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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の子供達編
120/136

回想

 ズダァアアアアアンンンン!!


 ダンが『牛魔人』に10メータ吹き飛ばされ、


 ドッガアアアアアアンンン!!


 アンリは、『牛魔人』の猛攻を避けた瞬間に、高速に近付いた、別の『牛魔人』の蹴りを喰らい、20メータは、吹き飛ばされた、


 僕は、ハルに、


「ハル、撤退しよう、」


 3度目の撤退を進言し、ハルは、


「・・・ジェミ、分かった、」


 僕の言う事を聞いて、3度目の撤退をする事を決めた。


挿絵(By みてみん)




 僕の名前は、


 ジェミオ・バレットス


 友達は、僕の事を、ジェミと呼ぶ、


 趣味は、商売と投資、その為に情報が凄く大切だと思ってる、僕には、魔導の才能が無い、其に、ハルのお父さんのように、伝え守って行く職人の技も無い、


 商売は、才覚が有るか無いかだ、だから、僕の父さんは、凄い才覚が無かったから、あまり儲からない商売人で、僕が継ぐ会社も、店も財産も無い、


 そんな、父さんを僕は好きだし、尊敬している、其にいろんな事を教わった、だから、僕は小さい頃から、父さんのような商売人に成る事に憧れた、


 けど、僕にも、ほんの少し、魔導の才能があった為、僕はバルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼに進学し、そして二年生に進級した時、僕の運命は大きく変わった。



 まず、僕達、ツェ組にポワジューレ共和国から、二人の留学生が転入して来た、名前は、


 コーネリア・ロンディーヌ


 愛称は、リア、


 もう一人は、


 アンリー・スウィート


 愛称は、アンリ、


 二人の関係は、友達で、使用人の孫娘と、リア御嬢様の護衛、たぶん、


 だから、アンリは、武道が出来るし、身体能力が高い、その反面、魔導の才能は、僕達と同じ、あまり無い、だから、彼女は当然、ツェ組に転入した、


 しかし、リア御嬢様は、違う、彼女は生まれつきの魔導の天才で、家庭教師に、フォーダン・ラデコスタ先生を雇ってる、


 僕が、その事を知ったのは、彼女の家に行った時、その家も、彼女の留学の為に、学校の近くの大きな豪邸を使用人ごと買ったらしい、其処に先生がいたからで、先生は、僕に彼女が如何に、魔導の天才かを、長く話してくれた、


 先生の話は、長い、


 そんな、リア御嬢様だから、我儘で、本来、組なのに、友達いないから『嫌、』って言って、ツェ組に来てしまった。


 その事で、学校中が大騒ぎになるんだけど、彼女、美人だし、


 そんな事、許す、学校も、学校だ、彼女の家は、そうとうな金持で、何か裏取引したんじゃないの、って、僕は、思ってたんだけど、


 その事が、確信に変わったのは、


 僕達の学校で始めて開催された、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセにロートスグループの総帥、ベルスティ・ロートス、本人が態々(わざわざ)、うちの学校に来て、魔導防護服アウルプロセルを、プレゼントしてくれたこと、


 この事は、偶々(たまたま)の偶然なんてことは、考えられない、実はリアは、ロートス一族の一人で、学長が、彼女がツェ組に移籍する為の便宜をはかり、その御礼に、ロートスは僕達に最新の魔導防護服アウルプロセルを呉れた、


 僕は、そう考えた、



 つまり、



 彼女は、ロートス一族の人間だ、僕達とは、住む世界が違う、彼女は美人で、性格も良い、彼女の両親は、彼女と同等の魔導の才能の有る人を好きになって欲しいと思う筈だ、でないと、才能の無い子供が産まれて来る可能性が高くなり、家族が不幸になる、



 其が、世間だ、



 だから、彼女が好きになる人は、



 決して、魔導の才能の無い僕じゃ、ない、



 僕じゃ、ないんだ、



 僕は、そう、自分に言い聞かせた。



 そして、その魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセで、僕達、ツェ組に奇跡が起こり、僕達は、学校の代表に選ばれた、


 その大会で活躍した、僕の友達、ハルチカ・コーデル、彼と、クラスリーダ、ダンバード・グラスタの推薦で、僕も、クラスの代表として、地区大会に出る事になり、


 その他のメンバーは、ダンの友達でクラス一番の秀才、オルダス・ホールス、


 其に、リア、アンリ、ハルの幼馴染みで、恋人の、エミリア・ドルネッサの7人をダンは代表メンバーに指名した、


 僕達は、この7人で、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの全国大会を目指す事になった。



 その時の決起会みたいなパーティで、僕達は、スグルさんの『何処でも扉』と『魔導獣』のケティを知る、


 『魔導獣』のケティは、何時もスグルさんの為に『何処でも扉』を通って、暗黒大陸に行き、『アルスパイナ』と言う獣を狩って、その肉をスグルさんに届けていた、


 スグルさんは、その獣、『アルスパイナ』の『角』の価値を知らず、スグルさんの宿舎の前の森に捨てていた処を、僕は見つけ、その『角』をスグルさんから貰って、『ジェイ』と言う仮名で、『闇のオークション』に出品した、


 その『角』は、三千万RG(リージェン)で落札され、僕は一夜で大金を手に入れた。



 その大金を、僕は、鉱山開発会社ローランドに投資し、その事から、僕が『ジェイ』で有る事が、リアにばれたみたいで、


 其と、もう一人、三年の先輩、フェルシェール・レェーベン総代にもばれた。


 どうも、ローランドに投資するって事は、業界では奇人変人って事にならるらしく、僕は、凄い注目を浴びてしまったようで、僕の事を調べた大多数の人は、偶々(たまたま)大金を手にした高校生パールバウゼの気紛れって事で、終わったらしいんだけど、


 リアとフェルシェール先輩の二人は、僕が『ジェイ』であった事に、凄く興味を持ち、其れ以降、僕は、二人と良く話すようになり、


 結局、フェルシェール先輩とは、いろんな情報を取引するようになった。



 そんな事が有って、僕とリアの関係は、金持の留学生から、友達ぐらいの関係になったそんな気がして、僕は少し、リアとは距離を近付けても良いかな、そう思うようになってきたけど、


 そんな状態の僕達を見て、スグルさんは、僕とリアの関係の事を心配してくれて、僕に、もっとリアと親密になれる事を、色々とアドバイスしてくれたんだけど、でも、スグルさんは、僕達の世界の事、リアが何者かを知らない、住む世界が違うという事を知らないから、簡単に言える、


 世界は、そんなに、簡単じゃない、


 僕とリアの関係は、


 そう言う世界の話、


 僕は、スグルさんには、その事を言わなかった。



 そして、今年の、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの二年生の迷宮戦場ダンフィービの課題は、『星の遺跡』、


 学校での練習場は、三年生が独占するから、僕達は練習出来る場所が無い事が分かり、

 

 その為、スグルさんが、僕達を、スグルさんの『何処でも扉』の力で、本当の『星の遺跡』って場所に連れて行ってくれる事になった、


 その為、スグルさんは僕達の活動を放課後自主講座フォールドコーゼにして、顧問の先生として、魔導考古学のメルティスト・ブーレンダ先生を連れて来た。



 メルティスト先生は、その特技、『鑑定』で、『星の大国』の遺物を鑑定する、『鑑定士』の仕事もしていて、『闇のオークション』でも『鑑定士』として登録されている、オークションの世界では、有名な人だ、


 僕は、先生なら、もっといろんな物を鑑定出来る筈だし、学校の先生をして無くても、金持に成れる、そう思っていた、此は、後で、先生から聞いたんだけど、


 先生の、『鑑定』には、膨大な『魔素エーテル』を使い、その使用量の限界を越えると、自分自身の命の危険が有るので、だから、そう簡単に『鑑定』は、使えないんだそうだ、


 其れで、オークションの鑑定も、自分の専門の『星の遺跡』の遺物に限定している、そう、僕に教えてくれた。


 ブライさんが、その話を知った時、ブライさんは、必死に、先生に対して、そんな危険な事は止めてくれ、そう先生に言ったそうだ、


 先生は、笑いながら、仕事は、私の人生であり、生き甲斐だから無理とハッキリと言った、


 ブライさんは、そんな先生が、よけいに、好きになったと、僕に教えてくれた。


 素敵な話だ。



 僕達の放課後自主講座フォールドコーゼのチーム名は、古代語で、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』となった、そして、僕達は、スグルさんの『何処でも扉』により、『星の遺跡・草原』に行き、


 其処で、リアを除いた6人に、『星』から、『星より渡される道具(スターディトゥール)』、『星具スタートゥ』を貰った。


 僕の、『星具スタートゥ』は、『星の秘蔵庫(スタートレェチェ)』と呼ばれる、収納の『星具スタートゥ』で、此は、スグルさんが言うには、『何処でも扉』と同じ原理で、


 何でも、『星の世界』には、時間も空間も制止した、『黒い穴(ブラックホール)』と言うのが有って、その世界に保存されるらしい、


 で、スグルさんの『何処でも扉』は、入り口の『黒い穴(ブラックホール)』と出口の『白い穴(ホワイトホール)』が結ばれているから、瞬時に移動が出来ると教えてくれた、


 この、『星具スタートゥ』の前の持ち主は、スグルさんの友達で、偉大な人だったらしい、だから、僕が、此の、『星具スタートゥ』を、『星』から、貰った事は、スグルさんにとっては、気にいらなかったみたいだ、


 だけど、商人を目指す、僕には、この、『星の秘蔵庫(スタートレェチェ)』は、最高の宝、


 凄い『星』からの贈り物、


 だから、僕は、スグルさんの多少の不機嫌も、気にはならなかった。


 其れに、スグルさんは、あまり小さい事は気にしない人だし、僕とスグルさんの関係は、結局、変わらなかった。


星具スタートゥ』を手にした僕達は、明らかに強くなった、アンリは、元々、武術を会得していたから、『星具スタートゥ』の使い方にも慣れていて、其れに、刺激を受けた、ダンも、必死で、『星具スタートゥ』を使いこなそうと、努力し、


 その結果、僕達は、『星の遺跡・草原』を攻略して、『星の遺跡・密林』に進んだ。



『密林』で、頭角を現したのは、クラス一の秀才、オルダス・ホールスだった、


 彼は、スグルさんに変わって、僕達、チームの問題点を見つけ、其れを修正した戦略を組み立て、僕達にチームワークとは、何かを教えてくれた。


 そのチームワークで、僕達は『星の遺跡・密林』を攻略し、


 僕達は、スグルさんの『星導術』による、肉体の強化を覚え、使いこなせるようになり、


 此処に来て、ようやく、僕達は、魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの地区大会の学校代表として、恥ずかしく無い試合が出来る、


 そう言う、自信が、僕達に、僕達チームに、生まれた。



 しかし、学校は、僕達の事を知らない、僕達が何処で必死に練習しているかを知らない、


 だから、皆、疑心暗鬼になり、怒った3年の組の人達は、2年総代のガルホール・スターゲスに圧力を掛けて、代表を交代するように、仕組んだ、


 3年生は、自分達の進路が、少しでも有利になる為に、学校の評判を少しでも上げたい、その為には、全学年が、地区大会に優勝して全国大会に出場する、そう考えていた、



 その時、僕は、フェルシェール先輩に言った、もし、皆が僕達の試合を見てくれたら、皆の評価は変わる、僕達は、其だけの実力が有ると、


 僕の話を、信じてくれた、フェルシェール先輩は、2年の代表は地区予選の上位入賞チームにする事で、3年生を説得し、ガルもダンもその条件を了解した為、僕達は地区予選に出場する事になった、


 そして、この地区予選で、ツェ組に注目して貰う為に、先輩は、ツェ組が上位になると言う、賭けまで提案した、


 其れにより、この予選大会は、学校中の注目を集める事になった。



 結果、バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの先生、生徒の多くが、この予選大会に、訪れ、僕達の試合を見た、皆が、僕達の活躍に感激し、僕達を心の底から応援してくれた、


 僕達の試合を、実際に見てくれたら、皆は、僕達の事を絶対、認めてくれる、そう、フェルシェール先輩に言った、僕の言葉は現実になり、


 組も、たぶん、凄く練習し、努力したんだと思う、予選会は、同じ学校の、組とツェ組が、優勝を争う迄、もつれ込み、結局、大会委員会の判断で、同じ学校の試合は、中止となり、判定で組の優勝となった。



 大会が終わり、ディ・プラドゥの記者、ローシィ・レーランドさんの僕達の記事が、学校中の、世間の注目を集め、学校では、僕達は、『奇跡のC(ツェルラ・バウル)』と呼ばれるようになった、


 そして、僕達の練習に興味を持った、ローシィさんは、ルナリィア・ウェルド殿下を巻き込み、僕達は、ローシィさん、ルナリィア殿下、殿下の護衛のサーンディ・アーランド上級魔導士、そして、リアの家の執事長で、アンリの祖父である、エリンデゥナ・ウォルデュースさんが見守るなか、


 僕達は、『星の遺跡・海岸』の攻略を開始した。


 攻略は、スグルさんの言う、第二局面(セカンドフェーズ)で、ハルの『右星の扉(ライトスターホール)』が開き、ハルは膨大な『星の力』を星界より吸収し、其と共に僕達も強くなり、第二局面(セカンドフェーズ)第三局面(サードフェーズ)を攻略した、


 第二局面(セカンドフェーズ)の攻略で、僕は、『星』より、『星の秘門錠(スターミィゲート)』を貰い、


 そして、第三局面(サードフェーズ)の攻略で、僕達は、スグルさんが言う、『喪なわれし地平線(ロストホゥ)』に飛ばされた。


 その地で、スグルさんは、『星の秘門錠(スターミィゲート)』とは、実は、スグルさんの『何処でも扉』と同じ機能の『星具スタートゥ』なんだけど、今の僕の力では、15センチ四方の扉しか開けられない、でも僕がもっと強くなったら、もっと大きな扉を開ける事が出来る筈だ、そう、僕に教えてくれた、



 そして、その時、スグルさんは、僕に、僕達の星について、大切な事を話してくれた、


 その時、初めて、僕は、僕達の『星』の真実を知り、


 其れは、僕達の運命を、大きく変える、真実だった。



 スグルさんは、僕達の背負う星の説明と、まだ、現れない星、メグレズの星について、


 そして、僕達の星は、世界の中心に有る星を守護する星で有る事を、



『世界の中心に有る星』



 僕は、その星を背負った人が、先生が言う、『喪なわれし地平線(ロストホゥ)』の星界の中心に輝く、動かない星の下にいるから、ハルにその場所に行けと言っていると思い、


 その事を、スグルさんに聞いたら、


 スグルさんは、ハルの星は、世界を滅ぼす相手に、絶対、勝つ為の星、だから、違うんじゃ無いかと言った。


 そして、その場所にいたのは、



 コーネル・オリゴン



 と言う、世界を滅ぼす可能性の有る人だった、



 スグルさんは、正しかった。



 僕達は、世界を救う為に、コーネルより強くなり、彼から、スグルさんの『星の剣』を、


 取り戻す、そして、世界を救う、


 其が、僕達が、星から、託された、


 使命で有る事を、



 僕達は、知った。




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