全ての首が舞い上がり、


 ガガガガガガガガガガガガガァアアン!


 その全て首と、胴が砕け散った!



 何が起こった!!!



 バルドは急いで、ハルチカを見ると、その横に、赤毛が、燃えるように、光りなびいている、少女がいる事に気付く、


 その少女の手に持つ、つえ頭杖とうじょうの時計が光る瞬間、死瘴騎士団の動きが止まり、一気に破壊されている事に気付く、


 此れも、また、『スター』の力なのか!!!


 星は!星は!!何故、我等の邪魔をする!!!


 百五十年前の悲劇が、また、自分の目の前で再現されるのか!!!


 そう思うと彼は、魂の奥底から怒りが込上こみあがり、その怒りで、我を忘れ、叫んだ!



『ボルド!我ニ、チカラヲ貸セ!!』



『暗殺者』、バルド・レェーゲンダが、力を貸せと、命令したのは、かって、『心の皇帝』、ゲルト・サークルの左腕にして、


 人に禁断の『レン』を使い、巨人を錬成した狂乱の魔道士、


巨人創造主(ジャイアンメーカ)



 ボルド・ドーベンダ



 ボルドは地の底より語る、


『バルド、オ前ニ、三体の巨人(ジャイアン)ヲ貸ソウ、』


挿絵(By みてみん)


 その瞬間、バルセリアの東、バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの西の森に出現するは、三体の巨人、



 その姿は、やはり、巨大な骸骨!!!



 その時、ボルドは、顕現時に与えられた、『魔神様の吐息(グゥスォーレトゥハァ)』の大半を使い、バルドの為に、死者の巨人を彼のもとに、届けた、



 ああ、



 其れは、かっての仲間に対する、死して尚、残る彼への思い、


 だが、バルドは気に入らなかった、


『少ナイ!10体!!全テ、貸セ!!』


 ボルドは、悲しい声で言った、


『バルド、今ノ、オ前デハ無理ダ、操レナイ、』


 バルドは、宿敵、フレデリック・サィファの影に苛つき、恐怖していた、其れは、死しても、消える事の無い恐怖、


『ナラバ、スダルガ!魔獣ヲ貸セ!!』



 スダルガ・レードン



 かって、ゲルトの右腕と呼ばれた男、



『魔獣王スダルガ』



 魔獣使いの天才、



 魔獣しか愛せなかった男は、冷たく、



『ダメダ、』



 バルドは、虚空を睨み、そして、自分を落ち着かせた後、三体の巨人の戦いを見た、


 巨人は、戦艦に匹敵する『リキ』を発動し、見た目より、素早い動きで、あの、『星の子供』達を翻弄ほんろうしていた、


 バルドは、気付いた、あの赤毛の女すら、巨人の動きを止める事が出来ない事を、



 ならば、話は、簡単だ、今なら、奴等を殺せる、



 バルドは、再び、『魔剣グゥスソー』を振り、500体の死瘴騎士団を復活させた。





 ジュピーリーナ・グラシウスは、生きていた、あれ程の一撃を2回も受けて、自分が吹き飛ばされるだけで、死なずに、生きている事が、奇跡である事を、彼女は自覚していた、


 だが、生きているのと、身体を動かす事が出来るのは、別だ、今の彼女は、大量の出血と、たぶん、足、腕、肋骨の数本が折れているのだろう、激痛と力が入らない為、立ち上がる事が出来なかった、


 彼女は、ただ、見ている事しか出来なかった、


 あの魔人が、リィデリィア殿下を殺そうとした事も、その時、子供達が現れて、殿下を救った事も、



 彼女は、泣いていた、



 自分が、情けなくて、



 泣いていた、


「ちくしょう!力を!力を俺に貸せ!!」


 ジュピーリーナは、天空に輝く巨星に、手を差し出しながら、願った、


「頼む、俺に、俺に、力を、力を、・・・貸してくれ・・・!」


 泣きながら、願っていた、


『左ダ、』


 巨星は、答えた、


「左?」


 その時、ジュピーリーナは、初めて、自分のいる位置を、確認し、そして、言われるままに、左を見た時、


 其処に、有るのは、


魔の恵みの果木(アウルブレルタゥミィ)?」


 其れは、黄色と青い実が、光輝く、まるで、幻想の世界の植物のような、魔の恵みの果木(アウルブレルタゥミィ)


「此れは、」


太陽コーリン星に祝福されし果木(スタラブルタゥミィ)


太陽コーリン、・・・スグル、」


 ジュピーリーナは、何故か、守護星が語る太陽コーリンが、守護星の嫌いな、スグルの事のような気がした、




 その、嫌いなスグルが作った、星に祝福されし果木(スタラブルタゥミィ)を、守護星は



 その、感情を抑えて、俺に、



『喰エ、』



 と、言っている、


 ジュピーリーナは、光輝くその美しいタゥを一つもぎ取り、一口、噛じった瞬間、


 全身に、力がみなぎり、彼女は知った、


 スグルが、何故、此の果実を育てたのかを、


 此れは、まさしく、星に、祝福された果実、


星に祝福されし果木(スタラブルタゥミィ)』!!!


 ジュピーリーナ・グラシウスは、更に、むさぼるように、その果実を口にした、


 彼女は、初めて、自分が、巨大な星の力を受け止められる、それ程の力が、身体全体に津波の如く、自分の中で膨れ上がっている事を、自覚した。



 彼女はゆっくりと、立ち上がり、星界に輝く巨星を見上げる、


 その時、巨星もまた、知る、彼女が、かって自分が持っていた力の後継者として、その資格を得た事を!



『受ケ取レ!』


 ジュピリーナは、右手を星界にかざした、


 星界より落ちて来た、彼女自身の、『星具スタートゥ』を受け止める為に、



 ガシッ!!!!



 彼女は、の短い、ハルバートを!


 受け止めた、


 その瞬間、彼女は理解する、


 此れこそが、真の、



大星の雷土(たいせいのいかづち)』!!!



 名は、



大星の雷刃(ジュピオスライディン)』!!!




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