表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の真実編
110/136

新たなる扉

 魔導暦2035年5月12日の火曜日ヒョョルヤに、第12回の放課後自主講座(フォールドコーゼ)が開催され『星の遺跡・海岸』攻略が開始された、


 そして、最後の試練、水虎の首を、ダンが跳ねた時、『星の遺跡』の、仕組みが発動し、俺達は、遺跡の終点ゴールで有る、


喪なわれし地平線(ロストホゥ)』に、飛ばされた。


 其処は、俺が星に託された目的地の終点ゴールだった、


 俺は、星より託された使命、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』を『星の遺跡』の果てに連れて行くと言う、使命を達成した。



 此処で、俺は、皆に俺の星の使命を話、此処が、俺の使命の終点ゴールで有る事を説明した、


 後、残るのは、ハルの守護星が、ハルに語る、『星の中心』に行くと言う事だけで、此処から、魔導四輪車(モーグコルク)で二時間、の場所なので皆で、行ってみる事になった。


 その二時間の場所と言うのも、此所は、『喪なわれし地平線(ロストホゥ)』、距離、時間、全ての概念が喪われた世界、だから、其処に有ると、俺が皆に暗示を掛け、その暗示に、我々は、ただ、騙される、其が、此の世界の真実だ、



 勿論、俺は、皆には此の話はして無い、下手に説明すると、全ての現実も嘘になり、俺達の存在事態が否定される、此所はとても危険な場所だ、


 此は、以前、皆で此の場所に来た時、天皇星の大賢者(ウラノスター)が、俺に教えてくれた、その時の俺は、バカだったから、彼の言う事が分からなかった、


 まぁ、彼は、俺がバカだったから、安全だと思って教えてくれたのかも、知れない、


 だから、今なら分かる、此の場所が如何に、危険な場所で有るかを、



 正直言って、俺は、直ぐにでも、宿舎に、バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼに帰りたい、其が、本音だ、


 だが、駄目だ、ハルの強力な守護星が、その先に行けと言っている、逃げる事は出来ない、其が、俺達の宿命、



 其に、俺はもう1つ、皆に、此の場所について言って無い秘密が有る、


 此の場所は二千年前、俺達、七人の星の使途(セブンスターズ)が、幼き神、『魔神グゥス』を眠らせた地だ、


 もし、俺が彼等に、『魔神グゥス』の話をしたら、彼等の目に『魔神グゥス』は現れ、神は現実の者となり、具現化する、



 あれは、二千年前、


 かって、世界に幼き神、『魔神グゥス』が降臨した時、世界は混沌と混乱に包まれ、人々は、こんな神等、望まなかったと、口々に喚き散らした、


 当時の俺は、テメぇらが、かってに神を望んだくせに、自分達の理想じゃねぇってだけで、ガキの神を悪く言う奴等に対して、結構、腹を立てていた、


 そんな、俺に対して、天皇星の大賢者(ウラノスター)は、笑いながら俺に、神とは、人とは、そう言う者だと教えてくれた、


 此も、その時は、俺は、バカだったから、彼の言ってる意味が分からなかった、


 だが、今なら分かる、神とは良い事も、悪い事も、等しく、世界にその奇跡を具現化する存在、だからこそ、神は姿を現してはいけない、


 現れなければ、人は、良い部分だけ、神に感謝する、其で良い、


 具現化も神格化も分からない、生まれたばかりの神に、神として、どうあるべきかを考えろと言うのは、無理な話だ、


 だから、当時の『魔神グゥス』は、酷かった、神として、その眷属を造り、作っては壊し、世界を変えては、世界を壊し、


 そんな、『魔神グゥス』が作った眷属や、世界を、俺達は軽蔑して、『魔神の玩具(グゥストゥトォ)』と言った、



 二千年前の、まだ、俺が若かった頃の話だ。


 まぁ、俺は、『星の使徒(スターマン)』で、皆と違って、『魔神グゥス』を信じて無い、だから、こうやって、幾ら、『魔神グゥス』の事、考えても、奴は、俺の前に現れもしない、


 ふぅ、


 俺は、『忘却の大瀑布』を見ながら、ため息をついた。



「スグルさん、ちょっと良いですか、」


 ん、


 考え事して気付かなかった、ジェミか、


「どうした、ジェミ、リアと喧嘩でもしたのか?」


 ジェミは、苦笑いをしながら、


「してませんよ、今、彼女は、シャワー(ドルサァ)してます、」


 俺は、また、ちょっとからかいたくて、


「おっ、じゃ、覗きの相談か!」


 ジェミは、真っ赤な顔で、


「違います、スグルさんに、此を見て貰いたくて、」


 そう言って、ジェミは左手を俺に見せた、


 左手の人差し指には、右手の人差し指に填まっている指輪、『星の秘蔵庫(スタートレェチェ)』と対称的なデザインの指輪が填まっていた。


 これは、


 天皇星の大賢者(ウラノスター)のもう1つの『星具スタートゥ


星の秘門錠(スターミィゲート)』!!!


 

 ・・・



 そう言う事か、


 ジェミ、お前は、やっぱ、彼の、


 彼の、後継者、って、事か、


 やっぱ、居ないんだな、



 彼は、


 此の世界の、



 何処にも、


「スグルさん?」 


「あっ、悪りぃ、何でも無い、で、ジェミ、其を、何処で?」


 ジェミは、ちょっと、安心したのか、


「此は、『星の遺跡』の途中で、気付いたら、僕の指に填まってたんです。」


 ・・・


 そうか、ジェミが成長したから

、指輪が現れたって事か、


 確か、天皇星の大賢者(ウラノスター)が言ってたな、『星の秘門錠(スターミィゲート)』は、『星の秘蔵庫(スタートレェチェ)』よりも、『星の力』を使うって、


 ジェミが、指輪を使いこなせる位に、『星の力』を使いこなせるようになった、そう言う事か、


「ジェミ、その指輪は、『星の秘門錠(スターミィゲート)』って言ってな、俺の『星の門(スターゲート)』、まぁ、『何処でも扉』と同じ機能が有る、指輪だ、」


 ジェミは、びっくりした後、嬉しそうに、


「すっ、スッゴいです、スグルさん、其で、其で、どう、どうやって使うんですか?」


 ん、


 どうやって使うんだ?


 まぁ、適当に言ってみっか、


「俺の場合は、前に言ったように、自分が見たり、行った場所を思いながら、『星の門よ!開け!!(スターゲートオープン)』って感じで、『星の門(スターゲート)』を開くんだけど、」


 ジェミは、少し考えた後、


「『星の門よ!開け!!(スターゲートオープン)』」


 と、言った瞬間、


 指輪が光り、ジェミの左手に翠光の光りが集まり、其が、15センチ位の光り壁になって、その光りが落ち着くと、その中に見えるのは、俺の宿舎の前の森、


挿絵(By みてみん)


 俺は、感心しながら、


「すっげぇな、まぁ、扉じゃねぇけど、窓だけど、此は立派な『星の門(スターゲート)』だ、たぶん、もっと、成長すればもっと大きく開く事が出来んじゃねぇのかな、ジェミ、」


 ジェミは、感激して、


「有難うございます、スグルさん、」


 へぇ、ジェミが、俺に礼か、


 ・・・


「なぁ、ジェミ、ちょっと、お前に話しときたい、事が有る、」


 俺は、ジェミに、ハルの星の真実を、その星と皆の星の関係を、話す事にした、


 俺は、ジェミと俺を囲むように、『星隠し(ダークスター)』を張り、


 話を始めた、


 此の場所の、危険性も含めて、






 結局、俺はジェミに、俺の素性以外は、全て話した、此の情報をどう生かすかは、ジェミに託された、


 此で、此の世界の俺の仕事は、終わった、その証拠に、星は、もう、何も語ってはいない、


「スグル、少し、休まなくて、大丈夫なのか、」


 俺が、まだ、ぼうーっと、『忘却の大瀑布』を見ていると、今度は、ルーナちゃんが俺に、声を掛けて来た、


「ルーナさん、済まないなぁ、何か、関係無い事に、貴女達迄、巻き込んじゃって、」


 ルーナちゃんは、俺の顔を、ジーっと見た後、


「謝るのは、私達だ、私達は、スグル、貴方に伝えて無い事が、有るんだ、」


 ?


 俺に?


「俺に伝えて無い事、ですか、」


 ルーナさんも、大瀑布を見ながら、


「私も、つい最近、知った事で、余りにも、途方も無い事だから、老人達の戯言だと思った、」


 ルーナさんは、何を、俺に言おうとしてんだ?


「スグル、私達の世界では、各国の知恵者や、権力者が集う会議が有る、其を、『円卓の賢者(ウラノデュアル)』と言う、勿論、私の父も姉様も会員だ、」


「『円卓の賢者(ウラノデュアル)』ですか?」


 ルーナは、話を続ける、


「私は、その会議に、姉様に言われて、姉様の代わりに出席した、そして、その席上で、彼等から、古来より、彼等に伝え続けられている、1つの予言を、教えられた、」



 1つの予言?



 ルーナは、一息置いた後、



「それは、『『約束された子(プロスターチャー)』が現れた時、世界の終わりが始まる、』、そう言う、意味不明の内容だ、」



 世界の終わり!



 世界の終わりに現れる星、



 破軍の星!!!



 まさか、



「1つ、分かっている事は、『約束された子(プロスターチャー)』は、喪われた星の力を使う、そう言われている、」



『星の力』!!!



「最初、私は、『約束された子(プロスターチャー)』は、貴方の事だと思った、世界に、『魔人』も現れたし、」



 魔人、


 あぁ、


 魔玩兵トゥルソゥ・ベルゴンゾーナ、彼奴あいつはザコだ、


 世界を、滅ぼす、奴等なら、


 魔神の三大玩具(グゥストゥミィトォ)


 その、直下の10人の超魔人、


 千の魔玩将(ティトゥサートゥ)!!


 破壊の魔玩、ドルガンギアス


 魔炎の玩帝、ズリアドラージ


 そんな、化け物級の魔人達が、此の世界に現れたら、確かに、世界は終わる、


 世界の終わり、


 彼等が、俺と同じく、戻って来る、


 そう言う事か、


 じゃ、星の中心にいるのは、


 奴等か?


 奴等とハルが、戦うのか?


 嫌、俺も、一緒に戦う、


「どうした、スグル、顔色が良く無いぞ、」

 

 ルーナが、心配している、


「あぁ、大丈夫だ、」



 大丈夫だ、


 今の俺なら、何とか、奴等と互角に、戦える筈だ、



「だが、君は、子供達に『星の力』を教え、導き始めた、もしかして、『約束された子(プロスターチャー)』は、貴方が教えている彼等じゃないのか、そう思い、其を確かめる為に、私達は、今日、高校バ・ハウゼに来た、」



 落ち着け、俺、


「其で、納得したのか、ルーナさん、」


 ルーナさんは、暫く、俺を見た後、首を振りながら、


「分からない、スグルの神話のような話を聞いたら、もっと分からなくなった、」



「そうか、」



 その後、ルーナも言葉を続けず、俺も、何も話さなかったから、暫く、ただ、二人で黙って、『忘却の大瀑布』を見続けていた。




「なぁ、スグル、話は、変わるんだけど、」


 ん?


「スグル、・・・その、君は、・・・その、君の国に、・・・気になる娘が居たって、聞いたんだが、」 



 えっ!!!



 話、変わりすぎ!


 ルーナさんは、顔を赤くし、髪をいじりながら、


「そ、その娘は、どんな娘だ、スグル!」


 えっ?


 スグルの世界での、気になった娘、


「そ、そうだなぁ、職場で、良く見掛けた、ショートカットで、黒い髪、淡い紫の瞳の娘で、」


 ルーナが、目を見開いて、驚いた顔で、


「ちょっと待て!!!スグル!!!」


 その時、


「お話中、大変、申し訳ございませんが、スグル様、ルーナ様、そろそろ、出発の時間でございます、」


 エリンさんが、俺達に、声を掛けて来た、


「あぁ、エリンさん、じゃ、出発しよう、で、ルーナさん、続きの話は、学校に戻ってからで、良いかな、」


 ルーナは、俺の顔を見ながら、


「・・・済まない、スグル、そうだな、また、今度、話を聞かせてくれ、」


 そう言って、ルーナも、魔導四輪車(モーグコルク)に向かって、歩き始めた。




 3台の魔導四輪車(モーグコルク)、先頭の魔導四輪車(モーグコルク)には、運転手にエリンさん、乗るのは、俺に、ハル、エミ、ダン、オルにジェミの六人、


 後ろの魔導四輪車(モーグコルク)には、運転手はアンリ、他はリア、ドーリ、ローシィ、ルーナ、サーディ、メルティスト先生、の七人、


 最後尾は料理専用魔導四輪車(ベーリ・モーグコルク)、運転するのは、ブライ、


 20時、3台の魔導四輪車(モーグコルク)は一列縦列で、『星の中心』に向かって、出発した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ