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愛する星に、願いを込めて  作者: Hs氏
星の試練編
102/136

二回戦

 5月10日の光曜日コゥョルヤ、俺がこの世界に来て49日、今日は、東部の大都市ガルマーダ、ベルトリアで魔導格闘技大会パールドゥアウルトゥオゥロセの地区予選が開催された、


 ツェ組の、放課後自主講座フォールドコーゼ、チーム、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』は、組との確執から、学校の地区大会の代表出場を、地区予選、上位入賞チームに譲る事を決め、代表権を賭けて、この地区予選に出場する事になった。



 其を受けて、バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの2年生は、べーツェの全クラスが、この予選に出場する事になり、


 そして、全クラスが、初戦を勝利し、二回戦を戦う事になった。



 二回戦は、昼食休憩を挟んで、午後1時から開催される、


 大会委員会より、対戦表が配られ、我ら、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』の二回戦の相手は、グランドリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼべー組、試合開始時間は、13時、


 この予選には、各、魔導高等学校アウル・バ・ハウゼ組とツェ組は出ていない、


 組は、推薦枠で、直接、地区大会に出場するし、ツェ組は、実力的に、殆ど、出場を諦めるているのが現実で、


 バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼが、如何に、異常かが分かる。



 更に、午後からバルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの生徒が1年から、3年迄、大挙して、この競技場に来たから、競技場は、まるでバルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの競技会の雰囲気になり、


 その、クライマックスは、エルさんと、アルバート先生、其に、ジェルダ・ルーバッハ学長迄、来て、競技場全体が、魔導皇、魔導皇と大騒ぎになり、


 慌てた、大会委員会は、3人を貴賓室に案内し、色々と事情を聞いたようだ。



 この騒動は、後から、ジェミに聞いた、勿論、ジェミに親しい、マーキ、ローラも一緒だったらしいんだが、彼等は貴賓室には案内されず、皆と観戦していたらしい。


 

 そんな騒ぎも知らない、俺達は、我が、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』の専属料理作業員(ベーリ・アルパ)、ブライの、超豪華な弁当を食べていた、


 五種類のサンドイッチ(バンデゥタ)、三種類の肉料理と魚料理、其に、野菜に果物、別にデザートも有る、


挿絵(By みてみん)


 まじ、ブライはプロだ、俺達の為に早朝から旨い飯を作ってくれた、


 勿論、ジェミが何も無い空間から、ぱっぱっと弁当出してたら、怪しまれるんで、俺は、『星に愛されし民(スタラブルラディ)』、全員を『星隠し(ダークスター)』で包み、


 その際、弁当も、中身がサンドイッチ(バンデゥタ)が1個しか入ってない、弁当に見えるようにした。


 試合が、終わって、偶々(たまたま)俺達の前を通りがかった、ガルホールと、トーネル、他選手達は、俺達が食べている弁当を見て驚き、


 全員、何か、哀れんだ表情で、その場を立ち去った、


 何せ、彼等が見た状況は、幸せそうに、1個のサンドイッチ(バンデゥタ)を食べてる、ツェ組の皆の姿だ、まぁ、哀れむ、



 ・・・



 よね、



 彼等は、金持だから、外へ旨い物、食いに行くだろうし。



星に愛されし民(スタラブルラディ)』の二回戦は13時から開始される、ルールとして15分前には競技場に入る必要があるから、彼等には時間が余り無い、組、べー組は、13時半からだから、少し時間が有る、


 だから、俺達は、弁当を用意して正解だった、本当にブライには、感謝している。



 食事をしながら、ジェミが、対戦相手の情報を、皆に伝えた、


 東部南地方に有るグランドリア街は、バルセリアに比べて、魔導格闘技アウルトゥオゥロセが盛んで、街にプロチームが有るくらい、街が、魔導格闘技アウルトゥオゥロセを支援しているんだとか、


 だから、魔導高等学校アウル・バ・ハウゼも、街からの支援で、設備、装備が充実していて、選手も結構、練習しているから、強いそうだ、


 彼等の中には、二つ名の選手は、いない、だから、選手の情報は無いけど、たぶん、強さを推測するに、バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの、組の下位クラスの実力が有ると思うと、ジェミは皆に告げた。



 12時45分には、彼等は競技場に入場し、待機席に着席し、


 対戦相手も着席して、御互いが、御互いを観察する事が出来るようになった。


 相手のチームは、全員が旧型の魔導防護服アウルプロセル、その装備で、一回戦を勝ち抜いたんだから、確かに、実力は有るのか、


 見てると、前の対戦チーム、『星に踊る猫』よりは、真剣で、彼等は決して笑って無い、色々と打ち合わせしているようだ、


 ああ言う、真面目なチームに対して、オルはどう言う作戦を立てるのか、ちょっと興味が湧いてきて、


 俺は、対戦チームの会話を聞くより、ハル達の会話を聞く事にした。




 ダンが、オルに聞いた、


「オル、彼等、私達の事を警戒している、前の戦いのように、油断しないと思うし、どう言う戦いをしたら良いと思う、」


 オルは、考えながら、


「オーソドックスに、考えるなら、正攻法には、正攻法だと思う、逆に、奇を狙った作戦も有効かも知れないが、私達は、そんな練習をして無いから、失敗する確率は高い、」


 ダンは、頷きながら、


「そうなると、何時もの攻撃者アタッカ2、守備者ディフェンダ3、狙撃手スナイパー1、か、オル、」


 オルが、答える、


「そうだな、攻撃者アタッカ狙撃手スナイパーが、相手の、攻撃者アタッカを確実に、潰し、早くポイントを稼いだ方が良いと思う、相手もポイントが減れば、攻守入れ変えて来ると思うし、」


 納得した、ダンが、


「じゃ、其で、」



 オルが右手を上げながら、ダンを制止して、


「ちょっと待ってくれ、問題が、一つ有る、」


 ダンが、不思議そうに、


「問題?」


 オルが、頷きながら、


「問題は、ドーリだ、相手が、ドーリが素人だと、知れば、必ず、ドーリを狙ってくる、となると、仮に、ドーリが3ポイント取られれば、私達は、4ポイントを取る必要が有る、」



 ダンは、暫く考えて、


「3ポイントで、同点の場合は、」


 オルは、首を振りながら、


「常識的に考えて、審判は、べー組を勝ちにする、筈だ、」


 ダンは、苦しそうに、


「・・・そうだよな、オル、」


 オルが、言葉を続ける、


「其処でだ、ダン、ドーリをキィオにし、ハルが、ドーリを守るんだ、」



 ドーリが、びっくりして、


「えっ!ええええええええ!!!」



 エミが、ドーリを叱るように、


「落ち着いて、ドーリ、ハルなら、大丈夫、絶対、貴女を守るって、」


 オルは、エミの意見に頷いて、


「前の戦いで、私も、そう思えるようになった、だから、布陣は、攻撃者アタッカ左から、私、アンリ、ダン、守備者ディフェンダは、左から、ジェミ、ハル、エミ、更に守備者ディフェンダは、ジェミ、エミが先行して、逆、山形とする、」


 ハルは、オルの作戦に、


「そうか、僕が、ドーリの前に入れば、相手は、必ず僕とぶつかる分けだね、オル、」


「そうだ、たぶん、一人は、必ず抜けてくる、其は、狙撃手スナイパーだと思う、ハルなら、防げると、私は思う、だから、その後、必ず、ジェミとエミで、狙撃手スナイパーを潰すんだ、」


 ハルは、納得して、


「分かった、オル、大丈夫だ、出来る、」


 ダン、が立ち上がり、


「さぁ、審判が此方に来る、そろそろ、時間だ、皆、オルの作戦で行こう、私達は、絶対勝てる!」


 全員が立ち上がり、審判から、魔導制限腕輪アウルプロバンルを受け取り、全員が、腕にめた後、


 全員が、ダンに合わせて、叫ぶ、



「ファイト!!オゥウウウ!!!」



 そして、彼等は、迷宮戦場ダンフィービに入って行った。



「えっ、ドーリちゃんが、キィオになるの?」


 『星に愛されし民(スタラブルラディ)』が、其々のポジションに就き、その布陣を見た、ローシィが、驚いて、俺に聞いてきた、


「ドーリは、三日前、参加した、素人なんだ、一回戦は、バレなかったけど、今回は、無理と皆が判断して、後ろに下げたんだと思う、」


 ローシィは、驚いて、


「へぇ、そうなの、でも、キィオは混戦になると、一番、狙われる、ポジション、大丈夫なの?」


 俺は、笑って、


「まぁ、彼等なら大丈夫だろ、見ててみ、たぶん、驚くって、」


 ローシィは、半信半疑で、


「ふぅーん、」


 と、言って、ローシィは視線を迷宮戦場ダンフィービに戻した。






 オルの、作戦で、僕がドーリを守る事になった、


「大丈夫だよ、ハルなら、絶対、出来る、」


 エミは、そう僕に言って、配置ポジションに就く為に、僕の側から、離れて行った、



 ふぅ、



 皆が、また、僕に期待してると言う、僕なら出来ると言う、


「だだ、だいじょうふ、でしゅよね、ハルしゃん、」


 ドーリが、緊張して、言葉が、崩れてる、本当に緊張に弱いんだ、ドーリは、


「大丈夫だよ、ドーリ、君の所には、たぶん、誰も来ないよ、」


 僕は、彼女を安心させる為に、言葉を掛けた、彼女は泣きそうな顔で、


「ハルしゃん、」



 ぷっ、緊張で酷い顔、笑っちゃ悪いけど、笑う、


「・・・アハハ、」


 ドーリも、釣られて笑いだした、



 そうだ、僕が弱気じゃ、ダメだ、僕に皆は期待している、



 僕は、期待に答えられる、



 ならば、僕がする事は、一つ、


 僕は、迷宮戦場ダンフィービに有る時計タイマーを確認した、



 試合は15分を過ぎ、膠着していた、相手チームは、やはり、僕達を警戒していた、機動力は無いけど、慎重だから、焦って前に出ない、ダンも、アンリも、オルも、有効打が出ない、



 魔導術の、『リキ』が弱い、



 此れが、僕らのチームの欠点、


 

 僕が、前のチームの、攻撃者アタッカ、確か、ラーリアって人から、ポイントを奪えたのは、彼女が、高速で、突っ込んで来たからだ、



 彼女は、自滅した、



 僕は、10回、『星の力』を乗せた、『リキ』を纏った右手を、高速に出しただけだ、彼女は自分から、右手にぶつかった、


 だから、有効打も、ギリギリ、3ポイント、


 彼女は、3ポイント取られた後、ギリギリ、『リキ』でガードしたから、残り七発で跳ばされた、



 まぁ、その後が大変だった、彼女は、ツェ組が、おかしいって叫ぶし、反則って騒ぐし、審判迄、疑うし、


 僕は、少し、二回戦は慎重になろう、そう考えていた、



 でも、ダメだ、



 やはり、このままじゃ、勝てない、



 御互い、ポイントが取れない場合、引き分け、審判判定、ならば、たぶん、相手の勝ちだ、



 このままじゃ、僕達は負ける、



 試合開始、20分、後、5分、



 オルの、場所エリアから、一人、抜けて、此方に来た、


 オルが、勝負を賭けた、あれは、わざとだ、


 残り、4分、



 半分範囲ハーフエリアを越えた、


 ジェミ、エミが、動き始める、だが、遅い、其も、わざとだ、


 オルの作戦は、相手が動く時、たぶん、狙撃手スナイパーだと言った、もし、狙撃が無理だと知ったら、引き返す、だから、誘い込めと、


 残り、3分、


 ドーリとの距離が、6メータを切った瞬間、


 僕は、同時に、3箇所に『星の力』を発動させた!!!



 世界は、反転する、『星の瞳(スタービュー)』が、僕の世界を構築し、時は、止まる、


 狙撃手スナイパーが打った『リキ』は、大きく曲線を描き、ドーリに向かっていて、


 止まっている、


 あれほど、興奮に包まれた、競技場は、音一つ無い世界になった。


 感じる、膨大な『星の力』が、僕の右胸に流れ込み、僕は、猛烈な勢いで、消費、続ける、


 急げ、急げ!急げ僕!!



 僕は、叫んでいた、



 時が、動く前に、!!!


 トン、


 僕は、ドーリを、左に、ほんの少し、動かした、


 たぶん、此だけで、ドーリは、数メータは、吹き飛ぶ、



 後は、アイツだ!!! 



 ブゥオゥウウウウシュウウ!!



 僕は、地面を蹴った!!!


 ゆっくりと、時は、戻り始める、


 カチッ、


 時が、動き、



 残り、2分、



 早く!早く!早く!



 僕は、叫びながら、


 足に、腕に、瞳に、


『星の力』を、送り、


 僕は、狙撃手スナイパーに、


 後、2メータ、



 後、1メータ、



 彼は、逃げようとしていた、



 50センチ、



 逃がさない!!!!


 右手に、圧縮した『リキ』をまとい、



 僕は!!!!



 残り、1分!!!



 ドッガアアアアアアンンン!!!



 思いっきり、『リキ』をまとった、右手で狙撃手スナイパーを、ひっぱたいた!!


 その瞬間、時は、戻り、


 ゴタン!ゴタン!ゴタン!


 狙撃手スナイパーは、2メータは、吹き飛び、


 ジェミとエミが、追撃する為に、狙撃手スナイパーに近付いた時、



 ピィイイイイイイイイイ!!!

 


 試合は、終了、


 僕は、迷宮戦場ダンフィービ

に浮かび上がる、『コウ』の得点ボードを見た、



 1➖0



 僕達は、




 勝った、



 ワァアアアアアアアアアアア!!!



 えっ!



 競技場は、大歓声に包まれ、



 まっ、まさか、



 3年生が、2年生が、1年生が、


 先生達が、


 皆が、


 皆が、


 バルセリア魔導高等学校アウル・バ・ハウゼの皆が、僕達に、



 僕達に、歓声を贈ってくれている、



 僕達に、


 総立ちに、なって、喜んでくれている!



 その、光景を見た、


 その、声を聞いた、



 僕は、


 僕は、泣きそうになった、



 そうだ、


 僕達は、



 ずうーっと、



 孤独に、



 誰からも、期待されず、



 ただ、孤独に、戦っている、


 そう、



 そう、思っていた、



 でも、違った、


 皆が、


 学校の皆が、



 僕達の、勝利を、



 喜んで、くれているんだ、



 喜んで、



 その時、


 はっきりと、


 分かった、



 僕達は、()()()()()だった事を、



 此れが、()()()()()うと言う事だと言う事を、



 そうだ、


 アルバート先生は言った、


 結果よりも挑戦する事が大事で、選ばれた人は勿論、選ばれなかった人も選手を応援する事で、皆が一つになれる。


 その時、皆は、始めて、此の高校バ・ハウゼにいる意味を理解する、と、



 僕は、初めて、この言葉の本当の意味が分かった、


 本当に、泣きたくなった、



「ハル・・・しゃ・・ん」



 ドーリが、泣きながら、


 ドーリ、君も、感激して、



「ひ、ひどいでしゅ!!ハルしゃん!!いきなり、突き飛ばしたぁあああああ!!!」



 ・・・



 忘れてた、




 ご免なさい、


 

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